| 2005年03月27日(日) 見えないもの、聴こえないもの |
3時間かけて重い腰をあげ、家から徒歩2分、レンタルしていたDVDを返しにいく深夜2時。
聴こえないはずのものが聴こえてきたらこわいので、音楽を聴きながら出歩く夜。
それでも聴こえなきゃいけないものが聴こえないと困るので、音量は抑え気味で。
イヤホンから聴こえる音楽と、外の静けさが、半分ずつ聞こえる夜。
誰もいない夜。
あたりまえ。
するとマンションの下に一台の自転車。新聞配達の自転車。前かごと後ろの荷台いっぱいの新聞。
・・・。・・・?新聞?深夜2時に?朝刊にしては早くないかい?・・・
昼間、あたり一体の人間が消えるSFを思い出す。
からっぽになった街がそのまま夜になってしまったかのような、誰もいない夜。
配達員の姿もない。
普段みるよりも、うすっぺらく感じた積まれたたくさんの新聞。
立ち止まることもできず、そのままレンタル屋へと向かう。
大通りが見えたところで、走ってる車が見えて、少し安心する。
消えちゃいない。
パトカーが2台、サイレンも鳴らさず、交差点を横切っていった。
たぶんサイレンは鳴っていない。
もういなくなってるだろうと思いながら再び戻ってくると、
ちょうど配達員が自転車にまたがってこちらに走り出すところだった。
すれ違いざまにカメラを向ける。
帰ってきて写真をみてみると、ブレていてなんにも写っていなかった。
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