ひとりごと
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金木犀の季節、昔々に作った金木犀酒を出してみた。 15年前の日付は10月12日。 今年より金木犀の花は遅かったのね。
金木犀の香りが好きで、どうにかしたくて それでやっと思いついたのが、お酒に漬けることだった。 花を集めるのがそれはそれは大変だったっけ。 家の金木犀の木は大きくて花をたくさんつけていたけど、それでも足りなくて、 夜の住宅街を小さな妹を連れて金木犀の花を求めて歩いた。 なぜか素敵なことをしているような、うきうきした気持ちを覚えている。
そんな大変な(楽しい)思いをして作ったほんの少しのお酒は 花の色を映してオレンジ色に芳しくできた。 大事に少しずつ特別なときだけに飲んでいたのに 中国のお酒で同じようなものが安く売られているのを見つけたときには ずいぶんがっかりしたんだった。
でもね。瓶のふたをパッチンと開けると浮かび上がる。 白い街灯で照らされた幼い妹の楽しそうな横顔や 街中を包んでいた夜の空気の香りが思い出されるの。
金木犀のお酒と一緒に出てきたたくさんの瓶。 りんご酒、キウイ酒、梅酒、苺酒、薔薇酒。 それぞれに閉じ込められていた時間。 あぁ。みんな覚えているよ。 そのときの風景、空気の香りを。
何年か経ってからのこんな思いをしたくて 私はお酒を作るのかもしれないな。 今年? 薔薇の実を漬けるよ。 氷砂糖と一緒に大きな瓶に入れて透明なお酒をそそいで。 冬が来るころにはきっと夕焼けみたいな茜色ね。 この秋の思い出いっぱいのお酒になっているはずよ。 友たち、一緒に飲みましょう!
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