オレンジの映画日記
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2005年02月03日(木) 【ジョゼと虎と魚たち】2003年/日本


監督:犬童一心
出演:妻夫木 聡           恒夫
   池脇 千鶴           ジョゼ
   新井 浩文           幸治
   上野 樹里           香苗

最近は韓流ブームとか言って、韓国映画にドラマや俳優さん達の露
出度がやたらに高くなってるけど、そうなってくると逆に韓国の映
画を敬遠しちゃう俺ってばひねくれ者でしょうか。

そんなこんなで、「いい、いい」って言われてて、今まで見てなか
ったこの映画もやっとこ見れました。

どこにでもいそうな平凡な大学生恒夫がバイトしている雀荘では、
毎朝乳母車を押して近所を徘徊する老婆のことが噂になっていた。
中身は誰も知らず、あのばあさんはヤクザの運び屋だのなんなのと
憶測は絶えない。そんなある朝、恒夫が雀荘のマスターに頼まれた
犬の散歩をしていると、坂道を走ってくる乳母車に出会う。そして、
恐る恐る中を覗いてみると、乳母車には脚の不自由な少女がいた。
その出会いをきっかけに恒夫は自分の事をジョゼと名乗る不思議な
少女に徐々に惹かれていくのだった。。。

切ない。見終わった後、切なさが心に広がった。恋が終わった後の
ジョゼの強さが切なかった。あの、スピードを出しすぎな車椅子の
ジョゼが涙で滲んだな。

この映画ほとんどジョゼと恒夫の二人のカットで、最初は一緒に暮
らすおばあちゃんと同じようにつっけんどんだったジョゼの口調が
恒夫に出会い、一歩一歩近づいていく内に微妙に柔らかくなってい
くスピードや、最初は興味本位で身障者のジョゼに近づいた恒夫が
だんだんジョゼの魅力にはまっていき、やがてフェードアウトして
いくスピード。このスピード感がこの映画にはすごい重要だった気
がするな。

恒夫ってホント普通の青年でその普通っぽさを妻夫木くんが、これ
が彼の持ち味なのかな、等身大で演じてて、困った顔、とぼけた顔
ジョゼを愛しそうに見つめる顔、そんな表情がすごい良かったと思
う。

ジョゼを演じた池脇千鶴ちゃんも難しい役どころを頑張ってたなぁ。
おばあちゃんに『壊れ物』あつかいされて、ジョゼの世界は朝方の
散歩とおばあちゃんが拾ってきた本だけで、それまでそれが当たり
前だったことが、恒夫と出会って、恋をしたことで新しい世界に足
を踏み入れた時の戸惑いや喜びを体当たりで演じてたな。

ジョゼと恒夫。結局二人は別れちゃったけど、これって恋人には普
通にあることで、ジョゼが特別だったからなわけじゃないんだよな。
二人は普通に恋に落ちて、普通に離れていっただけ。ジョゼの純粋
さを恒夫は背負いきれなかった。ただそれだけ。だから、見た後に
すごい切なかったんだと思う。


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★は10点満点でオレンジの満足度です。

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って結局それかぁーーー!

 


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