遠雷

bluelotus【MAIL

おだやかに
2008年06月19日(木)

もう書くのはやめようかとも思っていましたが、また今年も命日がすぎて、やっぱり書いてみます。
5日も経ってしまっているけれど。

今までのように自由に平日休める身分ではなくなったというのに、今年は狙ったかのように土曜日に当たっていました。
まるで忘れないでと言われているように。
そして、今年は初めて、命日の日に一人ではありませんでした。
今までは平日だったので無理だった彼の友人たちとの合同お参り。
ひとりで話す時間も欲しいけれど、一年に一度会って話す機会を楽しみにしてもいるのです。
ということで間を取り、先にお参りに行って、墓地で皆が来るのを待っているという方式をとりました。

3ヶ月ぶりの墓地はとても静かで、天気がよくて、風がさわやかで、4月から駆け足で過ごして来た時間が、ふっと止まったかのようでした。
色々報告をして、相変わらず風に難儀してお線香をつけるのに苦労して、あずまやでビールを半分飲みながら、考え事をしたり本を読んだり、なんだか例年より穏やかな気分でした。
なんてこのところ毎回書いている気もしますが、気持ち良さ半分、それが悲しい気持ちが半分。
そしてそのまましばらくしたら皆が到着したので、ひとり泣いてしまうことも無く、一日が終わりました。

久々につけた指輪に慣れず、ずっと違和感があり触っていました。
彼の友人の一人が離婚していことに驚きました。
私が大好きで彼に貸したら、大層気に入って欲しがっていた絶版漫画が復刊されたので、それを彼の親友に読んでほしくて新しく買い直して渡せたことが嬉しくて、そして気に入ってもらえるかどうか密かに心配をしています。
いつもお参り帰りに行く、彼との思い出がある居酒屋のつくねが一時期味が落ちたのに、少し戻っていたことに皆で感激したり。
そんな風に、過ごしました。
こんな穏やかな気持ちで来年の今日も過ごして行くのだろうかと少し寂しく思いながら。

次の日は別件で出かけて、友達となんとなく気持ちのズレを勝手に感じてしまい、どんどん落ち込んでしまって途中で切り上げて帰って来てしまいました。
帰りの電車でさみしくてさみしくて、そんなときには無意識に彼に話しかけて、寂しい悲しいと訴えていました。
最初、ほんとうに意識をせずに。
そして彼に話しかけていたことに気がついたときに、泣きました。
電車を降りる直前だったので、なんとか我慢して人通りの無いところまで行って、泣きました。
泣けたことをやはりうれしく思いつつ、そういえば数日前に珍しく彼の夢を見たな、などと思い出して、また泣きました。


やっぱり、毎年思うことは同じでした。
会いたいです。
寂しいです。
死なせてしまって、ごめんね。



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