農薬餃子物語ぃ〜妄想編
「大変だよぉ、陳さん。今日の午後、役人が不法農薬の検査来るってよ。あんたんとこ、買ってたんじゃないの? ホルなんとかいうの?」
「ゲッ、マジかよ、張さん。ほいじゃ、ドブに流しちまうか」
「ダメだよぉ、陳さん。去年、隣の村でそれやったら、ドブまで検査されて、バレて、リャンさん、捕まったろ? あの後大変だったんだよ、リャンさん。。。。畑も取り上げられて。今じゃ、上海に夫婦して出稼ぎ行ってるよ」
「ドブがダメなら。。。。どうしたら???」
「畑に撒いちまえよ、陳さん」
「そうだな、張さん。撒いちまえばいいや」
ジャブ〜〜〜〜ジャブ〜〜〜〜〜〜ジャブ〜〜〜〜〜〜〜←農薬を大量に撒く音
「ぐげっ。撒きすぎたらすごい臭いだ。そうだ。キャベツ、先に収穫してしまえば臭いもしないし。完璧だぞ。おい、ツイィ〜、オマエも手伝え。さっさとこのキャベツを収穫しちゃうんだ」
「えっ? あんた、なんだい? キャベツ? 早くないかい? ブッ。。。。臭い。あんた、農薬撒きすぎだよぉ」
「いいからいいから、早くしろっ。収穫しちまえば分からないから」
ザクザクザクザク。。。。。ケースに入れてケースに入れて。
その日の午後。。。。
「ニーハオニーハオ。調査に来たよ、陳さん」
「あ。お役人のチュンさん。ご苦労様です」
「あ。この空き瓶はなんだ? これは禁止されてる農薬じゃないか!」
「いえいえ、陳さん、それは禁止される前に使っていたもので、今は使っていませんから大丈夫です」
「そうなのか?」
「そうですそうです。それよりチュンさん、ちょっといいものが手に入ったんですよ。。。。ゴニョゴニョ」
「シェ〜〜シェ陳さん。ホホホホホッ。じゃ。合格」
「ありがとうございました、チュンさん」
「また来るあるよ、陳さん」
入れ替わりに。。。。
「陳さん、キャベツ収穫できたって聞いたよ」
「あ、工場のライさん、そうだよ、もう収穫したよ。今回はたくさんあるよ。お願いするよ」
「陳さんとこキャベツは虫がぜんぜん付いてないでキレイでいいね。これなら洗わないでも大丈夫。水道代が助かるよぉ」
「それはヨカッタヨカッタ」
「農薬散布表はいつものように、こっちで適当につけておくからね」
「シェーシェ。コンピューターじゃワケわからないから、助かりますですわ」
めでたしめでたし。
一方その頃、長野のキャベツ農家では。。。。
「はぁ、またヨトウ虫が来ちょるわ。。。ちょっとは農薬撒かないとダメだなぁ。あんまり撒きたくないんだが」
「でもお父ちゃん、ヨトウ虫にやられたら全滅しちまうからね」
「そうだな。ちょっとは撒こう。昔はこのあたりは涼しくてヨトウ虫はあんまり出なかったけど、最近は温暖化で虫がでるなぁ。ヨトウ虫は巨大で真っ黒、潰せば臭いし、奥まで入り込んでとるのが大変だよ。都会の人は無農薬とか言うが、大した苦労だよ。そのくせこんなに一生懸命作ってもあんまり売れないし。これが中国あたりなら工場とかに一括納入して儲かるって聞いたよ」
「そうだよ。それを日本に輸出して日本人が食べるっていうんだから、おかしな話だね」
「ここで作ってるキャベツで、ここで餃子を作ってくれればいいのになぁ、おカアちゃん」
「うちらキャベツはおいしいのにね」
「また捨てることになるのか。。。半分も」
「ふぅ〜〜〜。たまらないね」
「うん。たまらない」
悲しみ悲しみ。
。。。あくまですべてわたすの妄想っすからねええええ。
でも長野は合ってるかも。悲しみ悲しみ。
PS:
REM新作についての記述はおもろかった。ハゲちんの歌声が「年取ってるが、年取ったパンクス風なのがいい」ってのは笑った。そう言われたらその通りで、そうだそうだと思った。その通りに年寄りの頑固なパンクス風、いつまでたってもわしゃ怒っておるのじゃ風。頑固ジイイ、ここにきわまる風。私は最初聴いたときにそれにすごく戸惑ったけど、段々それが普通になってきているんだ。発売されたらみなさん戸惑ってください(笑)。しかしそれが次第に味になります(爆)。あのジジイ、一筋縄じゃいかないですわ。