手帖...ハタノアツコ

 

 

- 2006年12月29日(金)

12月29日フェスティバルホール
井上道義指揮  ベートーヴェン作曲 交響曲第九番


今夜の出来事を、わたしは作家ではなく音楽家なので、詳しくをことばに変換しないでおきます。ですがあまりの出来事で書かずにはいれません。

自分の耳や心の振り幅をここまではっきりと知らせてくれた今夜のコンサートという名前の二時間。体にある種のメーターがあるのだとしたら私のそれは三楽章の時点で振り切り、受け止めきれず、あふれた分の振動は意図の無い涙という形で現れました。四楽章まで持たせれなかった。単純に自分という器には入りきらず、涙というモノに形を変え、体内の分量を減らしまた聴く、観る。

エネルギー保存の法則の様に涙に変換されてしまった分のそれを受け止めれなかったことを悔やむ余裕もなく、いま、駅のベンチから携帯にメモを残しています。年末の戯言かもしれませんがこの世には、こんなに素晴らしい時間を生む力を持つ人たちがいるということを、、、何なんだろう、この先はこの先へ持ち越したいと思います。



2006年は一年を締めくくることなどとうていできるはずもない、すばらしい出会いばかりで、わたし自身がそれを受け止め、返すことができないままの年越しになりそうです。

この数日間の様々な出来ごとをまだ受け止めきれていませんがその回答のためにも音楽家として成長するしかないと思います。

波多野敦子


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past  will