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先週、『レッドクリフ』を観たと 香川照之演じる父と、次男坊との 口論のシーンに、自分の父と弟を重ねてみた。 うちの父はあそこまでダメじゃないけど、 おかしな時期があったのは確かで、弟は 凝りもせずに反論(反抗ではない)して よく叩かれていた。 家族なんて不協和音そのものだろう。 よく続いてると不思議に思う。奇跡に近い。 映画の中の家族も、壊れそうで、でもまた 「ただいま」と扉を開ける。そこに修復の 努力や葛藤、絆のようなほとばしるものはない。 それぞれが勝手に家を出て、勝手に生きて、 勝手に戻ってくる。 だけれども無関心というわけでもなく、 互いの存在や「痛み」は認識している。 うまく言えないけれど、愛おしい映画だと思った。 ときどき垣間見える黒沢作品のユーモアが、今回は いつになく「救い」として機能している気がした。 弟に感謝。
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