ひとりごと
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ちょっと疲れていた病院の帰り道、 「日曜大工センターは次がご便利です」のアナウンスに誘われて ふらりとバスを降りてみた。 日曜大工センターって、魅力的な言葉だ。
知らない街の石畳に桜の紅葉が降っている。 矢印をたどって行ったら、小さな川に出た。 ここはどこ? なんてきれい! 川の両側は真っ赤な桜の並木道だ。
見上げると日に透ける葉の茜色が目に痛いほど。 川を覗くと空を映した水面が並木に縁取られてゆらゆら揺れた。 橋の真ん中からどこまでも重なりながら続く紅葉をぼんやり眺めていたら 「ピィー!ピィー!ピィー!」とあわただしい鳥の声がした。 私の真下をきらめく青が通り過ぎた。 紅葉を縫うように、美しい鳥は光りながら飛び去っていった。 カワセミだった。 こんなところで出会えるなんて。 夢を見ているみたい。
川沿いの細い道をふわふわと歩いていった。 やがて小さな柵で行き止まりをされて、川から離れて大きな道に出た。 せせらぎの音が消え、行き交うたくさんの人と話し声が聞こえてきた。 日曜大工センターの前だった。 夢から覚めて、この現実も楽しい。
苗を植える小さな黒いポリポットと、クローバーを2鉢買った。 帰り道も川に沿って紅葉の中を歩いていった。 もうカワセミはいなかった。 それでも私はもう元気になっていた。
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