静けさ - 2003年06月16日(月) 先日私の周囲が工事だらけでウルサイ、という話を書きました。 昨日は休日だから工事は休み。 仕事も休みだから電話もとらなくてすむ。 (ちなみに私の仕事では、一日に少なくとも100本は電話をとってると思う。) 昼からちょっと短いコンサートがあったのだが、すぐ帰ってきてベッドでゴロゴロしていた。 静かだ。 久しぶりに静けさの中でゆったりした気分。 雨が降ったり止んだりしてたまにパラパラッ、サラサラと雨音が聞こえ、 風で葉がすれる音がして、 時折小鳥が鳴く声がする。 そういうささやかな音が耳に、体にしみてくる。 私は改めて思った。 静けさから全ての音は始まる。(当たり前だが。) 音楽も静寂から生起してくるんだよな。 かつて武満徹さんが「音、沈黙と語りあえるほどに」という本を書いていた。 (ついでに言えば武満さんの音楽は休止の沈黙が、音があるところ以上に雄弁な音楽を書く。) 私は人と一緒にいて、人と喋ったりする時間が必要で、またそれが大好きだけど、 しかしまた、私にはこういう一人で静かな時間が必要なんだ、時々でも。 ... ありがとう。デュトワ - 2003年06月13日(金) 昨日、シャルル・デュトワがNHK交響楽団音楽監督として最後の定期公演を指揮した。 厳密に言えば明日が本当のラスト・コンサートになるのだが、プログラムは同じなので。 デュトワがそのラストを飾る曲に選んだのは、R.シュトラウスのオペラ「エレクトラ」。 コンサート・スタイルでの演奏だ。 素晴らしかった。 「素晴らしかった」なんて言葉ではあまりにも足りない! もっと他に良い言葉はないのか!! と自分で自分が歯がゆくなるくらい良いコンサートだった。 まさに有終の美、と言うにふさわしかったと思う。 涙が出た。 あとで同業者に聞いたが、デュトワも泣いていたそうだ。 なにしろ、色々な意味で大変な曲だ。 まず楽譜がこれでもかこれでもか、とばかり複雑でそれを整理するだけでも至難の業だし、音楽の表情はアッという間にコロコロ変わる。 日本では(今の時点では)そうそうやれる代物ではない。 歌手だって巨大な声量プラス透明さを保ち、なおかつ言葉がはっきり聞き取れるくらいの力量がいる。 久しぶりに私も聴いたが、(私が前に聴いたのはドレスデン・シュターツカペレのコンサート以来だが、他にやった機会があるのか?)何しろ激烈かつ官能的で、ほとんど傍若無人といっていいくらいの天才的な音楽に、改めてショックを受けた。 心をワシヅカミにされて、引きずり回された感じだ。 今の耳で聞いてこれだけのショックがまだあるのだから、初演当時はどれだけ大センセーションだったか想像に難くない。 それをデュトワ&N響(それとエリザベス・コネル他の歌手)は全部聞かせてくれた。 デュトワが音楽監督になって(最初は常任指揮者と言ってたと思う。でも1〜2年で音楽監督になった。)7年。 N響は大きく変わった。 音色も技量も音楽も。 他の素敵な指揮者が来る時にも、その効能は彼らの個性をより引き立てているように思う。 私は大学に入学した年にN響の定期会員になったが、その翌年に初めてデュトワが客演した。 その時やったベルリオーズの「ファウストの劫罰」で、それまで立派な響きだけど重々しいN響の響きがすっきり透明に軽くなり、カラフルになったのだ。 その驚きが昨日のようだ。 それから10年ほどたって、それまで30年以上も空白だった音楽監督にデュトワがなる、というニュースを聴いた時はもうただただワクワクした。 私がデュトワってすごいな〜、と思うのは、 彼が就任当時、公約をしたのだが �.疋ぅ津�な音だけなく、もっとフレキシブルに、インターナショナルなどんな音楽にでも対応できるサウンドカラーが出せるようトレーニングしていきたい。 �∪こβ�1級の実力があるのにそれがいまひとつ出せないのは、そういう一流の場(?)にあまり立ってこなかったからだ。だからこれから毎年海外ツアーを敢行する。それもベルリン、ウィーン、ミュンヘン、パリ、ニューヨークなどの音楽大都市へ行く。 それによって自信と厳しさが身につく。 ��世界への名刺作りのためにメジャーレーベルからCDを出す。それには自分のコネクションを最大限利用する。 �に菁�1曲以上、現代の代表的な作曲家に新曲を委嘱する。 こんな感じだったと思う。(← いい加減) しかし考えてみると彼はこれを全部見事に実行したのだ。 どこぞの国の政治家はたくさん「公約」をするが、こんなに具体的なヴィジョンに沿ったものではなく、ましてや実行した例などほとんど見たことがない。 その点だけでもデュトワは立派だ。 もちろん音楽監督という具体的なトップにたつと、客演する時の「お客さま」気分とは違って大変なこともたくさんあったと思う。 でもこのように素晴らしい結果をだして、私たちはその音楽に感動する。 私はデュトワ時代のN響定期を聴きにいくのが、本当に楽しかった。 デュトワに最大級の感謝! Thank you very much !! ...
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