管理人日記
管理人



 怪・白雪姫と7人の小人


私は運動はキライ。

でも二つだけ好きな運動がある。ひとつは水泳、そしてもうひとつはスポーツジム通いをすることだ。マシンジムをメニューどおりにもくもくとこなしていく、それは誰にも邪魔されない一種の瞑想タイムと化していた…のだが…以下はそれにまつわる大変恐ろしい話である。

仕事を辞めて、少々遊んで、ということが許されてた頃。そう29歳の頃だろうか(許される年齢じゃないってか)。私はあるスポーツジムが気に入って週に4回は丸一日そこで過ごしていた。メニューはごく普通のもので体脂肪なんかが見る見る減ってきてジム通いがますます楽しくなってきていた。

そこには色んな人がいた。

プロゴルファーで調整のために通っている人、ぶらぶらしてるフリーター、学生の娘さん、レゲエな調理師さん、ウェイトトレーニングに励んでいる人。インストラクターさんもきれいなお姉さんとかわいいお姉さん、軽そうな、でも感じは悪くないお兄さんの3人だった。そんなに忙しくないジムだったので、のんびりほのぼのしていた。そんなこんなで通いはじめて3ヶ月くらいが経過した頃のことだった。

ウェイトトレーニングに励む一人の人が目に入った。

あまり見かけない人で一見男か女かわかんない外見。一応ピンクのトレーニングスーツを着ているがそれでも良くわからない。ピチピチなスーツなのに、胸を見ても判断がつかなかったのだが、じ〜っと見ているとどうやらかろうじて女?とわかった。

髪はベリーショート、顔は…アブナい表情。これまた子供なのかおばさんなのか全くわからん。でもこういう場合って若いことが多いんだよね。

ちょっと恐いながらも彼女のトレーニングッぷりに注目してみた。かなりのハードトレーニングであった。筋肉をつけるのだろうか?そういえばボディービルダーっぽい。ダンベルもかなりの重さでいち〜にぃ〜とやっている。

インストラクターは公平に話し掛けてくれるので、その人とも話していたが、声がさっぱり聞こえないのであった。そう、とても小さな声で内向的にしゃべる人かな?という感じであった。

もうひとつ不思議なことは、彼女はトレーニングの合間に自分で持ってきた本をぱらぱらとめくって見ているのであった。何見てるんだろう?でも、見かけによらず?何かのスポーツ選手かもしれないので(リフティングとか)鍛えた筋肉の部分を筋トレ本で確認しているのかな?とも思った。

気が付くと、私の次のメニューは彼女の近くのマシンを使うトレーニングになっている。じゃそれをやろうかな〜と思い、彼女がタオルやらその本やらを置いているベンチの近くのマシンに歩いていった。そして何気なくチラッとその本の表紙を見た。そのとき私は戦慄した…なんとその本の題名は…

”白雪姫と7人の小人”

だったのだ!!ええええええ〜〜〜???

驚く私を尻目にその彼女はダンベルを終えてこちらにやってきた。そして…椅子に座りながら白雪姫と7人の小人の本をめくっているではないか!しかも白雪姫が死んで丘の上でガラスの棺に入り、王子様がキスしようとしている場面!!…そして彼女は私の方を振り返った…

ニタ〜〜〜〜〜

…と笑ったんだよう!!!恐い恐い恐い!!!えっえっえっ一体何なの??

私は大急ぎでインストラクターさんに訴えた。あああのひとお〜アブナイですよ〜〜!!インストラクターさんは言った。

「ええ??何が?そんなことないですよ〜」

そんなバカな。じゃ、ジムの合間に見るあれは何なんだ。みんなやりながら見てるのか?A4サイズの絵本だぞ!しかも白雪姫だぞ。なんでみんな気がつかないんだ!!もはやこれは怪奇映画、ホラーである。

恐くなってサウナでも入って帰ることにした。ここは裸になって入るタイプのサウナだったのだが…ヤツが追っかけてきたんだよう。裸で見つめあうこと3分間。もう限界だよ。私は毒蛇ににらまれて動けないような状態だった。何とか逃げ出してさらに逃げ帰った。

それからヤツには会っていない。
一体なんだったんだろう??しかしインストラクターさんに聞いたら「そんな人いないですよ〜」なんて言われたりしたらね…余計に恐いので尋ねませんでした。しっかし、筋肉作りながら白雪姫と7人の小人を見る人間って、どうなん?笑っている場合ではない。あなたも出くわすかもしれないからね!

私のマジこわ恐怖体験でした…


2003年07月18日(金)



 札幌名物


3年前の夏に札幌へ行った。洋服のデザイン・販売を営んでいる知人と会うためである。このときは珍しく女友達と二人で出かけた。普通なら♪友達と楽しい旅〜になるんだろうが、やはり!事情が違った。この女友達はレズビアン(自称)だったのだよ。行きの飛行機着搭乗時、旅の目的が観光とはかけ離れていたことに私はまだ気づいていなかったのだった。

国内旅行でもケチって超マイナー航空会社、エア・ドゥ(その後倒産)を使用して普通に札幌についた。

真夏ってえのに札幌はやっぱり涼しいもんだね〜あたしゃびっくりしたよ!しばらく和んだ後に「さ、行こうか」と言われた。え?こんな時間からどこにいくの、と尋ねると

「決まってんじゃん、ニューハーフのショーを見に行くんだよ!そのために来たんじゃん」

と、あっさり言われた…

旅の目的をオイラは知らなかったよ(涙)。札幌では新宿二丁目でニューハーフショーを見るよりも相場が安いんだってさ…わかったけどなんで札幌くんだりまできてわざわざそんなもん見なくちゃならないんだ。少々哀しくなったが、切り替えは早いので(懲りないとも言う)まいっか、とススキノに出かけた。

受け付けにはマイケルジャクソンとラ・トーヤジャクソンを足して二で割ったような身長180センチほどのニューハーフがいた。彼女は料金とドリンクシステムを説明して「OK?じゃ早く入って。もう始まっちゃうから」と言った。

中に入るともうショータイムが始まっていた。みんな改造した己の身体を誇らしげに見せながらそれぞれの芸を披露していた。しかしそんな芸よりも私が気になったのはやっぱり外見だ。

思った通りのオバちゃんだかおじちゃんだかわかんなくなっているようなニューハーフがいる。しかし豊胸をしてる人としてない人がいる。ここはビアンの友に聞く。

「そういう性癖の種類だよ。胸が欲しい人と欲しくない人がいるの」

とのこと。ほー、勉強になるわ。

エックスのヨシキに似たニューハーフもいる。男だったらさぞかしカッコいい…ねえ〜。

しかしキワモノ系のニューハーフの中に、もの凄いかわいい子がいる!!華奢な肩、細い足、オカマがみな欲しがるという、オードリーヘップバーンのような首筋…これが札幌在住の友人の弟も危うく惚れそうになった(笑)超美形ニューハーフだった。

いやー、マジでね、かわいいんだよ。清楚っつーかアイドルっぽいっつーか…だって元男とは、ちょっと思えない。しかもニューハーフってその辺の女なんかよりよほど女らしい。酒の勺は上手いし気配りもできるしきっと料理も上手いのであろう。そこにいた私ら女三人はくぎ付けになってしまった。

ニューハーフショーは縁もたけなわ、トップレスになってのラストショーとなった。いやー、おひねり飛ぶ飛ぶ、差し込む差し込む。やっぱ一番人気はあの美形の彼女なのであった。いやー、いいもん見せてもらいました。

その後ドリンクタイムになり、様々なニューハーフがテーブルにやってくる。これって、とても楽しい!男がキャバクラにはまるのもよくわかるような気がす(あ、キャバクラにも結構行っていたのだが、この話はまた後日)。

「私、彼氏いない暦22年なんですぅ〜」などど嘆く麗子嬢。みればまだニューハーフ暦も短いようであごに黒い点々が。(笑)ひげである。まだ女性ホルモン注射が少ないのであろう。精進しろよ。

ローリー寺西顔のニューハーフも来た。もう40歳くらいらしくそれはそれはものの哀れを感じる。それでも人体改造費はひとえに3〜400万かかっているそうだよ。

レズビアンの友人いわく、新宿二丁目のニューハーフは聖子ちゃん派(すんごい付け毛とかして頭巻いてるらしい)と明菜ちゃん派のファッションに別れるという。楽しいけどお金がかかってしょうがないんだそうだ。しかも店には有名女優やら歌手(それは槙原だったという。しかも逮捕前)がひっそりと来ているという。しかしこういう店に遊びに行くのは、合う合わないがあるからね〜という話だった。

そんなこんなで結構楽しんでしまった私だった…

だけどね、だけどね、

牧場見たり、ラベンダー畑見たりね、ソフトクリーム食ったりね、

たまには普通の札幌名物を堪能する普通の観光旅行をしてみたかったっす…

おかしな旅になったのは私だけが原因ではないと思うよ…


2003年07月20日(日)



 ティッシュ配りは命がけ


消費者金融の大手に勤務していた友人がいる。彼女は久しぶりに話すたびに香ばしいお話を教えてくれるのでとっても楽しい。夏にふさわしい強烈なお話のはじまり。

消費者金融の総合職で大変なのは、やっぱ家庭訪問であろう。もちろん焦げ付いている顧客を訪問するのだが、大方えらいことになっている方が多い。

とあるアパート。顧客は結構若いお兄さん。延滞がひどいのでお宅に伺うことになる。アパートのピンポンを押す、するとお兄さんがハーイと簡単に出てきた。そう、頭にハチマキ、ハチマキには3本の火のついたロウソクが…

宗教にはまっていたらしい…

また別のお宅訪問。独身中年のおっさん。お宅に伺うと様子がおかしい。なぜかドアが少しだけあいている。中は真っ暗だ。おかしいな?と思いながらも担当営業マンは帰社したそうだ。

そして次の日。また訪問してみた。
またまたドアが少しだけ空いている。昨日より早い時間だったのでまだ日が落ちていなくて明るかった。それなので思い切ってドアを開けて中に入ってみた。中は雑然としている。そして窓枠の方を見てみると…

彼の会社の電話が鳴った。そして彼の上司がその電話に出た。
「お前、○○さんちに訪問してんだろ?どうだった?」
すると彼は

「あの、、、どうやら窓枠に洋服が吊る下がっているようなんですけど…」

上司はピンときた。

「…うわわわ〜〜〜お前見ちゃったのかよ!!触ってないだろうな!!」

そう、首を吊っていたのだよ。

死体の第一発見者になると何かとめんどくさい。警察に連絡しなくてはならないしその後警察にて事情を話さなければならない。半日くらいかかってしまうのでその間の仕事に影響を及ぼすのだそうだ。ホントに効率が悪いという。

それからお宅訪問だけが大変なのではない。

手紙が来た。顧客の家族からだ。中身を開けてみたところ手紙と消費者金融の借り入れ用カードが入っている。手紙を読んだ。すると、

「父親は、富士の樹海で死体で発見されました。このカードはポケットに入っていたものです。御社にお返し致します」

友人はすでにそのカードを触ってしまった後だった…ぷるぷるぷる…

そして最大に恐ろしい仕事がまだある。
それは”ティッシュ配り”だ!!

テレビのCMでもやっているがそんなクリーンなものではない。

とある新入社員の女性が街頭で優しくティッシュ配りをしていた。すると鼻血を出して帰ってきた。しくしくしく…泣きながら言うことには「お前のせいでウチの親がああ!!」といきなり殴られたそうだ。男性社員はカッターナイフで切りつけられたこともあるそうだ。平和にティッシュを配っているだけで、殺されそうになるという。ああ、恐ろしい。

友人いわく、金がからむと本性が出るというが、消費者金融道は大変だ。ナニワ金融道なんてあんなことは無い、もっとまともだから!と豪語するが、話を聞くだけで具合が少々悪くなれます。

どうか皆さん、街頭ティッシュ配りの消費者金融の社員にあたたかくしてやってくださいね!


2003年07月22日(火)



 家は、走らない


その人はうら若き某世界的有名企業の重役。

顔はかっこよく、お家柄的にも申し分ない男性から見ても十分魅力的な男性であった。そして私の知人のお兄さんだったので、その素敵なうわさは聞いていた。外見だけの男ではない。

仕事でも画期的なシステムを考案し、そのシステムは今や日本中の誰もが一度以上はお世話になったことがあるはずの代物である。これを読んでいるあなたも絶対に、ぜええ〜ったいに利用したことがある!

そんな凄いことを考案した方はまた給料の額も半端じゃない。

家の車庫に並ぶ車…それはまさしく資産と呼ぶのにふさわしい一台数千万円程度のものが数台並んでいる。この方は外車が大好きで、所有することに命を掛けているのであった。

そんなこの男性が結婚することになった。

しかし相手はなんだかさえない女性だったようだ。何を話しても反応が弱く、ナンカヘンな人、あの方にふさわしくないわ!ってえのがもっぱらの評判だった。

しかし結婚を決めたからには家族で住める家が必要だ。周囲は、あんなにすげー外車を何台も持っているので、家となったらどんな豪邸を買うのかと期待していた。のにその方が購入したのはフツーのマンションで2LDK程度のものだったのだ。しょぼいもんだった。

一体なぜ?家族(両親と妹)は詰め寄った。お金はたくさん持ってるのに理由がわからないじゃないの!と。お兄さんの答えは豪快だった。

「あ・の・な〜〜、車は走るだろう?だけどな、家は走らないからだよっ!」

…そうか、家は走らないからか。なんか納得したぞ…

やっぱ偉業をなした方は少々ヘンな方であるケースが多い。

伊藤博文は実は処女破りが趣味だったとか、毛沢東の晩年の楽しみは、乙女が目の前でみつあみしてるところを見ることだけだったとか。おそらくその奥さんとも何か通ずるものがあるんだろう。

ほんっと紙一重ってヤツだよな〜〜って今でも思います、ハイ。


2003年08月01日(金)



 親に捨てられた


旅でのなんとなくイヤーな話。

香港の日本人専用のHというゲストハウスがある。日本人専用ということで安心して泊まれるんじゃないかと思って訪ねてみた。ここは格安で、ガイドブックにもよく出ている。

場所は中心街からかなり離れており、周囲は結婚式のすんゲー派手な衣装を売っている店や、なんと棺桶ショップ(かなりびびるよ)なんかもあり、香港ピープルの生活感満載の場所にある。

婚礼用品と葬式用品が隣り合わせにあるってことは香港の人の死生観なのかな?どっちも近いものってね。そして鳥ショップの臭いにおいの隣の階段がHゲストハウスの入り口だ。そこを上がっていくと薄暗いカウンター、奥にはドミトリー(大部屋)がある。

日本の漫画単行本がたくさんある。カウンターにいるのも日本人だ。しかし!かなり萎えた。正直汚いし、イヤーな雰囲気で一杯なんである。泊まってる日本人の顔つきの暗いことったら!しかし勇気を出して一応、空き部屋はあるか尋ねてみる。

すると女は女専用のドミトリーしかダメだという。女専用…って目の前にあるベットだけがカーテンで閉まるというなんともあけっぴろげなものだった。部屋の壁すらない。なんで女は個室はだめなのか考えてみた。

おそらく個室だと、この宿に泊まってる男なんかを引っ張り込んでしまってややこしいことになるからだろうな、と思った。

ジメジメしている部屋、ジロジロみないようにしてるんだけど見られてる感じ、ここも日本に帰れない人ばかりなのかな?薬とか蔓延してそうな雰囲気だし、廃人になりそう…うーーん、イヤだイヤだ。そんな部屋だったら不良外人で一杯の重慶マンションの方がまだいいよ!そこまでしてこのHに泊まる必要は無い。

というわけでここには泊まらなかった。だけどもガイドブックにはかなりオススメ♪ってな感じで記載されてるので要注意。

不思議な人もいる。

この人は他の海外放浪者も会ったことがあるという日本人男性である。

何でもこの人は大金持ちの生まれだったが、16歳になったある日、両親に突如海外に連れていかれ、そして現地で50万くらいだったか持たされて家族の解散を告げられたという。つまり海外で親に捨てられたというのだ。ネタかもしれない…でもわからない。もしかしたら少々頭がおかしくなっているのかもしれない。ちょっと恐い。

道を歩いててマジ迷って、出会う日本人ってのは神様にも思える。でもね、中にはへ?という人もいる。あの人、本当に本当に親に捨てられたのかな…


2003年08月02日(土)



 親に捨てられた・2


会社で人事を担当していたことがる(人事というか同時に営業とパソコンインストラクター、社内報でインタビュアーもしており恐ろしく多忙な日々であったがおかげでネタはほんっとに尽きない)。

とにかくたくさんの女の子に毎日のように会ったり、悩み相談を受けたりするのだが、かわいそうな話があった。

ある日、私宛てに電話が入った。Kさんという私と誕生日が一緒の女性からだった。なんだろうと思うとお金を貸して下さい、ということだった。

理由はお財布を落としてしまい、全てのカードを止めてしまったので一人暮らしで今日のご飯にも困るという。2万円でいいというのだが、何で親兄弟に頼まないんだろう?変だなと思いながらも給与の前払いで対応しようとした、

早速経理に聞いてみると、今月分はしめてしまったのでできないという。しかしそれを聞いていた社長がポケットマネーから2万円ポンと出してくれた。それを貸してあげたのだが2ヶ月経っても返してくれない。

催促にいこうかなと思っていると、また電話が鳴った。今度は彼女の出向先の会社からだった。彼女が突如失神して倒れ、新宿の女子医大に運ばれたという。

またおおげさな、脳貧血じゃないの?なんて思いながら少々遅くなって女子医大に到着すると、そこには真っ青になったうちの会社の部長がいた。「これは大変なことになったよ」

聞けば、完全に意識混濁しており、さっき回復したが自分の名前しかわからないらしい。頭は打ってないので原因不明。一番仲のいい同僚の女の子がつき沿っているがその子の名前もさっきまで思い出せなかった。ええ?やばいなーと思いながら病室に向かった。彼女がいた。

大丈夫ですか〜と声をかけた。ハイーと弱々しく答える。状況を確認したところで医者が来た。私たちは外に出た。しばらくして医者が声をかけてきた。医者はこう言った。患者さんはあなたのこと、誰だかわからないと言ってるんですが…

オイオイ金貸してんのに!ってのは冗談だが、驚いた。ほんまもんにやばいらしい。死ぬかもしれないなどと医者に脅された。

緊急に家族と連絡を、と言われたのだが、ここで彼女の悲しい事実が判明した。なんと両親がいないという。生きてはいるようなのだが両親とも連絡先がわからないらしい。他には身寄りがないのだと。一緒に住んでいる友人以外誰にも連絡したくないと言うのだ。

原因不明の意識混濁で今にも死ぬかもしれないんだよ!それなのに親類縁者に連絡できないなんて。

結局彼女は原因不明のまま回復したが、違う病院に移った。そこに私はお見舞いに行ったが彼女はやはり記憶がない部分が多いと言っていた。くしくもその日は彼女と私の誕生日。

あまりにもかわいそうなので明るい気分になれるようにひまわりの花束を病室に持っていったのであった。ふと彼女の手をみるとなぜか無数の縫い傷がある。全て2〜3センチ程度の古いもののようだが、これは一体?まだ何か深い事情があるのかもしれない。また彼女を傷つけてもしょうがないので理由は聞かなかった。

もう一人。

彼女はかなりの美人でおまけにかなりの自信家である。ルックス重視の受付嬢だったのだが彼女はしょっちゅう自分の実家を“開業医をしているのでお金には困っていない”だの、困ったことは父に相談するだの、かなり自慢ばかりしていた。私はへーそうなんだ、いいねーと適当に流していた。何事も問題ないかのように見えていたのだが…

ある日彼女の同僚の別の受付嬢から連絡が入った。なんと、会社終了後、彼女がカッターを振り回して暴れるので殺されそうなので助けて下さい、という話しであった。

私は早速その電話をくれた子と面談をした。話はこうであった。どうもクスリをやっているようで、もうかなり前からおかしな言動が目立つとのことだったが、幸い?出向先の企業の人は誰も気が付いていないらしい。驚いた私はもっと早く連絡して下さいよ〜と言おうとしたらこう言われた。彼女は実はとてもかわいそうな子なんです、と。

彼女の親が開業医でお金持ちだというのは本当だが、本当は彼女は14歳のとき両親が離婚していて、そしてその父親も母親も彼女を引き取らなかったそうだ。両親とも、娘はいらないと言ったそうだ。

だから彼女は14歳のときから一人暮らししているようで、どうも高校も行ってないらしい。履歴書に書いてある高校名は彼女が中学から通っていたエスカレーター式の私立有名女子高校の名前で、本来ならば通えたはずの高校だという。しかし、殺されそうなことは本当なのでどうか内密に事を収めて下さい、どうかお願いします、という。

衝撃だったが帰社し、すぐにこの話の事実関係を調べてもらったところ、本当だということが判明した。後は私の判断では動けない。

友人関係とかだったらね、心の扉を開いてあげよう!とかしないでもなかったが、これは企業間の取引に関わるお話だし、人一人も殺されそうになっている。上司の判断で、社内に呼んでみんなで芝居を打って自分から辞めてもらうようにしよう、ということになった。

ちょうど彼女からは私にはもっと素晴らしい仕事(マスコミ関係とかって言ってたね)ような気がするので辞めたいな、と言われていたのだ。ひどい話だが、芝居はうまくいき、少々の保証金を支払い、辞めてもらうことに納得してもらった。

以来彼女からの音沙汰は全くナシ。今どこで何をしているのか不明である。

なんとも後味の悪い「親から捨てられた」話であるが、本当だったんだろうか?信じられないというのが正直な気持ち。親は子に対して責任が絶対にあると思うし、例え子供が犯罪者になったって親が責任を取るべきだとも思う。

子供を捨てる。

今でもうそだよーと誰かに言って欲しい、信じたくない話であった。

2003年08月04日(月)



 レズビアンの心


さて、今は連絡全くとってないけど、レズビアンの知人がいる。彼女と知り合うきっかけは、以前この日記でも書いた都立職業訓練校であった。ここでは大変香ばしい方とたくさん出会えてホントに劇的な日々を送れたと思う。

彼女は女の子と結婚式したり(と言っても、籍なんかは入れてない。私からみたらただの同棲)独自のレズビアンのネットワークがあって、おさかんであったというか、まあ、世の中にこんなにたくさん同性愛者がいるんだなーって教えてくれた。

ほんとにそこここにいるんだよね。ま、いい男が少ないだけなのかもしれないが…

で、くしくも私の遠縁の叔母さんも、今から30年前くらいかな?若かりし頃新宿2丁目で、はじめておなべバーを作った人だったので(当時の11PMとかに出てた)それほど抵抗は無かった。ま、厳密に言うとおなべ(男になりたい・男装する)とレズビアン(女のかっこのまま女を愛す)は別みたいだけどね。

しかし私の叔母さんの現在は、おそらく連れそう人が見つからなかったんだろうね、豪華なマンションに一人で暮らしているらしい。若い頃はあたま角刈りで、男もんのスーツをビシッ!と決めてて、そりゃ〜かっこよかった。

宝塚のOBを私の実家に連れてきたことがあって、幼児だった私はマジびっくりしたよ。男と違ってひげとか無いからね。つるっとしてて、少女漫画で主人公とくっつくヒーローみたいだったよ。ま、叔母さんは人間性は素晴らしい人だったから、ウチの両親も仲良くしてたね。

この話をレズの彼女にすると、宝塚OBで芸能界で成功できる人はほんの一握りだから、そうできなかった人はおなべになる人も多いといっていた。私の記憶は確かであったことが判明し、ちょっと嬉しかった。

ああ、百貨店の店員にもいたなあ。

働いてた百貨店で研修があって、各フロアの売り場の人が無作為に数日に分けて私服で研修したんだけど、メンズスーツ売り場のべリーショートのかっこいい女の人二人が、男もんのスーツに手馴れたネクタイでやってきたっけ…いや、正直素敵だったよ。

そして訓練校の彼女はやっぱ、自分のマイノリティーをわかってもらいたいんだよね。学校で授業中に私はレズビアンだから!と公言しはじめた。そして引いていく人が多い中、食いつく子がいた。

それは19歳のギャル、はつみちゃんであった。彼女はまだ高校を卒業したばかりという若さにまかせてとんでもない質問を始める。しかも授業中に。

「女同士って、イケるんですかあ〜〜?あたしよくわかんない〜〜」
「…私はイカせるのが上手いのよ〜テクニシャンと言われてるの、いいのよ〜」

ああああ〜別にかまわんが、どうか、他の場所でやってくれよ!みんな授業してんだぜ、いくら実習でパソコン部屋と教室行ったり来りしてるからといって…

と思って周りをよく見たら、みんなマイペースに自分のことをやっており、他人の話などそんなにはかまっていないのであった(笑)…さすがみんな問題があってこの学校に来た人ばかりだよ!

それからも私はレズの彼女の元彼女に会ったり、彼女が別の女に振られたり、貴重な話を聞かせてもらいました。しかし、おまけというか、そんなに一緒にいたために私が彼女の恋人★という噂まで出回ってしまいましたよ。

私はヘテロセクシャルだあ〜〜〜!

でも、こんな経緯や育ちから、人がホモでもレズでも、オキャマでもオナベでもニューハーフでも偏見は全く無くなりました。その人が持ってる心さえ良ければ、人はみんな案外わかりあえるもんです…みんな、自分を大事にするのと同じくらい他人の思考も大事にしてあげようね!

人を認めてあげよう

そう思うのでした…


2003年08月07日(木)
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