遠雷

bluelotus【MAIL

…たら
2006年10月06日(金)

彼の部屋に置いてあった、古本屋で買った本の飾ってある棚の情景。Hの部屋の風景を思い出すと、一番にその棚のことが浮かんできます。

たぶん少々高かったのではないでしょうか、彼の好きな作家の小説の古いハードカバーのセットでした。タイトルが気になってはいましたが、食わず嫌いだったその作家ゆえになんとなく手を出しそびれていて、Hともその本についての話をしませんでした。その作家の中でも気に入りの作品は別だったので、会話に昇らなかったのでしょう。あれから、いろいろその作家の本も読んできました。Hの好きな作品も勿論好きなのですが、あれから一番多く読み返したのは、その飾ってあった作品です。

その物語について、彼と話がしたいです。どう思ったのか、どう感じたのか,話がしたいです。それから他の本についても、いろいろ話がしたいのです。晴れた日に公園でも行って、あったかいお茶を片手にふたりで本が読みたいのです。

このところは、「こんな天気の日には、ふたりでどこかに行きたかった」「このことについて話をしたら、どんなに楽しかっただろうに」などと考える方が多いです。後悔だけ続ける時期もありますが、こういう気分のときは切ないけれど、苦しさが少ないのですこし楽なのです。前向きかどうかはわかりませんけれど。

来週、引っ越して行った友達のところに旅行がてらに遊びに行く予定でいます。彼らが引っ越して行くことをあんなに寂しがっていた彼がいたなら、どんなことをしても一緒に連れて行ったのに。いまごろは色々プランを立てて、週間予報を気にしたり、あんまり旅行をしたことない彼の準備の世話を焼いたり、小言を言ったりしていたでしょう。



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