連日の氷点下。今朝は昨日よりも更に冷え込む。
暖房のなんとありがたいことだろう。
昔は火鉢だったことを思うと便利な世の中になったこと。
幼い頃の火傷の跡が今も右足に残っている。
炬燵が電気ではなく練炭だったのだ。
父が真っ赤に焼けた練炭を炬燵に入れる時に
「危ないから足を入れるなよ」と言ったのに
幼い私は言う事を聞かなかったらしいのだ。
その時の痛みは記憶にないと言うのに
父の言葉だけはなぜか薄っすらと憶えている。
そう言えば「あんか」も豆炭だった。
母がお風呂を焚く時に薪と一緒に火を点けてくれたのだ。
「あんかを持って来なさいよ」と母に言われて
弟とふたり我先にとお風呂の焚口まで持って行くと
まるで火の塊のような豆炭を母が火箸で挟んでは
「ほうれ、ほうれ」と順番にあんかに入れてくれたのだった。
それを宝物のように抱いてお布団を温めてから眠るのだ。
懐かしいものである。一気に思い出す冬の光景があった。
父がいて母がいて弟がいて「チョビ」と言う名の犬もいた。
家族がばらばらになることなど夢にも思っていなかった頃。
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