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2004年11月10日(水)

昨晩、映画を観た。
今更ながら、「誰も知らない」。

1000円の映画デーだし、ずっと映画館など行っていなかったし。
夫に了承をもらい、仕事が終わったあと
レイトショーに行った。

実話をもとにしている話・・というこの映画。
痛くて痛くて、たまらなかった。

詳しい話は、ここに。

そういえば、映画の中で
援交するおじさんが出てくる。
きっちりとしたスーツを着た、
長身の、さらりとした紳士。
それが、制服を着た女子高生と、カラオケに行き
数万円を渡す・・

この紳士の姿が、ヒロにダブった。

あちこちのサイトでいろいろな感想を見かける。
その中のいくつかは、
子どもを置いて(放置して)男と同棲していた母親を演じたYOUについて
「YOUが演じると憎めない」なんて書いていたけど
これだけのこと、誰が演じたって「憎めない」
なんてこと、ぜったいない。

女に生まれて、女としての幸せを追求する・・
それはそれで、いいんだと思う。

でも、守るべきものがあるのだったら
それは、「今」すべきじゃない・・・・・・

自分が渦中にいるときは、わからなかった。
女として、賞味期限があるようで
だから、「今」じゃなくてはいけないんだ、というような
焦りにも似た気持ちがあった。

でも、すべてから離れた今、
それは違う・・・・ということがよくわかる。

本当に、人間として、そして女性として
自分が、幸せになりたい、と思うのなら
欲張ってはいけないんだ。

ひとつひとつ、その時に一番大切なものを
しっかり見つめてあげて、手をかけて、心を傾けて・・
自分の幸せを考えるのは、それからずっとあとでも
決して、遅くはない。
いえ、すべきことを果たさないまま、衝動に走った上に得たものは
長い目で見て、きっと、重い何か・・を引きずっていくことになるんだろう。

渦中にいる時は、決して、そのことはわからない。
恋愛には、そんな魔力がある。
取り憑かれたら、走るしか、ない。

誰しも、自分だけは違う、自分だけは本当、
自分たちの愛だけは、ずっとずっと、冷めない・・・・
そんな風に思っている。

それは、違う。

都合がいいから、続いているだけ。

渦中にいるときは、わからない。決して。






「ヒロさんは、私とお逢いするたびに”いつか、将来的に何とかいっしょになれないか・・””君との子どもが欲しい・・”などと・・毎回のように、おっしゃっていました。」
「私は平凡な人生を歩んできた、平凡な主婦で・・とても、不倫をするような人間ではありません。でも、ヒロさんは、本当に完璧な方で・・何もかも、完璧な方でしたから、惹かれる気持ちを止めることはできませんでした。」

彼女は、ヒロへの想い、その長く、深いつきあいを淡々と語った。

「お互い、幸せになりましょうネ」という彼女に
「・・ありがとうございました」というメールで、やりとりを終え
私は、ヒロにメールをした。

「彼女から連絡がありました」

ヒロから即返事が返ってきた。

「情報収集できた?」

このくだりは以前にも書いたが、本当に本当に、あきれてしまった。

今、これらのやりとりをしてから2ヶ月あまり
また、いろいろなことがあり・・(おいおい書いていくとして)
このとき、私が知ったよりも、
実際、彼女とヒロのつきあいは、
いろいろな意味で、もっともっと深かった。

なのに、なんで、彼女の精神状態を気遣う言葉にならないのか・・
せめて
「どんな様子だった?」と
聞かずにはいられないのが、人というものではないんだろうか・・

「つきあいの内容を聞きました。情報収集、より、まず彼女のことが心配じゃないの?」

とメールを返した。すると、無言・・無視・・

いつもそうだった。
ヒロは、いつも状況が悪いと思うと、雲隠れする。
返事を返さずに、じっとしている。

思えば、ヒロに対する本当の憎しみが芽生えたのは
このときからだったかも、しれない。


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