ふつうのおんな

2005年09月14日(水) 働く女が妊娠したら

今日のヤフーニュースで「65人に1人が体外受精ベイビー」だという記事があった。

---とある医者のコメント↓---
「治療1回あたりの妊娠率はそれほど向上しておらず、不妊患者の数が増えた結果だろう。
安全に妊娠・出産できる年齢限界は35歳以下ということを認識してほしい」と述べ、体外受精件数を引き上げている高齢出産の増加に警鐘を鳴らしている。
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妊娠出産は自然の理で 人の手を介すものではない。
妊娠しない夫婦は無理に妊娠をする努力はせずに 運命だとして諦めろ。
妊娠可能な夫婦は安全に産みたいなら女は35歳までに仕込め。

とおっしゃってるのでしょうね。

でも よく考えてみてよ。

国民の大部分が完全に夫の稼ぎだけで家族を養える時代って もうとっくに終わってるでしょ。

独身の頃とできれば同じぐらい自由になるお金を得ていたい と思うだけでも夫の稼ぎだけじゃ大抵は無理でしょう?
男性からしてもそうじゃない。
独身で さらに実家にいた男性は 例えば手取り25万だったとして 実家に5万入れていたとしよう。
諸々の保険や携帯電話の料金、毎日の昼食代と煙草や飲み物を差し引いて10万くらいは自由になるお金がある。
しかし結婚して新居に移ったら 親に渡していたぶんに+3,4万は載せないと大人が二人住むアパートやマンションには入れない。
さらに昼食代などは相変わらず出て行くのに朝食夕食の分の食費もでていく。
もちろん妻の使う雑費もあるから10万つかえていたものが2,3万にまで落ち込む。

子供ができたとしよう。

まわりの友達に聞くところによると「小学校にあがるまで」は想像以上にお金は出て行かないらしい。
その7年弱でまたこつこつと子供の学費を貯金していくのか。
その頃必ず手取りが上がっている補償もないのに。

だったら自分と同じくらい女房が稼いでいてくれれば そう締め付けを厳しくすることなく生活できるんじゃないの。

女は出産の前後だけ休めばいいというわけではない。
少なくとも半年は赤ん坊から離れることはできないだろう。
半年のつもりで育児休暇をとっても子供が少し弱かったりすれば1年休み 結局退職を余儀なくされる。
よっぽど育児休暇に対して理解のある会社であればそうでもないだろうが、弱小から中小企業の大半は1年以上の育児休暇を認めていないのでは?
正確に言うと、「休むことは認めて 復職もさせるけど 出産前のポジションには置かない」でしょう。

雇う側にしてみれば いつ子供のことで休むかわからない社員に大事なプロジェクトをまかせられないのは当然だ。

女は出産育児のために 築き上げたポジションや やっと上がった時給単価を 一度リセットされてしまう。
これを受け入れがたい女性が増えているからって 悪いことみたいに言われたくない。
日中、夫妻どちらかの実家に頼る以外は出産前と等しい働き方などできるわけがない。

雇う側に「育児室を作れ」「社員用のナニーを雇え」とかそういうことを押し付けることはできない。
だから働く女は無認可保育園とかに頼らざるをえないのだ。
それでも専業主婦のお母様方やその母の世代の人は夜遅くまで子供を預けて働く女に平気で眉をひそめる。

親や親戚に頼らない・頼れない働く女が出産するとなったら選択肢は
「きっぱり仕事を辞めて 子供の手を離れる頃にまた仕事をはじめる」
「出産・育児休暇をぎりぎり使って、保育園も探して復職する。が、もし子供になにかあったら仕事は辞めざるをえない覚悟。」
のどちらかしかないでしょ。

私は夫の父と暮らしているので いざとなったら子供の世話を一日中してもらえるかもしれない。
それは信用してるしてないの問題じゃなくて できれば避けたい。
義父はきっと友達とかの集まりにもつれていったりと可愛がってくれるだろうが
義父や義父の友達が 赤ちゃんがいるから といって煙草を側で吸わないでいてくれるとは限らないし 万が一のことがあったとき私は誰も責められない。

たとえばうっかり子供の側で煙草を吸っていたとしよう。
火の消えていない灰が子供に触れてやけどしたら?

それをやったのが夫だったら 私は夫に怒り狂うと思うが、夫にとっても自分の子なので自分の責任を充分感じるだろうし 私も怒りの持って行き場がある。
でも義父だったら 私は 預けた自分が悪いのだと 諦めるしかなくなる。
お金で雇ったベビーシッターなどであれば 預かる行為に充分な責任を感じてくれるだろうが、男の子守りというのは よほど慣れている又は向いている人でないと そこまでやってもらえないものだ。

働く女が子を産んで育てる場合 たとえどんなに夫の協力があったとしても ある種の諦め または 覚悟 が必要になる。

35歳以上の出産になれば自分の体力が追いつかなくなっていくのも 女はよくわかっている。
それでも出産を選択し切れないのは こういう事情のほかにもたくさんの問題があるからだ。

頑張って仕事して ここで1年休んでもなんとか復職できるところまでもっていって、よし子作りだ!と思ったらなかなか妊娠しない。
調べてみたら夫か妻のどちらか または どちらにも 受精しにくいハンデがわかった。
子供は欲しい だけど 養子を「貰い子」と称することのあるこの国で養子はもらいにくい。
なにより できるだけ自分たちの血をつなげたい。
そういう思いで体外受精をするひとたちのことを
「体外受精件数を引き上げている高齢出産の増加」
とわかったような物言いで記事にしてしまえること自体に デリカシーのなさを問いたい。

それと 子供のいない夫婦に興味本位や押し付けがましい"心配"という名の好奇心で「子供は?」と聞くことを許す風潮。
特に団塊の世代以上の人間の「産まなくちゃ」口撃。

心から 余計なお世話です。

合掌。

chick me
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