ひとりびっち・R...びーち

 

 

黄色いドア - 2001年03月18日(日)

 土曜日は、久々のお出かけだった。

 電車に乗るのは2月28日以来。
 人に会うのは、たぶん去年の暮れ、前述のブラザーズに会って以来のことだと思う。

 谷中にある猫町ギャラリーで、楽しい午後のひとときを過ごさせていただいた。

 やっと「現実」の日記が書けると思って喜んでいたのだが、これが難しい。
 半年も世間との交流がない廃人セイカツをしているせいか、はたまたやっかいな記憶障害のせいか、どうにもまとまらないのだ。

 チップくんの背丈が、蕎麦屋の暖簾ギリギリだったこととか、マナちゃんのスニーカーの底がかわいかったこととか、雷娘さんのマスカラがきらきらして、とても綺麗だったこととかが、フラッシュバック状態。

 どうやら、起こった出来事に対して、私の脳ミソは完全にメモリー不足、ファイルの断片化が進んだみたいだ。ノートン先生が必要かもしれない。 
 
 で、今朝方見た夢では、左ハンドルの黄色いVOLVOを運転していた。
 そう言えば、ノートンユーティリティなどのソフトを作っているシマンテック社のパッケージはみんな黄色だ。

 夜道での地味なカーチェイスだったのだが、窮地を脱したところで、なんか変な感じがして車を止めると、右のフロントドアがなかった。

 助手席には、小学校低学年サイズの娘が、平然とした顔で座っている。
 ドアがもげたことに気がつかなかったのだろうか?
 でも、娘はそういうヤツだ。
 ちなみに、某サイトで鑑定した彼女のサバイバル度は100%である。
 
 車を降りて確認すると、遥か後方に、水銀灯の光に照らされて、黄色いドアがぽつんと落ちている。
 しーんと静まり返った路上、夜風がプラタナスの落ち葉をカサコソと転がしている(季節は秋なのか?)。
 なんてこった、VOLVOの修理は高くつくんだ、と、深いため息をついたところで目が覚めたのだった。
 
 そんな日曜の昼、もげてしまった黄色いドアみたいに、遥か後方に意識を落っことしたまま、囲碁講座を見ても、身につくわけないよなぁ・・・。


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Bros. - 2001年03月17日(土)

 眠ること以外に出来ることがないので、本日も夢日記。

 やはり、精神的にかなり参っていたらしい。
 ついに「さっくり」レスキューで、Bros.(ブラザーズ)が、夢の中にご降臨である。

 Bros. は、実在するスペシャルな友人たち、実のご兄弟だ。
 どれぐらいスペシャルかというと、幻の野性保護動物クラス。
 私の場合で言えば、もし彼らと知り合ってなかったら、すでに3回は死んでいるだろうと思う。
 命の恩人の Bros. なのだ。
 万が一、彼らが不幸せになるような事態が起きるぐらいなら、この地球は滅亡した方がいい。
 
 で、夢の中身だが、ディティールはだいぶ薄れてしまったけれど、彼らと、彼らの友人たち数人と、食事をする場面だった。

 当然、私が調理人なのだが、その料理が前代未聞のシロモノ。

 天井の低い、小さ目の体育館みたいな部屋。
 書初めに使う半紙ぐらいの大きさの鉄板が、床に直接嵌め込まれていて、5〜6枚並んで熱せられている。ビルトインホットプレート付きフローリング、ていう感じだ。

 その鉄板を使って、薄いお好み焼きのようなものを焼くのだが、鉄板の大きさぴったりに、四角く焼くのが正しい焼き方。
 片側に焦げ目がついたところで、短い方の辺同士をきちんと合わせて二つ折りにして仕上げるのだ。

 どうやら、夢の中では、私の自慢のレシピらしい。

 じゅうじゅうと焼ける謎のごちそうの間で、彼らは三々五々TVゲームをしていたり、バカ笑いをしたりして、焼きあがった順にばくばく食べながら、また遊ぶ。
 そんなダラダラした宴会が、夜を徹して繰り広げられたのだった。

 ちょっと不思議で、しあわせな気持ちだった。

 夢の中でも助けてもらちゃったなぁ。
 感謝してます、Bros.
 


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ハサミ - 2001年03月15日(木)

 散髪してきた。

 先週は出かける用意までしたのに、玄関までたどりつけずに挫折したけれど、今日はちょっと頑張ってみた。

 土曜日にお出かけできたらいいな、という思いが背中を押してくれたような気がする。
 
 そういえば、伸ばしていた髪を、去年の夏に切ったときの友人のコメントが凄かった。

「貞子からお菊人形になったみたいっスね」

 う〜みゅ、どっちもバケモノじゃないか・・。

 ま、それはさておき、今日の話。

 まだ「さっくり」を引きずっているせいか、今日はハサミに異常な反応をしてしまった。

 早い話がおかっぱ頭なので、襟足と前髪を揃えてもらうわけだけど、ハサミが動くたびに、全身に震えがきちゃったのだった。

 しょり〜ん

 ぶるぶるっ

 しゃき〜ん

 ふるふるっ

 これじゃ、切る方も困るだろうな、と思って、震えないようにしようと思うんだけど、緊張するせいか、全然止まらない。

 美容師さんの奮闘もむなしく、前髪はかなりギザギザです。
 


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林檎 - 2001年03月14日(水)

 昨日の日記について、掲示板にいただいたひとことから、刺した時の「さっくり」はどんな感じだったんだろう、と思い出してみた。

 最初に思い浮かんだのが、林檎の「さっくり」だった。
 でも、もう少し乾いた感じだったような気もした。
 昔、美術の仕事で、発泡スチロールを削っておおまかな形を作ったときのことを思い出して、あの感触にも似ていると思った。

 それから、なんとなく、同じ刺すなら、発泡スチロールじゃなくて、林檎の方がいいな、と思ったのだった。
 
 もし、覚悟を決めて刺したのが、発泡スチロールだったら、ちょっとやりきれないかもしれない。

 林檎の「さっくり」の中には芯があって、種子がある。

 芯まで貫く一撃を、って思うのが殺意なんじゃないのかな。よくわかんないけど。
 
 でも、できれば、ナイフじゃないものが届いた方がいいよね。

 写真とか、絵とか、歌とか、あったかいごはんとか、言葉とか、笑顔とか・・・

 芯まで届いて、種子に触れられる、暴力以外のものが、きっとあるはずなんだけどな。

 いつか、本当に人を刺したくなったら、林檎の「さっくり」を思い出そうっと。


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Nightmare before spring - 2001年03月13日(火)

 ついにやってしまった。
 ナイフでぐさり。
 二人も刺しちゃった。

 ・・・という夢だった。


 マイアミに修学旅行中に(外の景色はマイアミなのに、超高層ホテルの部屋は畳敷きで、100円入れるTVがある)ハリケーンが来て、大津波が押し寄せる。

 とか、

 ブレードランナー風の近未来都市を彷徨中に、高性能なんとか爆弾が背後で炸裂、爆風に飛ばされている。

 とか、とか、

 荒唐無稽な夢はよく見るけれど、殺人(未遂かも?)は初めてだ。

 実際に人を刺したことがないせいか(あたりまえだが)、こう、なんというか、手応えがない感じがもどかしい。
 夢の中では明確な殺意があって、かなり覚悟して刺しているのに、妙にさっくりした感触で、これじゃ致命傷にならない、と焦っている。

 実はナイフを買った店も特定できる。
 京都で講座を聞きに行っていた六角会館の隣りにある老舗の刃物屋さんだ。
 もちろん、実際に買ったわけじゃなくて、夢の中の出来事。

 なんだかなぁ。

 こないだは、空を飛ぶ夢で、今までの高度記録(電信柱のちょっと上だった)を一気に塗り替え、成層圏に浮かんで、雲海を見下ろしていたし、病人たるもの、おとなしく眠るのが仕事とはいえ、なかなかツライ日々である。

 上田三四二の歌集の中にこんな歌があった。
 
  睡りとはからだを神にかへすことこころは夢ににごりてあれど

  界こゆるおもひいくたび彼岸此岸のけじめ淡つけきところ梅咲く

 式子内親王はこんな短歌を詠んでいる。

  見しことも見ぬ行末もかりそめの枕に浮ぶまぼろしの中

 
 ・・・・・・

 いかん。この状態は、月のない夜の山道より暗いぞ。

 楽しくお風呂に入れるように、と、娘が買ってきてくれた、ぜんまい仕掛けのピンクのクマのおもちゃ“お風呂で食った食った”と一緒に、お風呂にでも入ってこようっと。

 だいたい、バナナの皮が自分でむけなかったり、缶コーヒーのプルトップを開けられなかったり、割り箸が割れないような体力じゃ、虫一匹殺せない。
 鍛えなきゃ。(なんか違う)



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右肩 - 2001年03月09日(金)

 まっすぐに立ったつもりで自分の姿を見ると、かなり右肩が下がっている。
 以前から気付いてはいたけれど、相当歪んでいるなぁ。

 なぜ急に右肩か、というと・・・

 本日、突然、痛かったからだ。
 それも、息がつまるぐらいの鋭い痛み。
 それはほんの一瞬で、後には少し重い感覚が残る。

 たぶん、普通に暮していて何でもなければ、身体の部分なんて意識することはないだろう。
 目にしろ、歯にしろ、痛んでいる時だけ、「ああ、歯が」「うう、目が」と思うのだ。

 ちなみに、私は肩が凝らない。
 徹夜で針仕事をしようが、ディスプレイを凝視して入力作業をしようが、肩コリにはなったことがない。
 だから、突然、肩が痛んだりすると、びっくりしてしまうのだった。
 
 以前に1度だけ、こういう風に痛くなったことがある。
 そのときは、ちょっと特殊な状況下だったのだが、今日は特に変わったこともない。

 いったい何? 何かあったの?
 
 今、写真を撮られるのだけは避けたい気分。
 いや、いっそアンビリーバボーに出演する方向で、前向きに検討するべきか?

 っていうか、あんた、誰?
 
 ・・・・・・・

 なーんて、もし、見えちゃったら怖いだろうな。
 あー、霊感なくてよかった。


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セバスチャン - 2001年03月06日(火)

 我が家でセバスチャンといへば、執事のセバスチャンである。

 『日の名残り』のアンソニー・ホプキンスも素敵だが、ウチのセバスチャンは、どちらかといえば、白子のりのお茶漬けが好きな伊東四朗に似ているので、温かみのある容貌をしている。

 「トチになさいますか? アカシアもお持ちしておりますが」
 「そうね、今日は、くせのない方がいいわね」

 ヨーグルトに添える蜂蜜を選ぶのはセバスチャンの仕事だ。
 家全体の執務を司るセバスチャンが、直接細かい家事に関わることは稀なのだが、これだけは、料理人にも小間使いにも任せることなく、温室の隅の小さなテーブルまで運んできてくれるのだ。
 その日の天気、私の体調に合わせて、蜂蜜の種類も量も、決して間違ったことはない。
 あらかじめ完璧な解答を持っているのに、必ず私が選んだように事を運ぶのがセバスチャンのセバスチャンたる美しいルールなのである。

 飾りのない銀の匙で、淡い金色のトチ蜜を螺旋に落としながら、セバスチャンは私が作業をしていた小さな植木鉢に目をとめた。
 
 「ネコヤナギの“ぽん太”でございますね」
 「そうなの、枕元の一輪挿しの中で、いつのまにか根が伸びていたから、挿し木にしてみたのよ」
 「それはようございました」

 こんなふうにセバスチャンが話しかけるのは、硝子の屋根を通して、青い空の中ほどに半月が見えるからだろう。
 その白く浮かぶ月を見ると、私が悲しむことを知っているから、空を見上げないように、私の目を地上にとどめておくように、さりげなく教えてくれているのだ。

 ・・・・・・・・・・

 もちろん、ビンボーな母子家庭に執事なんぞ存在するワケはない。
 執事のいるセイカツを夢想しようにも、考えつく贅沢の限界がヨーグルトと蜂蜜だったりするのが悲しい。

 毎年この時期なのだ。
 確定申告の用紙の前に座ると遠い目になってしまう。

 もしセバスチャンがいたら、確定申告なんか朝飯前なのになぁ。

 


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