ある音楽馬鹿の徒然カキコ♪...みゅう太

 

 

オーケストラの音に思う - 2004年04月21日(水)

先々週、先週とN響の定期公演を聴きにいった。

指揮はミスターS。
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキーという、
活舌の訓練をしている私でさえ舌をかみそうな長い名で
欧米でもこの略称で通っている。
(でも略しすぎだろ!って感じしません?)


よかった。
私はここ数年この人の大ファン。


このマエストロの指揮するオーケストラからは
とっても純粋で気持ちがアクティブになるオーラ?
エネルギーが放射されてくる。

元気になる。


こういう人は今ではなかなかいなくて、
N響を振る指揮者で限っていえば、準メルクルと彼だけかもしれない。


今回はベートーヴェン・チクルスということで
どの日もベートーヴェン、ベートーヴェン。


ものすごい密度の練習をしたとしか思えないのだが
一瞬一瞬に発見、発見の連続で
「え?この曲こんなだった? この部分にこんな音鳴ってた?」
って新鮮この上ない。


初めてコンサートに来て、初めてその曲を聴いた人には
すごく瑞々しい演奏に感じられただろうし、
よく曲を知っている人には、かなりの新鮮な驚きをもって
聴かれただろう、と思う。
そんなコンサートだった。


結局、音楽はそのやる人間の人格や、生きる姿勢で
受ける感動は大きく変わってくるのだなぁ
と改めて感じる次第。



しかしN響を聴きながらどうしても思い出してしまうのは
先日聴いたロンドン交響楽団(LSO)の演奏。



あのオーケストラは別格だった。

なにが別格かって、音の密度、表情。

特に音がデクレッシェンドして、だんだん弱音になってくるにつれ
逆に無音の空間が広がるわけだけど
(言ってること、わかります?)
ただ音が小さくなってくるんじゃなくて、
その空間になにかしら表情をもった、雄弁な雰囲気が広がってくる。


N響にはさすがにこういうものはまだ、ない。



これが選ばれし、名門オーケストラの音というものだ。


私が経験した限りは
ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ドレスデン・シュターツカペレ
シカゴ交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、
バイエルン放送交響楽団、
そしてこのLSOくらいにしかない、特別ななにかだ。



もちろんプレーヤー一人一人に高い技量が備わっているからなのだけど
それだけじゃない。


どれだけの長い間、どんな指揮者とつきあい、
どんな「文化」を築いてきたかのあらわれなのだと思う。




...

深夜のアニメ - 2004年04月15日(木)




先日書いた「ドラゴンボール」から
よーし、ついでにマンガ・アニメつながりカキコだ!!



…というのは、
今、深夜が充実しているんです。


火曜日夜の『Monster』、
『ウルトラQ』(←これはアニメじゃないけど)
そして水曜夜の『鉄人28号』。


NHKがさかんにPRしている日曜の『火の鳥』も悪くはないが
全体の色調こそいいものの
肝心の人の絵・動きがお粗末。
(特に彩色…デジタル処理が甘いせいだろう。塗り絵みたいにのっぺりしてしまっている。)



それに比べて『Monster』。

原作が大好き、という以上に畏敬の念を持つくらい感動した
大傑作なので(誰もがそう思うと思うが)
アニメ化される、ってのは心配だった。

かなりの確率で失敗することが多いから。


でもこれは違った。凄い。
これがアニメか!?と見まごうばかりの質をもった背景、人物。
押さえた芝居運びから、迫真的な心理描写が浮かび上がってくる。


最近の声優の名前はよく知らないが、
エヴァの声を小山まみさん(漢字がわからない!があのアラレちゃんをやっていた超ベテランです。)がやってるところを見ても、かなり贅沢なキャスティングがなされている。
だから声だけ聴いていても映画のようだ。


そして製作はマッドハウス。
作画監督は高坂希太郎さん。(ジブリのアニメでも作画監督を務めるスゴイ人だ。)
原作者の浦澤直樹はこのスタッフであれば、
そして1年半というじっくりとドラマを描ける放映期間であれば、
という条件でアニメ化を承諾したらしい。


まだ2話までしか見ていないが、それだけの成果を挙げているように思う。




『鉄人28号』。
これもまた、あきれるくらい驚きのクォリティ。

古き良き時代のマンガチックな素朴なキャラが
異様に高密度な絵で動き回る。

そして話も(私はこういう話だと知らなかったのだが)
とってもダークなら、全体の色調もダーク。


正太郎くん、ってあんな忌まわしい宿命を持ってたんですね。


とてもテレビアニメとは思えない、怖いくらいの迫力。


こっちの作画監督はなかむらたかしさん。
2〜3年前に『パルムの樹』というとっても素敵なアニメーションを製作した
(昔『風の谷のナウシカ』では最初、ナウシカが怒りに燃える王蟲を鎮めるシーン、あのメーヴェが大空に飛翔するシーンを担当した人だ。アニメで「空を自由に飛ぶ」さまを見て、こっちの気持ちまでが空翔る気分になったのはあの時が初めてだ。)
やっぱり、日本アニメ界ではビッグ・ネーム。


製作はそのまんま「パルム・アニメーション」。
スタッフ・クレジットは縦書きででてくる、という懲り様だ。



両作とも深夜だから実現できた、といえるのだろうけど
それにしてももっといい時間でやってもらって
多くの人に見てほしいな。







...




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