ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2023年03月28日(火) 子豚も散りたい

咲ききってしまうとどうして散るのだろうと思いながら

桜の花を見上げていた。

「燃え尽き症候群」という言葉があるが少し似ている気がする。

一生懸命に精一杯に咲いたのだ。もうそれ以上はないくらいに。


人間の命も同じなのかもしれない。

不慮の事故や自然災害等で突然に命を落とすこともあるが

たとえ病気であっても最後の最期まで生き抜こうとする。


私はどうなのだろう。もちろん花にはなれないけれど

もしかしたらと一縷の望みを抱いて咲こうとしているのかもしれない。


紫陽花のように朽ち果てるのは嫌だ。椿のように落ちるのも嫌だ。

私は潔く散りたい。





同僚がとうとう煙草を一箱買って来ていて子豚に与えてしまった。

嬉しくなんかちっともない。ただただ困惑するばかりである。

有難うも言えない。「困った困った」と呟きながら火を点ける。


同僚にしてみれば「くれくれ詐欺」から逃れたかったのだろう。

仕事中に付きまとわれてどれほど迷惑だったことか。

酷い時には煙草を入れてある作業ズボンのポケットに手を伸ばした。

怒れば良いのにへらへらと笑うものだから癖になってしまったのだ。


まるで悪いのは同僚であるかのような言い草になってしまったが

もちろん一番の悪人は子豚である。(悪豚とも言う)

好物の餌を毎日与えられてがしがしと食べ続けて来たのだ。

少しは遠慮をするべきだったと今になって思うがもう後の祭りである。


結果は言わなくても分かるだろう。

また取り返しがつかない事態になってしまったのだ。

まともな豚ならその餌を少しずつ食べようとするかもしれない。

しかしまともではないものだから一気に食べ尽くそうとするのだ。

後先のことを全く考えていないなんと愚かな行為であろうか。


煙草のフィルターに番号を書いてみたらどうだろう。

たとえば明日は一番から三番までという風に本数を決めるのだ。

まてよ、今日は5本吸ってしまったから残りは15本になる。

明日から3本にすれば5日は持つと言うことだ。

ええと明日は29日だから土日を挟んで4月の4日まであるのか。

ようしいいぞ。その調子で頑張ってみようではないか。


何を頑張るのか訳が分からなくなってしまったが

今夜は今までのように自分を責めようとしない子豚であった。

責めると苦しくてならなくなる。もうどうしようもなく。



子豚だって咲けるかもしれない。そうして潔く散る時が来るだろう。


 < 過去  INDEX  未来 >


anzu10 [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加