Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2003年08月06日(水)  Everybody, once in a while, has 'blues'. When I say 'blues', I mean 'BLUES'. (MCより)

私、ロックに関してだけは白人男性至上主義。頭の固い差別主義者。おまけに、ばりばりのブルースってものをたいして解さないお嬢ちゃん趣味。
そんな私が、見に行ってきたわよお。
ロックの神様、チャック・ベリー

まだ生きてるのが不思議な、とっくに殿堂のチャック・ベリー。生きてるうちに見に行ったほうがいいか?なんて漠然と思ってたら、'70年代ロック・サイトのbbsに「チケットあまってます」の文字。あまり考えず、即座に「行きます」とメールを出した。

サイトの持ち主RAと、赤坂ブリッツで17時半に待合せ。17:45到着。早いでしょ? 私、ライヴには遅れないのよ。・・・って、遅刻だ遅刻。

ブリッツに来るのは二度目だ。一度目はハノイ・ロックス。あの時は必死で最前を取ったものだが、今日はうって変わって和やかムード。整理番号なんて無いも同然。入場しても誰も前に走りこんだりしない。

しかし今日の客。ほとんどが20代前半くらいの若さ。何故だ? 前座狙い?

19時に前座のO.P.King 登場。奥田民生その他が、チャック・ベリーの前座をやるために作ったらしい。売店でもそのバンドのグッズのみ売っていて、若い客がずらりと並んでいた。
このバンドが、ヘッタクソなこと!
アマチュアとレベルが変わらない。特にリズム隊がひどい。ドラムは雑なクセにエナジーもない。ベースは歌もベースもダラダラしてて腑抜け。
奥田民生には今まで好感を持っていたのだが、今回初めて生で見て、あまりの存在感の無さに驚いた。これが日本でトップクラスのミュージシャン? いやな意味で若く見える。

さて、生き神様のご登場だ。前座が終わると同時にいなくなるかと思ってた若い子たちが、大喜びで迎えている。へえー。
おお、愛想の良い笑顔。最初の曲は"Roll Over Beethoven"。すみません神様、私にとってこの曲はビートルズの曲ってことになってます。今日から認識をあらためますねw

バンドは4人。チャック・ベリーの他にベース、ドラム、ピアノ。絶対サイド・ギターを入れるものと思っていたが。
そのギターがどうなのかというと。さすが神様、もう上手に手数を抑えてらっしゃってw ギターの音が薄い(失礼!)なぶんはピアノがカバーしている。
この手数の抑え方たるや、ホント芸の域に達している。途中のギター・ソロ(?)で、会場の全員がこの77歳のじいちゃんの手元を、固唾を呑んで見守るという場面もw ミスも何度かあったが、自らすすんで笑って認め、このへんの余裕は年の功。

しかし存在感がスゴイ。迫力じゃなく、説得力とでもいうか、音楽の中にどっかりと腰を下ろして、微動だにしない感じ。
そしてあの声。全く力まず、それでいて人を振り向かせる声だ。世界中のありとあらゆるライヴ・ハウスに馴染む声。・・・すごいな。
それと言葉。歌詞もMCもすごく聞き取りやすい。コレは要するに、チャック・ベリーが自分のやっていることをショー・ビジネスと認識しているからではないか。実際MCの内容から、表情や動きに至るまで、全てが客を喜ばせるための一級のパフォーマンスになっていた。だから若いファンもあんなに屈託なく楽しめるのだ。
私は常々、ロックという言葉には何の意味もない、ひとくくりにするには範囲が広過ぎると思っていたのだが、ここにもひとつ大きな溝を発見したわけだ。つまり、客のノリが悪いと言って40分でステージを切り上げるアクセル・ローズ、同じく客のノリが悪いのを理由にマイクを投げ捨てて帰るアンソニー・キーディス、それどころか客をベースで殴り倒すシド・ヴィシャス、これらは全部非常に「ロックな行為」とされている。だったらチャック・ベリーのどこがロックだ? しかし彼こそがロックの神様なんである。

それにしても、"Sweet Little Sixteen"って初めて聴いたんだけど、ビーチ・ボーイズの"Surfin' U.S.A."とコード進行が全く同じじゃん。パクリと言われる曲は数あれど、あんなに1曲まるまるってのはスゴイな。
(後記:スミマセン私ビーチ・ボーイズ全く知らないんで、あれが本当にカバーだって知りませんでした)
(後記2:でもやっぱり「レモンティー」はカバーじゃないんですか??)

後半に入ってからふと怪訝な顔をして、"I didn't do 'Johnny Be Good'?"と言った。おお、かっこいい。

終盤はかなりギターにも気合が入ってきて、結構弾きまくっていた。Duck Walkも出た。ラスト曲では(コレは恒例らしいのだが)ファンがどんどんステージに上がり踊っていた。全員若い子達で、数人がチャックの額の汗をタオルで拭いたりしていた。全く物怖じせず、今に肩でも叩くんじゃないかとこっちが心配したほどだ。
最後、くりくりした目でこちらを見ながら"Do you want me to quit?"(もうやめてほしいかい?)、"Do you want me to stay here?"(まだいてほしいかい?)と繰り返す。客は"No!!"、"Yes!!!"と大騒ぎ。
アンコールはなく、気持ちよく終わった。

最後に付け加えると、実はバックの3人、さぞかし良いミュージシャンを使うかと思いきや、あまり良くなかった。ドラムなんか、上手ですらない。
どうやら神様、結構行く先々で人材調達とかなさるらしく、そういや前座だって完全な現地調達だもんね。そこらへん、またロックっていやロックだなあ。いや「ブルース」か?w

今夜はいいもん見たなあ。RAとその友人と4人で軽く飲み、そのまま珍しくまっすぐ帰る。0時半帰宅。



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