わたしが生まれる前からあるんじゃないかってほどレトロな電気スタンドを磨いた。
磨いてみたら、NECの製品だった。
ロゴが今と違う。
自分が幼い頃にべたべた貼り付けたシールもはがして、ほこりも拭いて、
新品同様、とまではいかないけど、きれいになった。
よく、服やなんかも、2、30年周期でブームが再び巡ってくるけど、
そういうのも、こういうことなんじゃないかと思う。
2、30年っていうと、アレじゃない、親の世代との差と同じくらいじゃない。
流行りだからちょうどいい具合に親が昔着てた服が使える、ってんじゃなくて、
親の昔着てた服がちょうど着れるもんだから、流行になるんじゃないかしら。
少なくとも流行を追いかけるんじゃなくて、作るひとたちは。
といっても雑誌やらのメディアが作り出す流行ではなく、
自然発生的に生まれた流行というものは。
服に限らず、家具やなんかも、何十年かに一回、レトロブームが再来するのは
こうして大人になってから古い電気スタンドを磨いたりするひとが
いるからなんじゃないかと思うのです。
今はいまいちと思っているデザインも、数十年後には新たな「レトロ」ってカテゴリーに
属していることになるかもしれないですね。
デザインの良し悪しは置いといて、懐かしむんだ。きっと。
|