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2009年11月12日(木)
  風の向くまま京都奈良(1) <画像あり>

 朝8時の飛行機に乗って、神戸空港に降り立ち、JRに乗って大阪は茨木へやって参りました。久方ぶりの関西でございます。
 今回の拠点・茨木でレンタカーを借りてコンビニおにぎりを昼食に時間を惜しんで向かった先は・・・

 平城遷都1299年・奈良です! はじめましてせんとくん! ・・・何か・・・ちょっと縦に潰れてる気もするけど・・・。

 せんとくんの胸にかけられたプレートには「ようこそ!西ノ京へ! ぼく、せんとくんです! 一緒に写真を撮ってもいいよ!」と書いてあります。はい、ここは奈良・西ノ京。

 目的地は・・・

 唐招提寺!

 1998年から修理に向けた調査、そして2000年から修理に入っていた唐招提寺金堂。その金堂平成大修理がこのたび目出度く終了し、先日11月1日から3日間落慶法要が執り行われ、4日より一般参詣者の金堂拝観が可能となったのです! わーい、ずっと(それこそ約10年)待ってたんだー。

 唐招提寺のすぐ南には、薬師寺があります。薬師寺には行ったことあるんですよ。でもその時は唐招提寺はタイムアウトで行けなかったんですよね、確か(そしたらすぐに修理になっちゃった)。
 でも今度は凍れる音楽・薬師寺東塔が解体修理に入りまして。まあまだ足場が組まれてるだけなんですけど、東塔が修理じゃなぁ、行かなくてもいいかなぁ、とも思ったんですが、まあ歩いて行ける距離なんで、唐招提寺の駐車場に車止めたまま薬師寺へ。

 金堂の薬師三尊とか大講堂の弥勒三尊とか素晴らしいですよ。白鳳仏好きには奈良はたまらんのですよ。でもやっぱりコレ↓はねぇ。

 修学旅行生もいっぱいだったんですが、修学旅行でコレはないよなー。凍れる音楽が何てお姿。
 でも間近で水煙とか見れちゃう作業員の皆様はちょっと羨ましかった。

 さて、これからどうしましょう。実はこの日は「唐招提寺が見たい」ということ以外、何の予定も立てていなかったのです。唐招提寺にどれくらい時間かかるかもよく判んなかったし。
 でも折角車があるし、行くんなら電車(やバス)じゃ行きにくい所よねー。

 ということでまずは大安寺へ。旧大官大寺ですね。10月・11月は秘仏・十一面観音立像の特別公開をしています。「どうぞ」と言われるまま、内陣に入ってすぐ間近で拝観(しかも2周した)。
 天平時代の作で重文なんだけど、やっぱ奈良時代の仏像はいいよねー。

 続いて奈良で行きにくい所にあって、素晴らしい仏像がある所・・・次は円成寺!

 柳生街道沿いにある円成寺には、私の好きな仏像ベスト5に入る、いや、ベスト3に入るかもしれないくらい素敵な仏様がいらっしゃるのですよ。
 その仏様は新しい多宝塔に鎮座されているのですが、まずは本堂の阿弥陀如来と四天王を拝観。それから満を持して多宝塔へ。

 憬れの君、いえ仏様は、多宝塔の中、ガラス越しにいらっしゃいました。

 撮影禁止の表示は何処にもなかったので(しかも薄暗くなってきてたのでややブレ気味ですが)・・・国宝・大日如来坐像です。こちらは奈良時代ではなく、平安末期、かの有名な仏師・運慶の最初期(20代)の作。

 美しい・・・。

 奈良時代の仏様の美しさは、生々しさだったり異国っぽさだったりするワケですが、この大日如来様は運慶最初期の作ながら様式美を感じます。

 ・・・20代でこんな仕事を残せるのかぁ・・・。

 この時代の寿命を考えれば、人生も半ばの仕事だったかもしれませんが、じゃあ今、私が40くらいで何が出来るかって、ロクなこと出来ないでしょう。才能のある人ってのは凡人とは違うんです。


 さて最後に本日の紅葉を1枚。唐招提寺の奥にて撮影。

 紅葉はまだ盛りには早いですが、木によっては綺麗に色付いていたり、緑から赤へのグラデーションとかコントラストが綺麗だったりもする感じです。

 明日も奈良の予定。尚、拠点が茨木なのは京都に宿が取れなかったからです。


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・過去の「今日」。

2006年11月12日(日) 陸自駐屯地開放 <画像あり>
2005年11月12日(土) 悩める携帯電話
2002年11月12日(火) セブン・イレブン・コンビニエンス

2009年11月13日(金)
  風の向くまま京都奈良(2) <画像あり>

 雨が降りそな降らなそな。そんな日は極力屋内を見学するコースに臨みたいところ。

 そんなワケでやって来たのは、本日も奈良です。但し今日は電車で。JRで京都まで出て、近鉄に乗り換えて近鉄奈良駅前でカウントダウンせんとくん。平城遷都1300年まであと49日。てことは昨日は50日だったんですね! 何か惜しい!

 昨日の目的は平成大修理を終えた唐招提寺金堂の拝観。本日の目的は・・・

 「国宝阿修羅展」帰山記念 興福寺国宝特別公開2009
 お堂でみる阿修羅
 です。

 いやまあ正直に言うと阿修羅はそこまで見たいとは思わないんですが(東博の阿修羅展もあまりの混雑っぷりに行かなかったし)。

 特別公開の趣旨としては、各地を行脚してお帰りになった阿修羅像他を、普段安置されている国宝館ではなくお堂(仮金堂)で拝観して頂こう、ということかと。でも私が見たいのはそっちより寧ろこっち↓

 国宝・北円堂。普段は非公開の、現存する興福寺伽藍の中では最も古い堂宇です。見たかったんだ、見たかったんだココ!
 だってもうその創建由緒からして「藤原不比等の菩提を弔うために元明太上天皇と元正天皇が発願して長屋王に建立を命じた」とかどんだけ日本古代史のスターが登場してんですか!
 まあ現在の北円堂は平安時代に火災で焼失した上に平重衡の南都焼討にも遭って、鎌倉時代に再建されたものですが、それでも興福寺堂宇で一番古いんですよ! 二度の興福寺大火でも焼けなかった!

 そして仏像的にも、こちらにいらっしゃる無著・世親菩薩立像のが好きだったり。いや、仮金堂でも阿修羅以外の八部衆や十大弟子は興味津々ですけどね。阿修羅はあちこちで採り上げられすぎて、食傷気味なんですよ。

 そんな大人気阿修羅さん。かなり混んでいるという話は聞いていたので、あんまりにも酷かったら北円堂だけ拝観しようと思ってたんですが、行ってみると仮金堂は90分待ち。これはかなり短いそうです(長いと3時間とか5時間とかだって)。

 ・・・それなら待つかぁ・・・(阿修羅だけがいるワケじゃないし)。

 そういうワケで仮金堂に90分並び、中を拝観して(阿修羅以外は割とのんびり見れました)、仮金堂と北円堂の間に設置されたテントで両方の御朱印を頂き(北円堂の御朱印は春・秋の特別公開時のみ期間限定)、北円堂へ。私が仮金堂に並びだした時は「北円堂10分」の表示だったんですが、この時点では待ち時間ゼロになってました。ラッキー♪

 南円堂にもお参りして、そのまま猿沢池側へ抜け、東向商店街を通って駅へ戻りました。
 そしてその道中にもせんとくん。勿論、土産物屋には色んなせんとくん(とまんとくん)が!
 実は、せんとくんポストカードあったらみんなに葉書出しまくったろ、とか思ってたんですが、何故かポストカードはありませんでした(´・ω・`)

 せんとくん、マスコットキャラとしては大成功だと思うよ。ゆるキャラではないと思うけど、そんなのどうでもいいじゃん。

 さて、まだ時間はあるといえばあるんですが、何せ興福寺でどれだけ時間を取られるか判らなかったので、興福寺以外の予定を考えてません。
 どうしようか考えつつ近鉄電車に乗った結果、

 何故か大阪へ。
 心斎橋とか梅田とかフラフラして、お宿に戻りました。


 さて最後に本日の紅葉。興福寺と猿沢池の間にて撮影。

 やはり平地は盛りにはまだ早いですな。


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・過去の「今日」。

2006年11月13日(月) フライングバースデイ <画像あり>

2009年11月14日(土)
  風の向くまま京都奈良(3) <画像あり>

 午前中は雨かもよ予報の中、遅めの出発。でも綺麗に晴れてました。流石自分本位晴れ女。我ながら天晴れだね。

 駅までの道中、通りがかった茨木神社に寄りました。

 茨木神社。奥宮が式内天石門別神社という由緒ある神社です。でも地域の神社ですから、11月14日土曜という日じゃ避けられるはずもない七五三。境内には浮かれた子連れが湧いてます。参拝して御朱印頂いて早々に退散。でも御朱印授けて下さった宮司さんと思しき年配の御神職は感じの良い方でした。
 あと雅楽を教えて頂けるようですね。いいなぁ、こういう神社。雅楽は乗馬と並んで近所で教えて頂けるならやってみたい習い事のひとつです。でも多分、吹奏楽器は苦手(w

 さて天気に恵まれた中、阪急電車に揺られて向かった先は・・・

 嵐山です。

 11月土曜の嵐山、そりゃあもうすごい人ですよ。多分今日晴れたのの6割くらいは私の御蔭だから、京都観光の同志と七五三の猿一家どもは私に感謝するといいと思うよ!(私の自分本位晴れ女伝説は過去ログの各所を参照)

 でも紅葉はまだ早いなぁ。桂川沿いの山々もまだ緑が目立ちます。今年は紅葉が早いとか聞きましたが、11月14日じゃ流石にまだ早すぎたかしら。来週の連休はいい感じなんじゃないかなぁ。

 取り敢えずお昼の頃合いだし、お昼じゃなくとも嵐山に来たなら是非是非食したいものがあります。

 京嵐山本家櫻もち琴きき茶屋の桜餅です( ´艸`)♡

 渡月橋の袂という立地にも関わらず、全く待たずに入れました(しかも窓際席)。ここで桜餅とお昼のきつねうどん。きつねは刻みじゃなく甘煮です。東京人として当然です。でも関西では基本的にそばは頼むなうどんを頼めということは、東京人として学びました。関西の出汁に蕎麦は合わない(そして蕎麦も美味くない)。

 そそくさとうどんを食し、桜餅を堪能し、さてそれでは何処に向かおうか。
 桂川沿いを少々下り、辿り着いたのは車折神社。

 境内社に芸能神社があり、芸能関係者の参拝も多いとか何とか。丁度10日後、東京から日舞の名取・美緒菊さんが遊びにやってくるので、芸能守を京都土産に拝受。

 で、これから嵐山に戻るか、それとも別の所を目指すか。
 ・・・嵐山のあの人手と紅葉具合。大覚寺(大好き)とか惹かれる所は多々あるけれど、でももっと紅葉してる所もあるんじゃないか?

 よし! 嵐電で四条の街中へ戻り、高雄を目指そう!

 ・・・と思ったんですが、ありがちなことに四条でバスに乗り損ねました。バス停への道すがら、走り去っていく「高雄」と表示された文字。嗚呼、神護寺は夜間拝観してるけど、夜間拝観までにはちょっと時間も空くから、次のバスじゃ通常拝観はもうタイムアウトだよ・・・orz

 時間はもうすぐ3時。あまり移動すると、神社仏閣は拝観時間が終わります。じゃあもういいや、取り敢えず寺町通りや新京極なんかブラブラ。鳩居堂でオリジナルの集印帳を神社仏閣どちらでも使っちゃうよ用(車に置いておいて予定外の参拝にも対応するため)に購入。
 そして八坂神社でまだ頂いてない御朱印を頂きに(とかいいつつ、結局本社のも頂いちゃうんだけど)。こちらもやはり紅葉はまだ。疲れたから河原町のリプトンでアップルグラタンとアイスティ。

 そーいや四条大宮ら辺で就職活動支援フェアのチラシを手渡されそうになりましたw

 ちなみに12日より清水寺の夜間特別拝観も始まっております。紅葉がライトアップ。
 でも四条から清水寺まで歩くのは流石にもうしんどいなー。「清水寺」って行き先表示したバスはいっぱい走ってるけど、あの坂で大渋滞するだろうことは目に見えてるしなー。

 なんて迷いつつ、祇園白川をそぞろ歩き。時間的に舞妓さんもお見かけしました。嗚呼、やっぱ今日はもう帰ろう。疲れた。


 川沿いに並ぶお店の灯りに照らされた木々。そんな中、川の中でお店の中を物欲しげに覗き込むような鳥が1羽。アオサギでしょうか。ちょっと風情のある光景。


 それでは最後に本日の紅葉。嵐山の桂川沿い、嵐山バス停付近だったかな。

 こう部分的には綺麗に紅葉してるんですけど、広ーく見るとやっぱりまだちょっと見頃には早いんですよねぇ。


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・過去の「今日」。

2003年11月14日(金) わんこ再び 他

2009年11月15日(日)
  風の向くまま京都奈良(4) <画像あり>

 関西最終日の本日、ホントは話題の纒向遺跡の現地説明会に行こうと思ってたんです。でも昨日は午前雨予報で1000人来たって。朝から並んでたって。それで説明会ってどんだけ時間かかるの? うっかり巻向まで行っちゃうと、飛行機間に合わなくなったりする可能性が否定しきれません。熱いな考古学・歴史ファン!(ちなみに私は考古学じゃなくて古代史が好き)
 結局、迷いながらも昨日行き逃した神護寺へ向かうことにしました。

 神護寺。四条河原町から高雄行きのバスに乗って終点まで。京都の北西の山です。京都市内ですが。
 弘法大師霊場遺迹(ゆいせき)本山高雄山神護寺と申しまして、宇佐八幡神託事件で名高い和気清麻呂が私寺として建てた高雄山寺が基となり、清麻呂の子息によって空海が入山した由緒正しき古刹です。
 でも何しろ市バスの料金均一区間も飛び出す山の中(ちなみに四条河原町から片道500円)、バス停からお寺までも坂や階段を上ったり下りたり。14年前に一度訪れたことがあるので、その大変さは知ってます。だから迷ったんだけど、でも山の方なら紅葉綺麗かなぁ、と。
 そして何より、弘法大師空海入山千二百年紀ということで、11月1日から普段非公開の大師堂が特別公開されているのですよ! それも今日まで! 1200年だから、と昨年に続き2度目の公開なのですが、来年公開されるかは全く未定。つまり、今日を逃すと一生拝観は叶わないかもしれないワケで。

 行くでしょう。もう行くしかないでしょう。

 そういうワケで河原町から高雄行きのバスに揺られて、神護寺へ。拝観料は通常分と大師堂の特別拝観料それぞれ500円合わせて1000円也。

 こちらが大師堂。元々空海がお住まいだった建物の跡に建てられたようで、現在の造りも屋根の傾斜とか戸が蔀戸だったりとか住宅風。

 今は正面真ん中の蔀戸が開いて御簾が見えてますが、普段はこれも閉まってるのかな。閉まってそうだな。
 堂内に入ると、お姉さんが立て板に水で説明をして下さいます。拝観者は外陣で説明を聞きつつ、堂内を拝観。
 中の厨子に安置されているのは、板彫りの弘法大師像です。珍しい(らしい)壮年期のお姿で、それは弘法大師空海さんが神護寺に入られたのが35歳の時だからとか。

 ・・・35歳・・・その年までに空海は室戸岬で明星を飲むという神秘体験をして悟りを開き、入唐して真言密教を極め、認められて神護寺を与えられたワケですね。やっぱり凡人とは違います。私のような欲にまみれた凡人は、不惑になっても惑い、70、80になっても悟りなんか遠いでしょう。

 そんなことを思いつつ、もう二度とお目にかかることはないだろうお姿を有難く拝ませて頂きました。

 大師堂から毘沙門堂・五大堂の横を抜けて石段を登った先が金堂です。

 流石に山を登ってきてますんで、下よりは紅葉してます。でもまだ7分とか8分とかかなー。一生懸命色付いてるところ綺麗なところ選んで撮影。

 さて、神護寺に来たからには是非やっておきたいことが。金堂から更に先へと少々下り、地蔵院へ。ここで行われるのが・・・

 かわらけ投げ!
 この「厄除」と書かれた素焼きの「かわらけ」を、奥の谷に向かって投げるのです(ちなみに2枚で100円)。これが意外と綺麗に飛びません。フリスビーみたくして投げた方がよく飛びます。これで厄除け。

 帰り、バスの時間を見つつ、境内のお茶屋さんで湯葉うどん(人´∇`)♡゚.:。+゚

 お昼用にコンビニおにぎりも買ってあったんですが、紅葉を見ながら食べる湯葉うどんに惹かれ、つい。ちなみに紅葉を見ながら食べるみたらし団子(別店)は我慢しました。

 2時頃に四条河原町に戻り、相方と合流して神戸空港へ。久々の関西ともしばしの別れです。次はいつ来れるかな。


 今回最後の紅葉。勿論神護寺で撮影。金堂前で良く色付いていた部分を。

 これが今年最後の紅葉かしら。1ヶ月後に帰京する時、まだ残ってるかしら。

 ちなみに今回の旅日記のタイトルが「風の向くまま」なのは、8日(日)の新聞日曜版に載ってた星占いに「旅は風任せプランがおすすめ」って書いてあったから。別に占いに従ったワケじゃないけど、ホントに風任せでした。
 風任せすぎて、4日間で歩いた歩数が
  12日 18167歩
  13日 13348歩
  14日 23007歩
  15日 17670歩
   計  72192歩
 とエライことになってました(ケータイに付いてるウォーキングチェッカー調べ)。いや、よく歩いたな。


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・過去の「今日」。

2008年11月15日(土) 冬支度
2004年11月15日(月) ID
2002年11月15日(金) 古書のにおい

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