けろよんの日記
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2012年06月04日(月) 女たちの家

女たちの家/平岩弓枝 文春文庫

先月文春から新装版が出たと吊革広告で読み、
なんで今頃?と頭をひねりつつ、
図書館にあったので読んでみた。

初出 静岡新聞 昭和54年5月26日〜55年4月2日
30年以上前ですね!

ちなみに平岩弓枝は20代前半
通勤のお伴でありました。
その際に読まなかったのはヒロインが49歳の未亡人
だったからだと思われます。

「故郷・浜松でのペンション経営に思いを馳せて、
早期退職を決めた公務員の夫が突然急死した。
世間知らずの妻・はるみは、生さぬ仲の息子との相続争いや、
夫の元同僚からの出資の誘い、知り合いの初老の医師からの求婚と、
さまざまな出来事に翻弄される……。(中略)
夫婦とは? 家族とは? 
ペンションに集う女性たちを通して描く、さまざまな幸せのかたち」

と、出版社の紹介。
旅行好きの著者の本らしく、イギリスへの旅行風景や、
ペンションという新しい宿泊施設の形態を試行錯誤しながら
経営していく様子は時代が違っても楽しい。

女たちの家
というタイトルではあるが、
主人公のはるみの人柄を慕ってやってくる男たちの
拠り所。という方が正しいかも。
ヒロインになりきって読めばとてもいい気分になれそうです。

女長兵衛という表現や、宿屋という職業、
春風のような女主人公の魅力。
というあたり「御宿かわせみ」と共通します。

夫婦感や、家族感についての
登場人物の述懐は時代の感覚の違いを感じるようでいて、

子育て、こどもの進学・就職による夫婦喧嘩、
結婚に対する男女間の意識の行き違い、倦怠感
子離れや老後の心配など根本的なことは変わってないよなー。

読んでて結構複雑、、なとこもある。かも。


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