チフネの日記
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2008年02月10日(日) 鳳リョ


ちょこん、と腰掛けた彼の膝の上。

「こんなんでいいの?」
尋ねると、鳳はこくんと頷く。
なんか表情が固い。
「長太郎?ひょっとして、重い?」
「違うよ。ちょっと緊張しちゃって…」
「緊張って、なんで?」
「なんとなく」

照れたように笑う恋人に、リョーマは首を傾げた。
半年近く付き合っているのに、まだ鳳は慣れないらしく、
時々こうして固まる。
でも、今回は…。

「膝に乗って、って言ったのは長太郎なのに、変なの」

誕生日に何が欲しい?と聞いて、その答えがこれだった。
膝の上に座って欲しいだなんて、相当変わってる。
それだけじゃなんだと思い、一応こんな時期だしと自分の判断でチョコレートも持って来た。
鳳から今年は誰からも受け取らない!と聞いてたので、
それだったらあげようって気になったのだ。

「変だけど、なんかやっぱり緊張しちゃうんだよ」
「ふうん」

椅子に座っている鳳に、横になる形でリョーマは座っている。

「こんなんがプレゼントっていうのも変だし…」
「俺は嬉しいよ」
「そう?長太郎の嬉しいって、よくわかんないよ」
誕生日なんだからもっと、我侭言えばいいのにと思うのだが(普段は自分が我侭ばっか言っているのだから)、
鳳の要求は本当にささやかだ。
だからこそ、彼を好きになったのかもしれないけど。

「そうだ、長太郎。チョコ食べたくない?」
「え?チョコって、リョーマ君が持って来たチョコ?」
「うん」
手の届くところに、チョコの包みがある。
それを掴み、リョーマは包装を解いた。
中には菜々子お薦めの生チョコが入っている。
ココアパウダーが手につくのも構わず、リョーマはそれを一つ、指で摘んだ

「はい、あーん」
「え、えっと」

戸惑っている鳳に、くすっと笑いながらチョコを口元へと近付ける。
覚悟を決めたのか、鳳が口をそっと開けた。
見逃さず、チョコを中へと入れる。

「美味しい?」
「はいっ。今まで食べたどんなチョコよりも、美味しい」

顔を真っ赤にしている鳳に、可愛いよねと思いながらまた新しいチョコを指で掴む。

「はい、もう一個」
「え、…い、いただきます!」

幸せそうな鳳を見ていると、自分も嬉しくなる。

こんなプレゼントでいいのか?と思ったけど、
お互い楽しいからいいか、とココアパウダーがついた指を舐めて、リョーマは微笑んだ。


チフネ