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2004年07月08日(木)  君が笑顔でありますように


わたしはあの目を一生忘れない


捨てられたこどものような目
世界中を敵と見做したような目


過去に囚われている目


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君のルールは 聞き飽きたんだ
黙らせることが 得意なのは
わたしじゃなくて
君だということを 知っているかい


強い言葉で捻じ伏せる度
君の捨てきれない過去を
思わせて しまっているよ


あの日 死にたかった君を
全力で止めたわたしの顔を
覚えているかい
君がわたしの記憶を責めるならば
わたしはあの日の君を責めよう


君が 可哀想に とよく口にするのは
君が 随分と可哀想だからだということを
わたしは あの頃から 知っていたよ


何人が 君の生き様を見て 死んだかい
うわ言のように 助けて と繰り返す君は
もう幾度となく 死人の数を数えたのだろう?
どうして死んでしまったのか
狂ってしまったのか 汲むことが出来ているかい


わたしの 撫ぜる手に 他意はなかったよ
弱ってしまったのは わたしだろうか?
君らしくない君の選択は
君が弱ってしまった証のように 見える
わたしの記憶に 君らしくない君が 焼きついた


ずっと怖かった と 君は言っていて
わたしは 君が怖かった と思った
誰にも口出しの出来ない空気を
わたしたちはいつもいつも漂わせて
君は 黙らせることを 得意としていたんだよ


壁は 過去にうまれたね
環境は 自分で作るものだと言っていたね
だけれど 幼き頃の君は
自らの環境を 操ることが 出来たかい?


君が過去に生きていたことは明確なのよ
わたしは あの夏から
君の寝言を聞きながら
君の頭を撫ぜていたの


間違ったことを言っているかな?
さおには 解るかな?
さおが変わったときに ご連絡下さいね
それでは プツリ
君からの電話


わたしは変わらないよ


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本当は そんなことを 
言いたかったわけじゃ ないけれど
そんなふうに 思って
書き留めた あの日のノートが あったの


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いつだったか 
笑顔で眠るようになった君がいて
わたしはひどく嬉しかったことを覚えている


どうか これからも 
君が 笑顔で ありますように

  

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