指輪をつけている。右手の薬指に填めてある。初めてもらった時と同じように変わらずに。5月だけ、つけている。誰を好きになっても何度違う人を愛しても死んだ人には敵わない。そんなことはない、と云い返したあたしはまだ云われた通りの状態だ。晴海。口に出すこともなくなった。夢うつつでその名を呼ぶこともどうして、と泣くことも。貴方という場所を失くして誰の腕に寄り添ってもあたしは未だふらふらと貴方を探している。永遠に叶わない恋をしている。