ひとりごと
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お菓子の家を作った。 クッキー生地で家の部品を作ってチョコレートで窓やドアを描く。 粉砂糖を卵白で溶いたアイシングで部品をくっつけて組み立てる。
もっと簡単に組み立てられると思っていた。 きちんと丁寧にやっているはずなのに あっという間に手やスプーンがべとべとになった。 なんだか甘いと思ったら顔にも白いかたまりがついていた。 せっかくの屋根や壁も粉を吹いている。
昔からそうだった。 小学校の頃。 手だけではなく顔や服やなぜか靴下や上履きにまで 書道の墨をつけているのは私くらいだった。 図工があると必ず絵の具やボンドが 自分では気がつかないところについていた。 髪が粘土で固まっていたりもした。
高校の頃。 多くの友だちはエプロンもせずに油絵を描いていた。 そんな彼女たちは手も汚れていないのだ。 私はと言えば、父のワイシャツを改造して作った エプロンの上下をつけていてもなぜか制服に絵の具がこびりついた。 手や顔はもちろんのこと。
私の髪と顔についた絵の具を指摘しながら モップのような髪形をした美術の先生は言った。 「要するに君はぶきっちょなんだよ。」
「あぁ、そうだったんですね!」 細かい手先の作業が好きだったから 自分がぶきちょだなんて思ったことはなかった。 目が覚めたような気がした。
私はぶきっちょなんだから。 それからはそう思い、慎重にと心がけている。 それでもいつも気がつくとあちこち汚れて散らかっているのだけど。
このお菓子の家は見る方向によってはきれいにできた。 粉を吹いた屋根を隠すために雪も降らせたし。 ぶきっちょはそれなりにごまかすのも上手になるみたいよ。
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