プープーの罠
2004年09月15日(水)

私のソリを引くウマ

この前PCにメールが届き

 10月にあるイベントのチケット、取ったんだけど
 前に浅田と行ったら楽しかったし
 もしよかったらまた一緒に行かない?
 忙しいだろうから返事はいつでもいいからね。


そんな先のことなんて分からない。
とりあえず放っておいた
ら、『メールちゃんと届いた?』と携帯に催促が来た。

彼女のそれは至極 当たり前の言い分でしょう。
しかし
理解しているふりをして追い詰められているような気さえする。
返事はいつでもいいって
いえいえお茶なんて出さなくて結構ですからね
に似ている。
私はとてもうんざりとして返事を書く。

 予定がまだ見えないから行けるかどうかなんてわからないし
 返事が来ないことがストレスになるなら
 私にはメールしないで。


私だって
返事を待っているんだろうなと思うと
心苦しいしめんどくさいしストレスになる。
 返事がないからもう他の人誘ったよ
くらいのスタンスでいてほしい。

それを彼女に望むのが間違っているのは知ってる。
彼女はそういうタイプの人間ではないのだ。
誠意を持って相手に向き合い、解りあおうとし
そこに 友情 という名前をつけたがる。
そういう人だ。

だから私は望んじゃいない。
だから私に友情ごっこを望まないで。

私にとって彼女のいう友情というものは
まるで出会い系の迷惑メールのごとく一方的な感情である。
返事が欲しいなら私以外にメールしてと前にも言っているのに。
お互いにイライラして、そんなのバカみたいじゃない。

浅田さんが素ッ気なさすぎるから相手が粘着になってくんじゃない?
と、森君に言われたことがある。
押したら押されただけ引くし、引いても現状維持だ。
私にコミュニケーション能力が欠落しているだけのことで
最悪なことに私はそれを直そうとは思っていない。

しばらくして彼女から返事が来る。

 そんなに嫌われてるなんて私
 鈍感だから気がつかなかった。
 悪いことしたなら謝る。
 今までありがとう。浅田のこと好きだったよ。
 楽しかった。ずっと忘れない。

 
きっと彼女は泣いているだろう。悲劇のヒロインだ。

仕事は至極ヒマである。時間だって余っている。
ただ、悪意のないものというのは時として私に鈍痛を与え、
残念なことに私は、自ら痛い思いをしたいモノ好き
ではないのである。

索引
「プープーの罠」 written by 浅田

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