最初の子猫...シヤ

 

 

中高一貫教育エリートプログラム - 2005年01月13日(木)

協会の中高一貫教育「エリートプログラム」(すでにあるエリプロと紛らわしい)が、何の異論も出ないまま着々と進行しているっぽい。
なんですいすい進んでるのかさっぱりわけがわからないが、とにかく再来年度ぐらいには選手の募集があるだろう。


とりあえず現時点で一番詳細な情報が出ている民報の記事がこれ
育てエリート選手/サッカーの中高一貫教育/富岡高普通科から転換/国際・スポーツ科に

育成年代での選手の強化に新たな手法を持ち込むのに反対なわけではない。
若年代でリーダーシップを身につけさせること、
外国語を習得し外国人の選手や指導者とのコミュニケーション能力を身に着けることは必要なことでもある。
不満は2点.
・何故よりによって福島なのか(個人的な感情も絡んでくる)
・制度上の不備

具体的な情報は協会サイドからはほとんど出てきていない。立ち読みした週刊誌の川淵会長インタビュー。
情報が手に入るのは福島民報、福島民友といったローカル紙やテレビのローカルニュースの報道,あとなぜか朝日新聞の地方面がこの件に関して積極的だったりする。


・何故よりによって福島なのか
当初の報道では「Jヴィレッジの施設を利用する」という話だったはずなのだが、
朝日地方面が「一般の利用者もあるJヴィレッジで、常時200人以上の選手を受け入れるのは不可能」というJヴィレの人の発言を掲載。まあ当然。
どうするのかと思ったら、Jヴィレッジ内に宿舎と練習場を建設するとの報道が。てっきり中高一貫教育→施設の整っているJヴィレが最適という話かと思っていたが違うらしい。
宿舎と練習場を建設するというなら何もJヴィレである必要は全然ない。

で、Jヴィレを抜きにして福島県でやるメリットを考えてみる。
・JリーグやJFLのクラブがない。
 ジュニアユースにしてもユースにしても強豪といえる地位を確立したチームがないため、地元から反発を受けにくい。
・ある程度に田舎(Jヴィレッジ周辺は)。サッカー以外やることが無いという環境。
・関東圏には程近い。

うーん、決め手に欠けるなあ。県側がこの話に相当乗り気だったりするんだろうか(実際こうも話が進んでいるということはは乗り気なんだろうが)。
県のほうから好意的な感触があったので、どういう反応が返ってくるか分からない別のところに話を持っていくのはリスクが大きいと判断したか。

超個人的な感情で言わせてもらうと、この選手たちが所属するジュニアユースのクラブが県内では飛びぬけて強くなることが予想されるので正直やめて欲しい(地域エゴだなこれは)。
だって高円宮杯の東北枠って1枠しかないんだぞ1枠。(公式戦に出るのかどうかもわからないけど)
全国から選手を集めて強くなっても、それは協会の選手であって地元の指導者や選手に影響があるとは思えない。
県民の関心が県内のチームよりこのエリート教育の選手たちに向いてしまうのは嫌だなあ。

もしかして県の協会はいずれU-16化される国体を睨んで、優秀な素材を県内に集めておきたいのか?


・制度上の不備
「中学卒業時の進路は本人の意思を尊重する」というところ。それ自体は当たり前のことですが。
今現在広島や磐田が全国から選手をユースに集め、また浦和や鹿島がそれに倣う姿勢を見せている現状、この制度で集められたジュニアユース年代の選手たちはJユースチームの争奪戦になるのは簡単に予想できる。
力のある私立高も狙ってくるだろう。
協会はプロへの最短距離であるJユース、資金的にも恵まれている私立高よりも選手にとって魅力的な環境を提供できるのか?
(いや、代表選考では有利かもしれないけど)
あるいはそれとは逆のパターン、中学卒業の段階で明らかに力が劣っている選手をそのまま高校へ引き上げることの是非とか。

選手たちの日常のプレーの場は「中学年代は地元のジュニアユースチーム、高校年代は地域リーグのクラブに所属」するのだそうだ。
中学年代はともかく高校年代である。
なぜ地域リーグかというと、福島にはユース年代のクラブチームが存在しないから。ユース年代の選手は高体連に所属するしかない。
(ユース年代のクラブチームはそのうちできるような気がするが気がするだけなのでなんとも)
協会はここ数年でプリンスリーグの創設・高円宮杯全日本ユースの改革を行ってきたわけだけど、肝心の協会のエリート教育を受ける選手たちが参加できないのは……。
同年代の主要大会であるクラ選、Jユース杯あるいは高校総体、選手権へのいずれの道もはじめから閉ざされているというのは選手強化の面から言って致命的では。
個人的にはここが最大の突っ込みどころ。福島でやる最大のデメリットと言っていい。
(かといって福島県代表枠でプリンスに出るのは勘弁)

川淵会長は「高校卒業時の進路は大学進学も含めてバックアップする」と言っていたが、今日び大学側も選手を選ぶ段階に入ってきている。
折りしも国士舘大が例の事件を起こして、スポーツ推薦の基準見直しに言及したばかり。
上記のように各種の大会に参加できないなら、大学側は何でもってその選手の実力を測ればいいのか。
代表で結果を出している選手ならいいかもしれないが、代表に入らなかった選手はどうするのか。

……とかいろいろ書きましたが、本当はこの計画が成功することに越したことはないのです。今のままではそれは難しそうに思えるけれど。


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