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----------2005年04月07日(木) いまだ愛を知らず

「肉を恐れてはならない。また、それを愛してもならない。もし、君がそれを恐れるならば、それは君を支配するだろう。もし、君がそれを愛するならば、それは君を飲み込んで絞め殺すだろう。」
（「ナグ・ハマディ文書�曲＿蚕顱彌蠎�「フィリポによる福音書」／岩波書店）

誰のこともちっとも「愛した」ことなんかなかったことにふと気づいて愕然とする。自分がどうやら人並みに、それらしき感情をおぼえていることが物珍しかっただけで、泣いたり、わめいたりする自分に酔っていただけで。

「最悪の時は終わった」だって？

まさか。

「最悪の時」が終わって考える余裕が生まれはじめるとそこには深淵が口を開けて待ち構えている。これからが本当の、最悪の時かもしれない。

肉から派生した「愛」も肉を欠いた「愛」も失って。

「愛情らしきもの」が何ひとつ見つからない。

肉を恐れている、肉を愛している、矛盾した感情が絶望を連れてくる。

気づかないふりをしていたことが群れをなして、やってきた。