ありふれた日常

2001年04月10日(火) ユメオイムシ

ユメオイムシは夢を追う
高い高い 山越えて
深い深い 谷越えて
広い広い 海越えて
その内 空も飛ぶだろう
その内 宇宙へも行くだろう

長い長い 旅路の途中
誰かに肩を叩かれたなら
彼はにっこり答えるだろう
「何処までだって行けるんだ」

ある日彼は家路に着いた
少しは身体も休めなくっちゃ
訪ねて行った僕に言う
「毎日楽しくて仕方が無いよ」

いろんな話をたくさん聞いて
「羨ましいな」と僕が言う
彼はちょっぴり驚いて
「君もユメオイムシだろう」と微笑んだ
僕も微笑み返したけれど それは笑顔と呼べただろか

その日僕は家路に着いて
そっと鏡を覗いて見たんだ
映っていたのは泣きそうな 笑顔を浮かべる

老いたムシ



2001年04月09日(月) 複雑に交差して吐き出せないひと欠片

深く沈みきって 水面に顔を出す術すら忘れて
僕にはもう 溺れ死ぬ事しか残されていなかった

曖昧な記憶に埋もれて それでもまだ蘇る
泣きたい位の空の青と そっとふれた髪の感触

あまりに流れた時間によって風化された
その記憶の片隅に
ほんの少しでも僕の欠片は残っていますか?





この薬指には永遠に消えない傷





その薬指には永遠に消えない絆



2001年04月08日(日) 押し寄せる記憶に不可欠な声

電話の向こうで、とても懐かしい声があたしの名前を呼ぶ。
そして、その声に呼び起こされた記憶が堰を切ったように
押し寄せる。

とても暑かった夏の終わり。
淀んだ川の臭い。
瓦葺きの屋根。
彼と二人で歩いたコンビニまでの道のり。
小さな居酒屋で飲んだビール。
そして、あなたの声。

もう何年もあの場所へ足を運んでいないにも関わらず
「覚えているに決まってるじゃない」と、
あの時と幾分変わらぬ、少し嗄れた、温かな声をあなたはくれた。

あたしにとって、あまりに大切な記憶。大切な場所。
ここには、もちろんあなたが在るのです。
あなたがあたしの事をいつまでも覚えていてくれるように、
あたしもあなたの母親のような温かさを、絶対に忘れません。

今年中に、元気な顔を見に行けたら、思いっきり抱きしめてくれますか?


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