Jacarandaの日記
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四国の実家にあった電話 電話嫌いの父が、頑固に固辞していた電話機 その黒い電話機が ビックリするような大きなベル音を鳴らしていた 流行のプッシュホンでもなく コードレスでもない ごく普通の黒いダイヤル式の電話機 コードを思いっきりひっぱって、 台所に電話を置いて、ガラス戸を閉めて ひっそりとダイヤルを回す
帰省した私が、夜中にこっそり彼に長電話したのも 友人に恋の悩みを相談したのも この電話から 「 明日、帰るからね 」と、電話すると 電話口に出た父がぶっきらぼうに 「 お母さんにかわるから 」 今はもう、その電話が鳴ることはない 夏休みをとって、私がその家に帰ることもない 誰もいない家で その黒い電話機は埃をかぶっている
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