明けない夜はないはずだった
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2004年07月07日(水) 今の状況

眠れない

父親と縁を切った事で彼女とも縁が切れるはずだった
母親と縁を切れなかった自分が悪いのだ

数年前、母と喧嘩した原因は私の子供の事だった
障害を持つ私の子供に
「恥ずかしい、自分の血じゃない、きっと私の旦那の血のせいだ」
「障害を持つ孫を産んで」
私の子供が障害児だから恥かしいというなら、付き合えなかった

「娘じゃ無いと駄目だと病院に言われたから」
その電話に病院に行き、手術に立会い、何日も看病をし続けて
なし崩しに面倒をみるようになった
子供に対していった言葉を忘れた訳ではなかったけど、結果的に障害のある孫を可愛がって、毎週電話で会いたがる母の病室や家に子供を連れて行った

明けない夜は無い
私が夜明けを見るのは、姉と父親を忘れる時だけだった
だから、関係持ちたくないと母に何年も言い続けて来た

たまたまスーパーで、姉に縁を切られた惨めな父を見た母は
父の世話を焼き私に父親を会わせようとした
憎みあって離婚した男の面倒をみるなんて何て優しい人だ、心底呆れた
母親を許して面倒を見ていた私の話を母から聞いて、自分も許されると思ったのかは判らないが、父は私の旦那に何とか自分がどんな気持ちで姉の味方をしてきたか判って欲しい、私との仲を取り持って欲しいと私の旦那の職場に仕事中に電話して、あげくに姉の過去の事を言い始めた
旦那に姉の事は関係無い
旦那は訳がわからずに呆然と聞くだけだった

そこ後、母と共に家に来て、私の留守中に強引に障害を持つ子供を連れ出そうとした
長男が「お母さんが居ない時にそれは困る」と断ると
母は、長男に「何が困るんだっっ」と怒鳴ったらしい
私は子供に泣きながら何度も謝った。

その父は今度は母を姉の家まで連れて行き、姉に会わせた

帰ってきてからは修羅場だった...

姉にあって、色々とあった事を泣きながら電話してくる母
電話で姉に罵倒され、その言葉に自殺したいと言う父
姉の事を私に罵倒する母
姉の旦那に酷い事を言われたと泣く父と母
姉に金を渡したと言う母
無一文の私の父親に金を貸したのに返さないと言う母
母に罵倒されたと泣く父
何度も吐きながら電話する母、酔っ払って錯乱する父

『じゃあ会わなきゃ良いのに、私は係わり合いになりたくないって何年も言っているでしょう?
もう25年も前に離婚した男に金を貸す方が悪いんでしょう?
姉にお金を自分から渡しておいて、愚痴を言うなら渡さなきゃ良いのに』

私が彼女に会わせたわけじゃ無い
私が彼女の本を渡した訳でもない
彼女の旦那が母を罵倒したのも私のせいじゃない

あけくに「お母さんにどうしろっていうのよ」と聞かれても
それは私が聞きたい、私にどうして欲しいと言うのだろう

父親と距離を置きたい私は「人でなしの最低な娘」らしい
姉の事を聞きたくない私は「小難しい事ばかり言う、優しさのかけらも無い人間」らしい

先に姉に何か言うべき事はないのだろうか?
私に姉の事を酷く言うなら、その言葉を直接姉に言えば良いのに
姉に言えないのなら私にも言って欲しくないのに

父に姉の過去を「お前のせいだ」と怒鳴る母
そして、怒鳴った事を私に言う母
父に「私が不幸になったのはお前のせいだ」と怒鳴る姉
その事を誇らしげに「お前もそう思うだろ」と私に同意を求めた姉
姉と母に怒鳴られたと泣きながら話す父

こっけいな言葉に呆然とするしか無かった
この人達は、それぞれもう年なのに、大人になってまで何を言っているのだろう?
良いよな、人のせいに出来て
自分の人生は自分の責任だ、過去の事を人のせいにして何になると言うのだろう

だが私も同じかもしれない
姉の話題を聞くと、私は必ず「姉に折られた肋骨」が痛む
毎日、髪の毛を鷲掴みにされ家中引きずりまわされ、頭皮から血が落ちる感覚が蘇って、髪を自分で引きちぎってしまう
鉄パイプで殴られ続けた事を思い出して息が出来なくなって、呼吸が浅くなる
だから逃げたい、聞きたくない、姉とつながりのあった父とも関係を持ちたくない

それでも姉の話を言う母を慰めてあげないと「優しさのかけらもない」のだろうか?
聞きたくない、もう縁を切りたいと願うのは、罵倒されないといけない事なのだろうか?
私にも仕事も家庭もある、せっかく掴んだ今の幸せを壊されたくないと願うのは罪だろうか....
もうすぐ3時が来る、後数時間で夜が明ける
けれど、私の朝は来ない、もう何日眠ってないのかさえ覚えていない

夜が明けたら私は、普通に子供を見送って一日仕事をする、何日も寝て無くても私には寝るという逃げ道すら許されない
私の本当の夜明けは何時来るのだろう


2004年07月05日(月) 過去

私の初めての記憶は、まだ母の背中におぶられている頃
母の背中越しに見ているのは姉だった
机に座ったまま寝ている姉を見て、母が言った一言
「可哀想に」
以後、この言葉は呪いの様に私に繰り返される事になる

彼女が小学四年生の時
私と、彼女の友達を小学校の庭まで連れて行った
訳が判らないまま、そのまま彼女について行くと
彼女は、自分のクラスの教室に忍び込み
そのまま先生の机をあさりだした
「あった」と笑う彼女の手に握られていたのは
集金袋だった、そこからお金を出すと
彼女は素早くポケットに入れた
私は何が起こっているか判らないまま
促されるままにその場を走り出た

校庭の大きな松の木の前まで走ったところで
彼女は大きな目を見開いて、私に低い声でこういった
「このこと、家で誰かに言ったらお前を殴るからな」
恐ろしさに私は、何度も首を縦に振った

それから暫く後、授業中の事だった
一年生だった私のクラスに4年生の彼女の担任が来た
しばらく私の担任と話をしていたと思うと、いきなり
4年生の担任に廊下に呼ばれた、クラス中ざわめいていた
何の事か判らず、ただ怯えながら出て行く私に
4年生の先生は、定規、文具セットを差し出した
そして怖い顔で私に「これは貴女のものですか?」と聞いた
その定規には、すべて私の名前が大きくひらがなで書いてあった。

ピカピカのとても可愛いその定規に私はまったく心辺りが無かった
まだ、定規など授業で使わない一年生だ
「知らない、私のじゃないです」そう答えるしか無かった。
「そう、やっぱり」先生は怖い顔で言うと、そのまま小走りで戻っていった
私は後でクラスの友達にその事を散々問い詰められたが
首をふるしか方法が無かった
ただ判っていたのは(彼女がまた何かしたのかな)
の事だけ....
その後の事情は、大人は誰も話してくれなかった
だけど、それから4年生の子にあった時、いきなりこう言われた
「どろぼうの妹だっ、定規泥棒だ」
彼女は、定規が授業で必要だった日に、友達の定規を盗み
それに私の名前を書いていた、そして問い詰めた先生に
「これは妹の持ち物を借りた」

とそう言ったらしい、新しい自分の文具に知らない子の名前を
書かれた本当の持ち主は、きっとどれほど傷ついた事だろう

私達一家は、後に生まれ育ったその町を引っ越す事になる
私達姉妹の喘息の治療という事だった
友達も沢山居たその町を離れるのは、本当に辛くて泣いた
大人になってから母親に引っ越した理由を尋ねた時に
「K子の色々な噂が団地内に立っていて、居られなくなったのよ」
その時、集金のお金をポケットに入れた彼女の顔と、そして
私の名前が書いてある定規を思い出して、暗い気持ちになった

---------------------------追記-----------------------------
現在の事

数年前に絶縁した父親と姉の話はよく私の耳に入ってきた
主に、複数の叔父や叔母、祖母から。。。
その話の殆どは、勿論良い意味では無く
その度に「迷惑かけてご免なさい」とか「宜しくお願いします」とか
言い続けた、「いや、よっちゃんが苦労しているのは判っているよ」
「あんたが謝る事はないんよ」と返す肉親達に申し訳なくて
胸が痛んだ、私達は大人なのでもう面と向かって本人達に言う事は無く
面倒な事は避けたいだけだっだ、それを判らず「うわべ」をそのまま受け取り
ほんの少しの本心を知ると「自分達をないがしろにした」と恫喝し始める
その人達には疲れて、何歩も離れた暮らしをしていた。

父親が姉と暮らすと聞いたのは一年前
祖母と少し行き違いが出来た時だった
その時も、止せばいいのに祖母は父にお金を渡し
また父親を甘やかした
祖母は父を甘やかし、その同じやり方で父は彼女を甘やかす

何かある度に父に泣きつき、逃げていた彼女だが
今回は無職になり年も取った父と暮らすらしい
いままで面倒を見続けてもらっていた人間に
人の面倒なんてみれるものか
私は心の中でせせら笑った、きっと一年も持たないだろう
案の定、一年持たず父は姉に例のごとく恫喝され姉の旦那に酷い事を言われ
戻ってきた、その話を親戚から聞いたのは1ヶ月以上前の事だ。
働いてきた時の貯金は全て渡して、利用価値の無い年老いて頑固になった人と
責任をとらないまま生きてきた人が一緒に住めるわけが無い

戻ってきた父は、一ヶ月ほど何度も人を使って私の子供たちに会いたがった
私は面倒な事に巻き込まれたくなくて無視をした
目の前の自分の生活は、誰もそうだと思うが私も大変なのだ
なにより私の子供はもう大きくて、親戚や祖母、私の話を横で聞いていて
自分で判断出来る年なのだ

それが間違いだった...

たまたま、そのやつれた父を見かけた母は、父の面倒を見始めた
毎日食事を作り届け世話を焼きだした
「ろくな事にならないから、なるべく会わない方が良いよ」
私は忠告をしたが、母は私に対しては「もう会ってない」と言い
父は私に「もうやっと懲りた、2度とK子には会わない」と言いながら
縁を切られた姉の所に、わざわざ仕事道具を取りに行く名目で
高血圧の母を連れて行き、現在母は倒れ、父はまた錯乱し、
そして私達夫婦に決定的な亀裂を作った。

何時も私達家族を引き裂き続けて、傷口に塩を塗り続け
平穏な生活を壊し、金銭だけを受け取りながら
被害者ぶる姉なのだ、そして後始末はまた私らしい

もう沢山だ
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