ひとりごと
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日蝕は雲の向こうで始まった。 目を凝らしても、マーブル模様の雲が白く明るく透けて見えるだけだった。
今、じりじりと月が日を隠していっているはず。 世界のあちこちで、空を見上げている人がたくさんいるはず。 なんて不思議。
遅い洗濯物を抱えてベランダに出たら、陽射しがあった。 今なら見えるかも! 階段を駆け下りて、Jリーグのビニール製の旗を持って庭に出た。 重ねた赤いビニールに太陽の輪郭がくっきりと浮かび上がった。
残念。 もう月は通過していた。
赤いスクリーンの中でぎらりと輝く太陽やどろどろと動く雲や、 怪しく揺れる葡萄の蔓がドラマチックな映画のようで、 しばらくそのまま空を見ていた。
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