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2005年01月03日(月) コマーシャルについて

今年は正月のCMがいまいち面白くない。パッとしません。

フジカラーが少し力を入れているかな?くらいです。
(正月だからって正月気分のCMがいいという意味じゃないです。
ふつうCMは正月にドカンと面白いのを仕掛けてくるモノだったので)


もともと広告やCMというものに憧れて美大に入ったクチですが、
最近、コマーシャルそのものに疑念と失望を感じるようになりました。

というのも、カンヌで久々に日本から賞を取ったUFJつばさ証券の
CMや、他にも面白いCMは常にいくつかあるのですが、それら広告の
母体となる経営がうまくいかなかったり、不祥事の発覚でポシャるのを
たくさん見てきたからです。去年はそんな年でした。あれ?一昨年もか。


結局、クリエイティブがうまくいってもクライアントである経営陣が
本気でなければ届いたメッセージも嘘になる。広告が無意味になる。
どんなにCMがよくても、欠陥車を放置していた会社は見放されます。

長く続けられる広告は、ある意味で本物だと思います。
一昔前の日清カップヌードル「hungry?」シリーズや、JR東海の
「そうだ、京都行こう」、そしてサントリー烏龍茶はいい例です。
メッセージに普遍性があるんです。驚きは薄れていきますが。

そして大事なのは、企業がもつ普遍性(というか世界観)を
裏切らないよう努力することです。その意味で機能的な広告は、
お客に向けたものだけでなく企業の社員にも向けられた内容があります。
社員へのメッセージ。啓蒙。


ネットの普及で、現代は逆戻りしたかのように「口コミ」がモノを言う時代です。
価格.comでは掲示板の中で○○の商品はここがダメだと報告され、mixiでは
オススメの本や映画、デジカメについての情報が瞬時に交換されます。
「口コミ」が文字になっただけで、しかし絶大な効力を持って広まります。


そんな時代にあって、しかも先に書いた企業経営の失態もあり、
広告が今までのような魅力を持てなくなっているんじゃないか?と。
消費者へのダマし討ちでは通用しない時代になったといえます。

別に俺は買わないけどあのCM面白い、という単純で基本的なことから
作り手はもう一度始めてもいいと思います。ぼくは誰に言っているんだろう。

「買ってもらう」が広告の基本かもしれませんが、その前に面白くないと。
(リクルートのホットペッパーなんかはいいと思います。ありゃ無料ですが。
それにしても昔はリクルートもゴタゴタあったのに、最近の勢いはすごい)


「別に俺とは関係ないけどあのサイト面白い」という人を何人か知っています。
CMにもそういうのが沢山あったんだけどなー。おかしいなぁ。
あ、そもそもTVをつける時間がパソコンに替わってきたってことか。


デジタル多チャンネル化という流れもあるし、失望ばかりしてないで
新しいCMのあり方をクライアントと一緒に考える時期かもしれません。

とりあえず藤原紀香の存在から考えてみる必要があります。
タレント広告はタレントの広告でしかないと断言します。

正月早々、頭を動かしてみました。




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