SS日記
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2004年10月22日(金) 空の境界 3

「―寒ぃな…」

一人ごちる様に榛名は呟いた。
軽く肩を抱き、ふるりと身を震わす。
辺りも静まり返った午前二時。
別段用事もなく榛名は一人歩いていた。
夜、意味もなく出歩く事はすでに習慣となりつつある。
身を切る様に冴えた夜の空気を吸い込む。
肺を刺す痛みが心地好い。
誰も居ない空間。
夜の街は一人きりだと錯覚させてくれる。

―そんなこと、不可能だと知っているのに。

苦笑と共に息を吐く。

―ふと、前方に見える路地へと入る人影に気付いた。

何故そうしたのかはわからない。
知らず、その人影を追っていた。



―今にして思えば


どうして、この時


あんな凶暴な昂まりを覚えたのか






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