note|tacrow.com


2006年01月22日(日) いろはにいちゃもん



たりまえかもしれない話をひとつ。

自分の過去の作品をまとめたブック、
つまり作品集をポートフォリオと呼びますが、
美大生はこれを卒業時までに一冊完成させます。

僕はすでに作り上げていろんなところへ
営業(?)するときに持参していますが、
この冬、再び作り直して遊んでいます。

先日もMacでレイアウトを組んでいたのですが、
拡大した文字を素材にして進めていたところ、
おかしな感覚に襲われました。

文字が文字に見えないんです。
絵に見えたり、見たことのない記号に見える。

「あ」ひとつ取っても、サイズを変えた途端に
一個一個のパーツが主張を始め、脳がいちいち
それに反応してしまって。

「あ」が「め」に似ているとか、そんなレベルじゃなく。
脳が音として「a」に変換できない。

捉えどころなくなってしまった文字「あ」に向かって、
お前は「あ」だ!と脳で思いを強くすると、また読めます。

まるで文字「あ」が別の物体になりすましていたかのよう。
分解されたイメージには意味が付随しないので気味が悪い。

しかし文字を大きくすればいつも分解されるかといえば、
そんなことはないわけで(あったら大変だ)。

僕の祖父は元僧侶&書道家で、僕も習字をやっていましたが、
正月の書き初めでは文字に気味悪さを感じたことはありません。
今も、上のでかい「あ」は「あ」に読めます。

じっと見つめていても…
あれ?長い間見ていると、パーツが主張してきて…

この現象は、繰り返すときにも生じます。
とくにカタカナで。

カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナ
 カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカ
カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナ
 カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカ
カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナ
 カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカ
カタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナカタカナ

いや俺には相変わらずカタカナに読めるよ
という人は、脳がしっかりしているんでしょう。
たぶん。たぶんたぶんたぶんたぶんたぶんたぶんたぶん

でもまあ、確かに読めます。
読めるけど変なカタチにも見える。

「を」とか「ヲ」とか、なんじゃこりゃああぁ




< prevnext >ALLtacrow.com