ひとりごと
DiaryINDEX|past|will
休日の朝、お茶の先生から電話があった。 誘われて、里山にある陶芸舎まで自転車で行った。 山を越える道の端には、もう彼岸花が咲き始めていた。
時間を見計らっていったのに、 おひとりで電車とバスを乗り継いで来られた先生のほうが、早かった。 普段着の先生は、ろくろを回す手を止めて振り返り、 にこにこと迎えてくださった。 そして、この前作った私のお香合が焼きあがっているのを出してくださった。 とてもほめられて嬉しかった。
私が着いたとき、ろくろの上で形を変え始めていた土の塊はお茶碗の形になった。 傍らに置いてあったふたつの土のお団子も、お茶碗へと変わっていった。 私は見ていた。 ごろんとした土の塊が命を吹き込まれ、先生の大きな手の中で形を変えて 繊細なお茶碗へと変わっていくのを、ただずっと見つめていた。 それはとても美しく、楽しそうでもあった。 時間を忘れるほど、先生も私もお茶碗に集中していた。
いつかこのお茶碗ができあがったとき、 どんな色がついていても模様がついていても、 きっと私にはわかるだろう。 秋の始まりの日、生まれるところを見守ったあのかわいいお茶碗だと。
|