まるで春先のような優しい雨。
音もなく降る雨は霧のようでもあった。
仕事を少し早めに終わらせてもらって母を訪ねる。
今日も退屈そうにベッドに横たわっていた。
先日はじいちゃんが一緒だったのでたくさん話したけれど
今日の母は話すのも億劫な様子を見せていた。
冷蔵庫が空っぽなので買い物に行きたいと言うのを
食料品を買っても無駄になるからと言って聞かす。
そうしたらとても不機嫌になって「もういい」と言い放つ。
三度の食事はちゃんと用意してもらっているのだから
特に足りないものはないはずなのだけれど
どうやら空っぽの冷蔵庫を見ると不安になるようだった。
たとえ無駄になっても買い物に連れて行ってあげるべきだったのか。
なんだか後ろめたいような複雑な思いで帰路についた。
母の願いをすべて受け入れるつもりはない。
時にはこころを鬼にする時もあるのだと自分に言い聞かす。
今夜は七草。我が家はお粥ではなく毎年雑炊にしている。
スーパーの七草セットは買わず七種類の野菜で作る。
大根や人参などを刻んでいたら娘が「ひとつふたつ」と数える。
七つにひとつ足りなくて最後に葱を入れて卵でとじれば出来上がり。
めいちゃんは美味しいと言ってくれて二杯も食べてくれたけれど
あやちゃんは変な野菜が入っていると言って食べてくれない。
菜花を入れたのがいけなかったのかな。ちょっと残念だった。
疲れた胃を労わりこの一年の無病息災を祈る。
私の胃もすっかり元気になってくれたようだ。
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