【感想】04/10/16 ヴェニスの商人(ソワレ)
シャイロック…日下武史
アントーニオー…荒川 務 バサーニオー…栗原英雄
ポーシャ…坂本里咲 ネリサ…森実友紀 ジェシカ…西田有希(劇団俳優座)
ヴェニス公/テュバル…広瀬明雄 モロッコ王…田中廣臣 アラゴン王…松下雅博
ロレンゾー…丹下博喜 ランスロット・ゴボー…味方隆司 老ゴボー…立岡 晃
グラシャーノー…青山祐士 ソレイニオー…荒木 勝 サレアリオー…田中裕悟
男性アンサンブル…吉田陽一 辻 仁 笠嶋俊秀
女性アンサンブル…木村不時子 岡本和子 藤井智子 種子島美樹 大西奈穂終演後、なんてしこりの残る舞台なんだーと思わず呟いていました。この行き場のないもやもやを一体どうすれば、なんだかもうどんな顔してたらいいのかわからないー、あああシャイロックシャイロックーごろごろごろ、みたいな感じで(わかりにくい)。人生で3本目のストレートプレイでしたが、自由劇場に行くたびに「はじめて地球儀を目にした日本人」みたいな気分になって帰ってきてる気がします。こう、新しいひきだしがガスーンと増設されてるような。わかりやすく「感動した!」というのではなく、いっつまでもじわじわ残ります。シャイロックが。カーテンコールで、シャイロックが出てくると拍手がうわーって大きくなるのですが、あれは半分は「日下さん」もう半分は「シャイロック」に対する拍手なのではないかというか私がそうだったのですが。拍手を贈るくらいしか出来ないのがもどかしい。
◆アントーニオー
荒川さんの胸からはたして肉1ポンド(≒450グラム)も取れるんだろうかと余計な心配を(笑)。見るたびに細いと思うんですが、今回は頭の小ささに改めて気付きました。それにしても荒川さんは「僕」という一人称がすこぶる似合いますね。(脱線しますが荒川タガーも僕って言ってそうです(笑))
絵に描いたような、というか定規使って描いたみたいな極端な好人物…に見えるだけに、シャイロックに唾を吐きかけるシーンには驚きました。友人のために命さえ惜しまない一方で、金貸しに唾を吐きかけ犬と罵る。こ、この好人物は信用ならない!(笑)利子を取らずに金を貸すことも、無条件に友人の頼みを聞いちゃうのも、向こう見ずな親切はお互いのためにならないとおもうよ…。シャイロックにとどめを刺すのも彼だし、個人的にこのお話の中で一番かわいげがなく、一番の悪人なんじゃないかと思います(笑)。
◆バサーニオー
いろんなひとにおんぶにだっこでしたたかに生きていると見た(笑)。
物語が進むにつれ(主に2幕)どんどんどんどん三枚目路線にシフトしていくのが面白いです。栗原さんはLKのスカーで一度拝見したきりだったのですが、キャスト写真が非常にハンサム系(笑)なのでそういうイメージをなんとなく持っていたのですが。指輪を返してもらったときの顔芸とか最高でした。グラシャーノーとは主従なのでしょうか?友達にも見えるのですが。逆にアントーニオーとのそれは本当に友情なのかい…と疑いたくなります。
◆グラシャーノー
箱選びシーンの青山さん、オンディーヌのベルトラムでも思ったのですが「傍らに静かに控えている姿」というのがやはりとてもお似合いです。不思議な存在感があります。そして声も良いんですねー。力強いけれども耳に優しいかんじ。裁判シーンの最後でシャイロックの台詞を取って間接的にいじめるのですが、不思議と嫌な感じに聞こえないんですよね。なんていじわるなやつだ!とは思うのですが(笑)。グラシャーノーは何気に大人げないひとですよね。バサーニオーの真似したり。流石に結婚までは真似じゃないと思うけど、ちゃかりさんめ!「まだなにもしてないのに…」がツボでした(台詞うろ覚えですが)。
◆上の三人の名前を覚えきれなくて、幕間のお喋りでは「青い人」「緑の人」「赤い人」とか呼んでました(役者さんの名前だと同行者が判らないので)。でも赤い人が2人いるので「赤い人の青山さんの方」とかだんだん訳が分からなく(笑)。
◆ポーシャ
坂本さんは賢く美しいひとというのが本当にお似合いですね!格好良いなあー。ほ、ほんとにバサーニオーでいいんですか…?と余計なお世話ですが訊いてみたくなります(笑)。箱選びのシーンで、モロッコ王アラゴン王が間違った箱を選ぼうとしているときのよしよしって表情が可愛いです。一番の名台詞は3000ダカットに対する「それだけ?」だと思います。つよいよ!
◆ネリサ
…っ可愛い…!(唐突)森実さんはアリで拝見してますが女の子らしいのもすごくお似合いですね。衣装もベージュと赤のツートンで、靴も左右が別々の色なんですよーくるくるの髪もかわいいー。ポーシャとネリサは主従ながらも友達っぽくて良いですね。グラシャーノーとはやたら可愛いカップルに見えます。でかいのに青山さん…(笑)。
◆ロレンゾーとジェシカ
ほとんど蚊帳の外でお留守番でしあわせなひとたち。こう、のほーんと平和な感じが丹下さんのイメージにとても合ってると思いました。
◆そういえば翌週のキャストを見たら老ゴボーが役名ごといなくなってしまっているんですがどうされたのでしょうか…。ゴボー親子のシーンは、今思えば(というのはあのあたりはまだ全体的にライトに話が進んでいたので)かなり癒しというか救いだったので変わってしまうのは寂しいような。というかランスロットの出番は…(笑)。
◆シャイロック
一言一言がずっしり重いです。声を荒げることがなくともすごい迫力。もっといろんな役で見てみたい!と思ったけれどもしばらく四季のストレートプレイは観られないのでしょうか(自由はコーラスラインですね←こちらも楽しみです)。ユダヤ人であるということにどれだけ他との差や溝があるものなのかというのはこの作品に限らず感覚的によくわからないものなのですが、彼の暗い憎しみはアントニーオーひとりだけに向けられていたものじゃあないんだろうなあ。裁判で結局「ヴェニス市民の殺害を企てた罪」で財産を没収されますが、ということはたとえ証文通りに肉を奪えたとしてもその後の結果は同じだったのかなーと思うと哀れでなりません。テュバルとのシーンを思い出してはしんみりします。しかし私テュバルが広瀬さんだと気付きませんでした…。ダブルアンドリューだ!(笑)
#st
2004年10月20日(水)