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2005年03月14日(月) 多摩美の卒展

横浜赤レンガ。
昨年、自分が写真の学外展をやった場所で、
多摩美の情報デザイン学科が卒展をやっていた。

とくに知り合いがいるわけでもなかったが、
岐阜でお世話になった★くんが来ていたので
お礼もかねて遊びに行った。


情デのアートコース主催の学外展というわけだが、
作品の見せ方や個々の配置、展示計画は練られており、
作品もインタラクションを楽しむカタチのものが多く、
個人的には見どころが多かった。同じ四年生として。


そして、DVD付きカタログの出来映えが何にも増して秀逸で、
作品も素晴らしかったが、それらを「お持ち帰り」できたという
満足感を与えてくれるほど、価値があるものに仕上がっていた。

この一点だけで、映像学科とのモチベーションの差に愕然とした。

作品ひとつひとつを見てゆけば、武蔵美も多摩美も映像も情デも、
千差万別に大なり小なりがあって、学科や施設、教育方針の違いは
バリエーションとしてそれぞれに受け入れられるべきだろう。

しかし。

今年、武蔵美映像学科の卒制デザイン部、いわゆる広報班に所属して
カタログ制作の話も提案されたが、お金と時間の関係で廃案になった。


映像や印刷で残し配ることの重要性は、こうした外部での展示を見るにつけ
再認識される。でも今の学科にその視点がないのだから、立ちゆかない。
学内での保存はしても、生徒(作者)個人や外部へは行き渡らないのが現状。
情デさんは毎月一万円を各自で積み立てていたそうだ。ハナから違う。

いいものはお金を払ってでも見たい。そう思うからぼくは今回のカタログに
1200円を払ってしまった。「安い」と思った(実は原価割れだとか)。
「つい買っちゃう」。これって素敵。


有志が集まって開催された多摩美情報デザイン学科の
卒業制作展は、全体のグルーヴが気持ちのいい方向へ向いていた。
学外でやるという緊張感も功を奏したのだろう。まとまっていた。


結局、映像学科がカタログを作れなかったことへの不満は問題ではなく、
展覧会を自分たちで運営することの意識の差を埋められなかったことに
後悔が残る。生徒間のモチベーションの落差。

でも、落差があってまとまらないんなら、それを出し切ればいい。
まとまりないけど集まっちゃいました、的な強さに到達したかったな。
それには裏でまとめ役が必要なんだけど。


情デさんの謝恩会は水族館でやるんだとか。
謝恩会までそのグルーヴを持ってゆくつもりらしい。




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