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----------2005年12月16日(金) 題名つけるの面倒くさい

■「豚の死なない日」(白水Uブックス)を通勤時間と休憩時間を使って読んだ。文中にもあったけど死というものは汚いもので出産というものも汚いものだ。汚いもののはざかいにある「生」というものはその汚さをいかに忘れるか、いかに繕うか、いかにごまかすか、といったものなのかもしれないと思った。

■営業から戻ってきた他部署の社員数人とエレベーターに乗り合わせた瞬間、彼らのコートから漂ってくる、つん、と鼻をつく匂い。それは多分煙草の煙の残り香であり彼らの発する脂の匂いであり、そしてそんなものがあるとすればストレスの匂いであり疲れの匂いでありため息の匂いなのだ。行きの地下鉄ではたいして気にならないけれど、帰りの地下鉄にはそんな「仕事の匂い」がむせ返るほどに充満していて気分が悪い。

■その帰りの地下鉄がいやに混んでいるな、と思ったら今日は金曜日なのだった。「仕事の匂い」に混じったアルコールの匂いがますます気分を悪くさせる。それは美味しいお酒でしたか? あいつがどうしたこいつがどうしたと黒い笑いを浮かべながら飲んだ不味いお酒ではなかったですか? 

■そうして私はまた何故かしら最近毎晩ひとりでビールを飲むようになった。別に悪いことじゃないけど、あんまりいいことでもない。