手帖...ハタノアツコ

 

 

健忘症になるのが一番怖いと思う。 - 2006年12月02日(土)

nakabanと作っている(2004年から)作品、三つの箱の録音を東京小金井市にある庄司広光さん宅(sara disk)で行って来た。


...たのしかった、率直な感想。


そもそも庄司さんとは知り合って間もない、初めて一緒に呑んだのは確かツキノワとトウヤマ楽団との打ち上げ、その後アヤコレット一団が我が家へ泊まりに来たとき庄司さんという人の存在が身近になった。ナカバンともトウヤマさんを通して顔見知りだったものの、近くなったのはこの二年。そして今作をリリースしてくれるnobleレーベルの久保さんとも数年前からのお付き合い。

ばらばらに知り合ったみなさんがやはりばらばらに顔見知りだったのがきっかけでリリースに向けての制作が本格的にスタートしました。



小金井に滞在していたのは4日間。シネルパの山我静さんとサルビアやF.L.Yの山田民族さんの住む畑の中の平屋に寝泊まりさせて頂きました(ほんとうにありがとうございます!)、日々の宴会、楽しすぎて毎日焼酎を呑み続け、最終日には庄司さんは食道炎再発、わたしはふわふわの脳みそが動かない頭での作業。
しかし楽しかった。。。

宴会ばかりではなく、録音そのものの刺激的な時間、ほんとうに久しぶりというか、初めてではないでしょうか、このわくわく感。
庄司さんが相棒となってくれて、部屋のソファに深く腰をおろしたナカバンに守られながら、まずは用意していた楽譜をわたしがなぞって行く。音が重ねられるにつれ、庄司さんがつぶやいた、はたのさんの頭の中でこれが鳴ってたんだー。そうなんです、要約外に出す事が出来ました。しかしほんとうに楽しかったのは頭の中の音を吐き出した、その後から。

庄司さんがアイデアを発し、ほぼ同時にわたしも似たような事を考える、よっしゃ、それで行こう、その瞬発力(呑んでいるときの庄司さんからは想像出来ない動きの速さ、でもカレーを作っている時が最速でした、そして最高のカレーでした。)が原動力となり、あれやこれやと予定外の音やノイズが増えて行く。楽しくないはずがない!


庄司さんに頼もう、とほぼ直感で思った時の自分を思い出しました。


最終日前夜に行った宴会後半、一升瓶の焼酎を減らし続ける庄司さんに朝方言われた一言、忘れられません。。。
「段取りなんていらない!録音なんて終わんなくていいんです!」

大阪から来ていたわたしは時間のリミットがあり少々焦っていた寝不足の頭がむっとしましたが、朝風呂につかりながら、それが庄司さんの美学だ、と思い直し、おそらく家でぶっ倒れているであろう(予想通り)庄司さんにコーヒーを入れるナカバンの姿を見ながら最終日録り予定の曲を練習。
1時間後には「いつでも録れますよー」の声。
そして数分の猶予もなく、ぎりぎり予定をすべて終了。


ひとまずお疲れさまの談笑をする間もなく新幹線最終に飛び乗って大阪へ向かいました。でも、お疲れ様の乾杯をしなくて良かった、まだ、なんにも終わってない。ナカバンの作業、音のミックス、最終的な音と映像を合わす作業。それらすべてが終わったときにする乾杯を楽しみに、体調整えてたくさん呑む準備をしておかなくては。


大阪へ着いて一息つく間もなく、デグルチーニのレコ発ライブの準備。シャングリラという梅田の会場に泊まり込み、修学旅行のように布団並べてどちらかが寝付くまでの気を使いながらの会話を楽しみ、メンバー同士の士気を高め、二時間強ぶっとおしのライブをやりきりました。ピョン中島氏曰く、<病みつきになるライブ>。


たのしかった、ほんとに。
遊びとビジネスの境界線、綱渡りしながら、たのしいことを実現させていく。


ほんとうにたくさんの人たちに守られている、痛いほど、感じました。健忘症にだけはなりたくない。















追記。
今回の録音の写真をたくさん載せてくれています。
庄司さん、ありがとうございます!
sara disk HP http://www.sndwm.com/




-



 

 

 

 

目次
past  will