ひとりごと
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連休の最終日。 風邪気味であることに甘えて昼近くまで眠ってしまった。 本当は夫が紅葉を見に山に行きたいって言ってたんだっけ。 悪いことをしちゃったな。 そんなことを思いながらもまたうとうと。 気がついたらもう2時。 気分はだいぶよくなっていた。 よし!
「紅葉を見に出かけようか?」 「いいよ。もう遅いし。山は無理や。」 「薬師池公園だったら駅からバスで行けるし近いよ。」 「体大丈夫か?じゃあ行くか!」
夫は嬉しそうにソファから立ち上がって着替えに行った。 本当に出かけたかったのね。
ところが駅についてみると公園行きのバスは出たばかり。 次は3時45分発。 それでは遅すぎる。 ついたらもう日暮れ時だ。
「どうする?」 「せっかくだからどこかに行きたいね。」 「うん。どこかに行こう。」
意見はまとまり、行き先も見ずに次のバスに乗った。 よさそうなところがあったら降りてみよう。 終点まで行ったところで市内だもの。 帰れなくなることはないわ。
初めての道を通る路線バス。 車を持たない私たちにはどんな眺めも初めてで珍しい。 並木道の紅葉がきれいだった。
「〜次は市立博物館前〜」
顔を見合わせうなずきあう。 私たちはバスを降りた。
バス通りから住宅の中を通り 案内標識を頼りに10分ほど坂道を登った。 息が弾み、体がぽかぽかと温まってきたころ 蔦の絡まる白いこぢんまりときれいな博物館が現れた。 ふとその隣を見ると「遺跡公園」の文字が。
日は斜めになりかけている。 博物館はまだ開いているから先に遺跡公園に行ってみよう。
縄文時代や弥生時代の住居跡、 そして復元された堂々とした素朴な住居が 雑木の丘の上に静かにあった。 桜の落ち葉が目に鮮やか。 銀杏の落ち葉がしっとり柔らかい。 復元住居のそばで椎の実を拾っている老夫婦がいた。
はるか昔この場所で暮らしている人々がいたのだ。 どんな眺めを目にして何を考え何を食べて暮らしていたんだろう。 私たちは黙り、それぞれの思いにひたって 別々に公園の中で時を過ごした。
閉館30分前に博物館に飛び込んだ。 入館無料。 展示物は戯画錦絵。 幕末から明治にかけての色鮮やかなユーモラスな浮世絵たち。 さっきの住居よりずっと近い時代の それでも大昔の生活が楽しげに話しかけてきた。
いいとこ見つけた。 連休の締めくくり、 なかなかいい時を過ごせたんじゃないかな?
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