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たりまえかもしれない話をひとつ。
自分の過去の作品をまとめたブック、 つまり作品集をポートフォリオと呼びますが、 美大生はこれを卒業時までに一冊完成させます。
僕はすでに作り上げていろんなところへ 営業(?)するときに持参していますが、 この冬、再び作り直して遊んでいます。
先日もMacでレイアウトを組んでいたのですが、 拡大した文字を素材にして進めていたところ、 おかしな感覚に襲われました。
文字が文字に見えないんです。 絵に見えたり、見たことのない記号に見える。
「あ」ひとつ取っても、サイズを変えた途端に 一個一個のパーツが主張を始め、脳がいちいち それに反応してしまって。
「あ」が「め」に似ているとか、そんなレベルじゃなく。 脳が音として「a」に変換できない。
捉えどころなくなってしまった文字「あ」に向かって、 お前は「あ」だ!と脳で思いを強くすると、また読めます。
まるで文字「あ」が別の物体になりすましていたかのよう。 分解されたイメージには意味が付随しないので気味が悪い。
しかし文字を大きくすればいつも分解されるかといえば、 そんなことはないわけで(あったら大変だ)。
僕の祖父は元僧侶&書道家で、僕も習字をやっていましたが、 正月の書き初めでは文字に気味悪さを感じたことはありません。 今も、上のでかい「あ」は「あ」に読めます。
じっと見つめていても… あれ?長い間見ていると、パーツが主張してきて…
この現象は、繰り返すときにも生じます。 とくにカタカナで。
カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナ カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカ カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナ カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカ カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナ カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカ カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナ
いや俺には相変わらずカタカナに読めるよ という人は、脳がしっかりしているんでしょう。 たぶん。たぶんたぶんたぶんたぶんたぶんたぶんたぶん
でもまあ、確かに読めます。 読めるけど変なカタチにも見える。
「を」とか「ヲ」とか、なんじゃこりゃああぁ
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