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----------2005年10月26日(水) 160-166
160 それは少なからぬ衝撃だった。今、この瞬間、あの人は、もう、大阪にいない。
161 よく考えたら携帯電話の番号を知らない。メールアドレスも知らない。いつだってやりとりはFAXだったのだから。感熱紙が黄ばんで読めなくなるほどの年月の向こう側に消えていった関係だというのは分かっているけれど、それでもまだ、あの部屋の様子を思い出すことは、できる。
162 なのにもう、あの部屋に主はいない。
163 それを、何故、知らなかったのだろう。
164 「いつでも会える」人などはいない。そのうち、いつか、で永遠に会えなくなる。多分あの人に会うことは、この先二度とないだろう。
165 落魄れていく。
166 首を縦に振るな!!
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