-A VAGRANT LIFE IN NEW YORK-
飯沼省



 予定が狂った

今、朝の8時っす。
徹夜24時間目になった。
パンフの作業は、だいたい7割が終わったくらいで
まだ先は長いと思われる。

昼12時です。
シャワー浴びて、気合を入れなおすものの
温まったお陰で余計に眠気が襲ってきた。
夕方までに仕上げて、絶対寝てやる!

・・・
・・・
・・・
夜11時です。
終わったー!
パンフレット完成です。
いやね、夕方に人と約束してるの忘れてたんですよ。
あと一時間くらいで完成だ!寝れる!と思ったところに
コンファームの電話「4時に行きます」って。
某誌のインタビュー受けてたの忘れてた〜。

時間通りにインタビュアーの方がきて
徹夜明けのボロボロの姿を撮っていきました・・・。
凹むわ〜、それ。
見たくない。
インタビュー自体は、ナチュラル・ハイの状態だったんで
饒舌に喋った記憶はあるんだけど、写真はやばいです。

それからショーゴが来て、ノブさんが来て
一緒に食事にいって、今やっと部屋に戻って
パンフの仕上げを終えたところ。
大いに予定が狂ったなぁ・・・。
夕方には寝てるはずだったのに。
久々にキッツイです、体が。
おやすみなさい。

2004年11月23日(火)



 ランド・アート

朝9時半に慎也さんに迎えに来てもらい
Queenの【Butler's】へ。
昨日、絵は撤去して地下の部屋に保管してもらってる。
が、
店員がおらん!
最近ルームメイトになったMちゃんがココで
働いてるので、電話して聞こうかと思ったけど
よく考えたら電話番号知らんし。
慎也さんと2人で店内を覗き込むが、人影はない。
おい、ここオープン10時のはずじゃ!?
遂に10時を廻って、堪らずオーナーに電話する慎也さん。
「誰かいるはずだけど・・・」と戸惑ってる様子。
オイラはドンドンと扉を叩くが反応なし。
人を早起きさせておいてそれはないだろ!

やや暫くして、地下からのそっと人影が。
「やぁ、ごめんごめん」
って、お前寝てただろ!とツッコミたくなる気を押さえ
さっさと地下の絵を運び出す。
時間ないぞー。
この後、Markham店にオイラの絵を設置して
それからRoncesvalles店に慎也さんの絵を入れなきゃならん。
オーナーとの約束で11時までにって言われてるのに。
たぶん、もう無理。

Markham店では、なぜか展示に手間取って
ここでも時間オーバー。
絵が曲がっててもしょーがねーや、というノリで
次のRoncesvallesへ。
店内にはお客さんがチラホラいる。
やっとこさ終わって、そこでランチを食べる。
そう、もう昼になってしまった。

食べながら色々とアートの話をする。
最近、ランド・アートに興味があるんだ。
公園や自然をそのまま作品にしてしまうもの。
夢に何度も出てくる空想の公園
【Park of Wisdom(知恵)】って名付けた公園があって
それをいつかこの手で現実化させたい。

そこは、正に夢のように
100%の透明度をもつ美しい湖があって
見たこともない奇妙にくねった木が生えてて
神秘的な色した花が実をつけてて
奥に、赤毛のアンに出てきそうな「オバケの森」がある。
毎回、夢でそこを訪れる度に
新しい場所を発見するんだけど、そこには番人もいて
そいつの目を盗んで行かなきゃいけないから
毎回ハラハラしてる。
夢ん中で(笑)

偉大な自然を、人間なんかがクリエイトするなんて
出来っこないのは分かってるし、
「俺は自然を創造できる!」なんて気違いなことも言わない。
でもさ、草木や山、湖などが自分の思うままに
デザインされた景色が見たい。
もう究極だろうな、そんなことが出来たら。
次は生命をデザインする!とか間違った方向へ行きそう。
行かないけど。
どちらにせよ、人間が手を出していい部分と
そうでない部分があるのは確か。
冒涜か否か!
倫理の問題です。

そんなんで、ムクムクとランド・アートへの興味が
頭をもたげてきて、一体どうやったら出来るんだろう?と
具体的に考えるようになった。
慎也さん曰く、そういうランド・アーティストはここにもいて
色んな所から補助金を出してもらって制作してるらしい。
そうだよな、絵と違って売ったりできないし
会期が終わったら撤去したりするんだろうし。
それなりの名声がないと、借金膨らませるだけで終わりそう。
ま、今すぐやりたいわけじゃないんで
ゆっくりと考えよう。
これでまた【将来やることリスト】が増えた。

夜、JazzExのパンフデザインの追い込み。
仕上がるまで寝ないつもりだが
はっきり言って、もう眠い(笑)
コーヒーを1ℓほど落としてみたが足りるだろうか?
作業に一旦入ると、延々とコーヒーを飲み続ける癖がある。
淹れるのはプロ並だが、金がないので
豆が安いやつしか使えない。
これ皮肉です。
そんな事はどうでもいい、早くやんなきゃ。

2004年11月22日(月)



 【Dolls】


北野武の【Dolls】を劇場で観た。
すいません、遅くて(笑)
総領事館主催のJapanese Film Festivalの一環として
【陰陽師】などと共に上映されたんです。
唯一、まだ観ていない北野作品だけあって
かなり楽しみにしていました。

「難解」
と評されているDollsですが、
観終わって、なるほどと思った。
映画としては面白くないし、赤点かも。
元取ろうと思って観にいくじゃない?映画なら。

でも、
映画監督が撮った「映画」としてみれば
赤点のこの映画だけど
オイラには、画家が試行錯誤のうえに
描き上げた絵画を観たような感覚に陥った。

至る所にスケッチの線や、塗り潰した下絵、
削り取った絵の具などの痕跡が認められる。
「圧倒的な映像美!」と絶賛されてるけど
たけしが本当に出したかった色、
構図、表現は半分もできてないんだろう。
きっと頭の中には、もっと壮大で極彩色な世界が
広がっているのだと思う。
それを二次元に置き換えるのが仕事だと
言うならば、たけしは映画監督ではなく
アーティストとしてこの作品に挑んだに違いない。
まだまだ稚拙な部分や、
大雑把な部分もあるけど
それは当たり前。
アーティスト北野武は生まれたばかりなんだから。

「アート」って言葉を使うと、鼻につくと思うので
あまり言いたくないし、決してそれがレベル高いとは
取って欲しくないんだけど
映画はすべての現実を映すわけじゃない。
そういう観点で観ると、絵画やアートとの関連性は
ものすごく多いんだよね。

絵を見ると、「これはこうやって描いたんだな」というのが
分かるんだけど、Dolls観ててオイラは
「あ、たけしはこうやって描いたのかな」と
映画をそういう観点で考察したのは初めてというか
通常の映画を楽しむ視点ではなくなっちゃったよね。
正直。
こういう感覚を与えてくれる映画って
そんなにない気がするな。
だから、改めて北野武という人が
どういうレベルにいる人なのかを
思い知らされた感じがする。

オイラも画家として、頭ん中の映像や空想を
二次元に落とし込む仕事をしているわけだから
それがいかに簡単な作業ではないかを知っている。
薄っぺらな空想には、説得力が生まれないから
圧倒的な世界観をつくるために
たくさん実験する、
失敗する、
それもまた作品のプロセスなんだよね。
Dollsを観てて、痛いほどこのプロセスの痕跡が見えて
アーティスト北野武の描いた絵を見せられた
ような心境になったんだよね。

ある意味、映画じゃないから
DVDとか買って、何度も家で観るものじゃない。
MOMAでピカソを観た衝撃を持ち帰って
何度も頭の中で反復させるように
この映画も記憶の中で楽しむべき作品として
オイラの中に残るだろう。


劇場を出ると、来れないはずだったR子がひょこっと現れた。
Dollsの空虚感を味わった後だけに
なんだかとても嬉しく感じた。
人間、単純です。
そういう小さな喜びがあるから
日々、生きていけるんだろう。
Rafiと3人で【Butler's】で夕食。
あ!明日の朝ここに戻って、絵の展示しなきゃいけない・・・
今朝Queenの【Butler's】で撤去した絵を
明日ここに展示するのだ。
急に現実に引き戻された感じ。



2004年11月21日(日)



 未知の分野


午後、突然の停電!
ふと去年の大停電が脳裏をよぎる。
が、何のことはない
約1時間ほどで復旧。

Rafiからランチのお誘い。
ケンジントンで最近ハマっている、エンパナーダを食べる。
仕上がったばかりの【NO KIMONO】バッジをもらった。
「デザイン、変だね?」と突っこむと
「遠くから見ると漢字に見えるだろ?」と
意味不明のコンセプトを力説された。
う〜む。

今日は、オイラもRafiに相談がある。
本の印税についてだ。
ある作家から短編集の表紙に
オイラの絵を使いたいとのオファーがあった。
その場合、一括払いによるOne time rightsか
発行部数によって印税式に支払われるRoyality
の二通りの契約がある。
値段の相場というものが全く分からないので
Rafiの友達、Chrisに相談に乗ってもらったわけだ。

結果、安すぎず、高すぎずといった
まぁ平凡な額におさまったが、
これって賭けと一緒だからねぇ。
その本がベストセラーになるかどうかなんて分かんないし。

最近、同じような感じで
もう一つ値段の相場が分からないオファーをもらっている。
ファッション業界での仕事なのだが
オファーがあること自体
それだけ活動の幅が広がってるということでもあるし
未知の分野は刺激があるので
積極的に関わっていきたいと思っている。

夜、ケン吉岡さんのライブに行く予定をキャンセルし
懸案であるJazzExパンフレットのデザインに再び着手。
苦しみつつも、自分らしいデザインに近づいてきたかも。
自分が自分であるために
オリジナリティの追求から逃げられそうもない。

あと数時間で夜が明ける。
9時には【Butler's Pantry】に
絵の引き取りに行かねばならない。
作業が乗ってきたところなので
一歩も離れたくないのに・・・。

2004年11月20日(土)



 デザイン思案中


日中は、スタジオに篭って
自分のカレンダーの制作と
JazzExのパンフレットデザイン。

デザインはポスターとほぼ同コンセプトにある
ものに仕上げるつもりなのだが
やばい、決まらない。
5つくらい、最終案があるんだけど
どれもカラーコンビネーションが違うので
ここが決まらないと、その先の作業が手に着かない。

う〜ん、う〜んと唸ってる間に、もう夕方。
ショーゴと共に、またポスター貼りへ出掛ける。
今日はQueen WestのWestの方。
Akiさんの【Cosmos】に寄って、お願いしたら
快く貼ってくれ、かつ今夜のクラブのチケットをもらう。
NYの某有名ダンスユニットの公演、
Akiさんが回すらしい。すごい。
それからギャラリー地区を
ドレイクホテルまで制覇する。

帰って、またデザイン作業に戻る。
とにかく今夜中に、1つに絞らないとアウトだ。
5つの案を、それぞれ完成レベルに仕上げてから
見比べてみる。
やはり迷うが、3つに絞ることができた。
それからまた絞って、やっと1つに決定!
おぉ、朝7時です・・・。
思考能力の弱まった、今決めてしまうのはヤバイかも。
寝て、起きてから決めよう・・・。


2004年11月19日(金)



 ポスターの意図


JazzExのポスターが完成。
今日、クーリエが届けてくれました。
プルーフの時点で、多少彩度を上げてもらった他は
特に問題なく、とってもBeautifulに仕上がった。
JazzExのサイト→Promotionページで見れます 
Check it!
jazzexchange.net

夕方から、早速ショーゴとQueen Westを中心に
ポスター貼りに出掛ける。


ハリウッド映画や著名ミュージシャンのコンサート
ミュージカル公演に匹敵するサイズの
このポスターを作るにあたって
幾つかの狙いがあったのは確か。
通常、この規模のコンサートであれば
ポストカードやチラシで済ませるのが通例。
まぁ、バジェットが無いので当たり前なのだが
事実、店先には何十というイベントのハガキで
埋め尽くされ、多少変わったデザインのハガキを
置いたとしても、埋もれてしまうのは目に見えていた。
そんなハガキ広告にとっては激戦区の店先も
こと、ポスターとなれば競争率ゼロ。
スペースがあって、デザインが良ければ
必ず貼ってくれるだろうという計算があった。
要は、皆がやることの真逆をやるということ。

もし、ハガキだったら
「あ、そこ置いていいよ」の一言で終わるけど
この特大で、ゴージャスなポスターを見れば
店側も「おっ、これ大きいコンサートなの?」とか
どんなイベントなの?という質問を返してくる。
店員は、最も効果的な宣伝マンとなる。
しかも、タダで(笑)

デザインに関しては
通常のJazzコンサートのような
ミュージシャンの写真を当て込んだものじゃなく
あえて、あのジャパニメーション・タッチのデザインに挑戦。
若い奴らなら、言葉で説明しなくとも
「これ、ジャパニーズだね」と一発で判別するだろう。
こういうタッチが嫌いな大人でも
【Jazz】と【日本】というキーワードは瞬時に認識できるはず。
さらにロゴや告知部分を小さく隅に配することで
注意力を集中させる意図もある。

実際に今日、貼りにいってみて
これらの狙いがことごとく当たってることを実感した。
特に、洋服店などの反応はすこぶる良く、
本来だったらポスターを貼ってくれない店でも
スペースを空けてくれる所が多かった。

夜、ショーゴ共通の音楽趣味をもつ
Iくんの家で音楽遊び。
宅録システムが揃っているので
リズムトラックの上に音を重ねたりして遊ぶ。
夕食は、取材で知り合った焼肉店にて
サンギューサルという豚焼肉をタダでご馳走になる。
途中で合流したR子は、二度目の夕食(笑)
食後にオーナーからカクテルのサービス。
これが得体の知れない飲み物で
超甘くて気持ち悪かった。
その後、解散→オアシスへ。


2004年11月18日(木)



 他人事

午前中、盲腸手術から退院したばかりのRafiと会う。
12月4日のファッション・ショーの打ち合わせと
モデルの選定が主な作業。
あと5〜6人くらい、モデルを調達しなければならず
頭が痛い。
【美女缶】初めてから皆、オイラがよほど多くの女性と
コンタクトがあると思ってないかい?
ふざけちゃいけない。
そこいらのワーホリくん達より
よほどストイックな日々を送ってるのを証明したいくらいだ。

最近、よその掲示板である事ない事書かれてるらしく
この間それを見せてもらって笑ってしまった。
いや、全然怒ってないですよ。
むしろ他人事に思えて、自分の事言われてる気がしないもん。
もっとやれ!やれ!と思うくらい。
ま、アウトサイダーだからね。オイラは。

アートって、そんなに狭いものじゃないから
これやったら「アーティストじゃない」とか
そんな枠すら超えたところに行きたいからね。

2004年11月17日(水)



 クミの誕生日に筋トレ


元居候から脱却して、早2ヶ月。
クミの2●回目の誕生日だということで
Bitsの連中を交えて、総勢13名で焼肉へ。
オイラはいわゆる幹事ってやつです。
クミは当初、焼肉を嫌がり
「イタリアンとかで、大人っぽく…」
などと、ふざけた事を言っていたが、容赦なく却下。
しかし、喜んで焼肉を食いまくってた本人を見て
「これで良かったじゃん」と胸を撫で下ろすわたくし。
皆、限界まで食ったあとで
ウチへ移動→バースデーケーキ登場。
この狭い部屋に十数人が入り、立錐の余地なし。
そこからまた、ダラダラと飲みつづけ
深夜に解散。
ショーゴだけ残って、後片付けを手伝ってくれた。
あぁ、もう眠い。

【蚤の市】で買ったK-1のビデオを観て寝ようと思ったが
山本KID vs 村浜のファイトに触発されて
なぜか筋トレを始める(笑)
懸垂100回で、腕が痺れる・・・。
全盛期はノンストップで出来たものだが
今は、25回ずつで休憩してるし。
山本も村浜も身長163cmで、オイラと全く一緒。
ちなみに辰吉も同じです。
魔裟斗だって、そんなに大きくないし。
小さい奴が、ごっつ強いのって魅力じゃないすか?
オイラが有名になったら
【163cm会】を作るのが夢(笑)

2004年11月16日(火)



 娘の嫁入り













Markhamにあるジュエリーショップ【Draganov】に
久々に顔を出す。
休業日なのだが、わざわざオイラのために店を開けてくれた。
それには特別な理由がある。
オーナーのGeorgeとTracyが一目ぼれしたという
3月の個展で公開して以降、
全く外には出さなかった作品を納入する日なのだ。
ずーっと「引き取りたい」と言われたまま
今日まできてしまったが、遂に嫁入りの日を
迎えたということだ。

手厚く梱包されたパッケージを
もどかしいとばかりに開けて
二人は作品と再会した。
店内の壁のなかでも一等地が宛がわれ
早速掲げられた彼女。
まるで昔からそこにあったかのような存在感。
それを見て「あぁ、良かったね」と
満足感に満たされる。
オイラの作品、娘たちは本当に幸せだ。
真剣に「あなたが欲しい」と言ってくれる人のところだけに
嫁いでいけるんだからさ。
今まで旅立って行った娘たちは
いずれも、幸せに過ごしているし
大切に扱われている。
これは、親にとっては最高の幸せではないだろうか?

2004年11月15日(月)



 【蚤の市】

毎年恒例、秋の【蚤の市】
年に一度くらいは日系社会に恩返しをしたいので
ここ数年は毎年参加している。
実際にどんな人が自分を応援してくれているのかを
知る意味でも、また自分が日系社会の一員だと
自覚する意味でも大事な催しだ。

今年は、盟友の慎也さんも初参加。
二人隣り合わせでブースを設置する。
また、Bitsも参加してるし
ショーゴのJazzExもブースを出して
チケットとオイラがデザインしたTシャツを販売するので
周りは皆、友達ばかり。
こんなのは初めてのことだ。















去年よりも人出が少なかったけど
毎年見にきてくれる方々や
まるでオイラの事を知らない人々までもが
じっくりと作品を観ていってくれた。
あと、苦労して作ったカレンダーの評判も良くて
かなりの予約注文を受けました。
オンラインでは、もう少し準備に時間が掛かるけど
ネットで注文できるようになります。
小売店では、今年は4〜5箇所で置いてもらえそうです。
もう暫くお待ちを。



2004年11月14日(日)
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