青空にうろこ雲、思いがけないほどの朝の空だった。
とうとう8月も最後の日。なんと雨の日の多かったことか。
朝食後じいちゃんが土手まで散歩に出掛ける。
ほんの5分ほどだけれど良きリハビリになっているようだ。
今日は漁協の出役があってじいちゃんの代わりに川仕事へ。
地区別に漁場を振り分ける作業だった。
ほんの5月に撤収作業を終えたばかりだと言うのに
もう漁場の準備を始めなければいけない。
早いものだなと思う。そうして一年があっという間のこと。
午後はゆっくりと休みたかったけれど
母から電話があり入れ歯を洗うポリデントが無くなったとのこと。
毎晩使うものなので困るだろうと買って持って行く。
母に会うのは何日ぶりだろうと数えてもいなかった。
いつもベットの脇に置いてあった歩行器が無くなっていて
母がもう自力で歩けるようになっていることを知る。
「もうどこも悪くないから帰る」と言い出した母を
必死の思いで宥めたけれど素直に聞き入れてはくれない。
仕方なく秘密にしていたじいちゃんのことを話す。
そうしたら少しは私の立場も分かってくれたようだ。
「お願いだからもうしばらく辛抱していてね」と言うと
「うん、わかった」とやっとうなずいてくれる。
ほっとしながらも今後のことを考えると気が重い。
なるようにしかならない。きっとなんとかなるだろうけれど
いったいどうなると言うのだろうか。
母の幸せとはいったいなんだろう。
どうしてあげたらいちばん幸せなのだろう。
「もう無理して来なくてもいいよ」と母はさびしそうに言った。
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