無責任賛歌
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|藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年10月19日(金) 逆探知されました(^_^;)。/『コータローまかりとおる!L』1巻(蛭田達也)ほか

 オタアミ当日まであと36日! 36日しかないのだ!

 風邪、全然よくならない。
 そりゃあ、病院にも行かず、安静にもしておらず、仕事して動きまわってるんだから、当たり前ではあるのだが、若いころに比べてホントにカラダなにガタが来てるのだと、淋しい気持ちに。
 昔は一日じっと寝てればたいてい治ってたものなのに、今は一度風邪をひくと1週間から2週間は、引きっぱなしだ。早く帰って寝たいのだけれど、今日も今日とて残業。
 しかも、昨日なくした自転車の鍵、実はまだ見つかっていないのだ。
 今朝は、「わあ、これじゃ出勤できんじゃないか」と、仕方なくしげが寝ている間に、しげの自転車の鍵を盗み出してきたのだ。
 多分しげは自転車に乗らないだろうから、迷惑はかからんだろうとの判断だが、勝手な決めつけかもしれない(実際そうなんだけど)。
 ああ、でも頭フラフラな状態で行き帰りの山越えはキツイなんてもんじゃなかった。
 ……コラ、そこの前行く、親子連れ、なんで道一杯に広がって歩いてるんだ。アタマ悪そうなガキ、三人もこさえてやがって。
 ホラ、ベルを鳴らしてやってるだろ、どけよ、どけったら。
 ああ、もう! どうしてベルの方にみんな一斉に寄ろうとするのだ。
 撥ねられたいのか、貴様ら。
 そうなのか? そうなんだな?
 そうかそうか、撥ねられたいのだな。ようし、撥ねてやる、撥ねてやるとも。
 へ(゜∇、°)へ ウケケケケ……。

 ああ、でも百万人を殺してるやつらは今、英雄と称えられつつあります……。


 帰りはもう8時近く。
 道すがら、ふと、道端に米の自販機があるのに気付いて、早めに買って置けば今月食料が尽きることもないなと、自転車を停め、何の気なしに万札を入れる。
 ところが、その途端に自販機がいきなり、ガタッと、音を立てて、販売中止の表示が出た。
 万冊は食われたまんまだ。
 いったい、どういうことよ、と、返却ボタンをガチャガチャ押してみるが、ウンともスンとも言わないし、動かない。
 よくよく自販機を見ると「一万円は使わないで下さい」の張り紙が。
 鳥目なので気がつかなかったのだ。
 張り紙には自販機を置いた店の電話番号も書いてあったので、慌てずに携帯で電話番号を掛け間違わないように押す。

 「この電話番号は、ただいま使われておりません。うふ♪」

 いや、「うふ♪」なんて言っちゃいないが。
 どういうことだよ、オイ、と、もう一度、番号を確かめて押すが、やっぱりつながらない。
 呆然として5分43秒ほど立ち尽くし、ハッと我に返った。
 このまま、諦めて帰るわけにはいかない。
 コトは十円百円の話ではない。
 「いちまんえん」なのだ。
 いちまんえんあれば、30年前ならチロルチョコが1000個買える値段なのだ(今はサイズが小さくなって1個20円なんだっけ?)。
 こうなっては非常手段に出るほかない。

 私はためらわず、110番をプッシュした。
 
 「あ、あの、すみません、こんなことで電話していいものか迷ったんですが」
 「はい、なんでしょう」
 「実はこれこれしかじかで一万円取られてしまいまして。いったいどこへ尋ねたらいいものやら迷った末に、お電話差し上げた次第で」
 「ハアハア、で、そこはどこです?」
 「……どこでしょう?」
 「……自分のいる場所、わかんないんですか?」
 「○○○から○○に向かう道だってことはわかるんですが……。鳥目で、あたりの様子が暗くて見えないんですよ」
 「近くに目立つ建物は?」
 「道が広くて、向かいの建物も見えません。……ちょっと渡って見てきます」

 きー、きききい!
 どてぽきぐしゃ。

 いや、ここでクルマに撥ねられてたら、こんな風に日記書けてないって(^_^;)。
 「あ、向かいの建物、わかりました。……もしもし? もしもし?」
 き、切れてる。走った拍子にうっかりボタンを押してしまったらしい。
 しかし間髪を入れずに、着メロが。

 ちゃっちゃらっちゃーん、ちゃーららー、
 ちゃっちゃらっちゃーん、ちゃっちゃらっちゃー、
 ちゃっちゃらっちゃーん、ちゃーら、ちゃーらー、
 ちゃーらっちゃー、ちゃーららー♪

 これだけでもわかるヒトには何の曲かおわかりだろう。しげが私のために入れてくれたのである。道端で鳴るとかなり恥ずかしいが。
 それはそれとして、慌てて電話に出ると、さっきのおまわりさんの声が。

 「いきなり切ったらいけませんよ!」

 ぎゃ、逆探知!
 逆探知されたのだ。
 いやあ、警察が逆探知するシーン、ドラマなんかでよく見るが、まさか自分が犯人の立場に立とうとは。警察にイタズラはできんのだなあ、と感心したが、いや、感慨に浸っているわけにはいかない。
 「すみません、うっかり切っちゃって。あの、えと、向かいには○○○○って建物があります。その隣には○○○○が」
 「わかりました。20分くらいでそちらに行きます」
 「……20分ですか?」
 「待てませんか?」
 「いえ、待ちます待ちます」

 で、寒空で待つこと20分。ようやく到着したパトカーから、若いのと中年のおまわりさんが二人。やっぱり警官ってこんな些細なコトでも必ず二人一組で行動するんだなあ。  
 事情を説明したあと、実際に自販機を見てもらうが、別におまわりさんに来てもらったからって、自販機が観念して万札を返してはくれないのだ(当たり前だ)。
 石地蔵を縛って引っ立てるのとはわけが違うし、途方に暮れるのはおまわりさんとて同じ。
 「電話は通じなかったんですね?」
 「ええ、何度かけても」
 「じゃあ、念のため、もう一度かけてみてください」
 「あ、はい。ぴぽぱぽぴぽ」

 「この電話番号は、ただいま使われておりません。てへ♪」

 「ほら、かかりません」
 「……あの」
 「なんでしょう」
 「市外局番を押してませんよ」
 「……は?」
 「携帯は、市外局番を押さないとつながらないんですよ」
 「そうなんですか?!」
 そう言えば遥か昔にしげがそんなこと言ってた気が。こっちから電話かけることなんて殆どないので、すっかり忘れていたのだ。

 改めておまわりさんが米屋に電話をかけてくれる。
 「20分くらいで来るそうです。待ちますか?」
 「……待ちます(ーー;)」
 私がおまわりさんにふかぶかと頭を下げたのは言うまでもない。
 しかし、更にそのあと20分。
 背中を走る悪寒と、ひっきりなしに出る咳に耐えながら、ようやく米は手に入れたものの、ますます風邪は悪化していくのであった。
 せめて栄養をつけようと、ポプラでカレー、スパゲティ、ネギ塩焼きそば、ハンバーグ、カツ弁を買って帰る。もちろん大半はしげが食うのである。


 しげ、『ナジカ』の第1話を見ていないと言うので、改めて一緒に見る。
 よっぽどパンモロが気に入ったらしい(^∇^)。
 しげは生のポルノとかは全然アウトなのだが、アニメのエロは全く平気なのである。
 「だって、人間同士って気持ち悪くて」
 これがよくわからない。
 結局は本人の想像力の問題だと思うんだがな、実写だろうとアニメだろうと。
 西原理恵子さんが、最近ホームページの『鳥頭の城』から田亀源五郎さんのサイトにリンクを張ったのだが、私はもう、表紙イラストを見ただけでゲンナリなのだが、しげは全く平気である。
 「だって、イラストじゃん」
 だからよう、私は別に他人がゲ○だって別に構わないけどよう、こっちに絡んでくること考えたらもうダメなんだよう。


 マンガ、天樹征丸原作、さとうふみや作画『探偵学園Q』2巻(講談社・440円)。
 先月1巻が出たのに、もう2巻が出たってことは、作者も、トリックがバレバレでくだんないと言うことを知った上での確信犯なのであろう。
 いちいち文句をつけるのも腹が立つのだが、この作家たちにはミステリに関する良心がない。あるいはとてつもないバカなのかも。
 堂々と盗作しておきながら、その盗作の元ネタを作中で披露する神経というのはいったい何なんだろうねえ。
 ヒトコト言っとけば、目の前に死体があるのに、それを検死しない時点で、ミステリとして卑怯なのである。


 マンガ、蛭田達也『コータローまかりとおる!L』1巻(講談社・410円)。
 ついに『コータロー』シリーズも最終シリーズか。
 長かったなあ。空手、柔道と来て、ラスト・シリーズは「忍者」モノだよ。
 しかし、連載開始後、18年、やっと「新堂功太郎」の元ネタが、伊賀忍者「新堂小太郎」であることが披露された(←実在)。
 っつーことは蛭田さん、忍者編で締めることを、もう十年以上も腹案にしてたわけだ。よく根気が続いたなあ。
 でもそれだけ寝かしてただけあって、今シリーズはこれまでの全てのキャラが総登場しそうな気配。舞台はなつかしのDブロック!
 天光寺も20数巻ぶりの登場、相変わらずハ○ネタで真由美とやりあってくれるし、ヨシミちゃんもやっぱり血を際限なく流し続けてるし、狂死郎も例の宴会チ○芸を見せてくれるし、ルーティーンギャグが懐かしいったら。
 っつーか、ここまで読み続けてたやつがどれだけいるのか(^_^;)。ましてや、JACの黒崎輝主演で映画化されたことなど誰が覚えていようか。
 ……行きましたよ、劇場まで。今思い返すと、この映画に出てたことをプロフィールから隠したい人もいそうな気がする。佐土谷峻兵役の伊原剛志とかね(^^)。
 それはそれとして、もう少し引いてから登場させるかと思ってたコータローの母ちゃんもいきなり登場だし、相当気合いが入ってる感じだ。
 さて、今度は何十巻続くのだろう(^_^;)。
 タイトルの「L」は、LOVEとかLOOKだとか異説があるようだが、LIBERTYじゃないかな、一番コータローのテーマに合ってると思うし。

2000年10月19日(木) 異端審問と放火魔タマキと消えたメールと


2001年10月18日(木) 風邪、続く。気の利いたタイトルなんて思い浮かばねーや/『トライガン・マキシマム』6巻(内藤泰弘)ほか

 オタアミ当日まであと37日! 37日しかないのだ!

 auのCMに出てる浅野忠信、「鏑木」くらい読めろよ。
 「かぶらぎ」って読むんだよ。
 天知茂の明智小五郎シリーズの音楽やってる「鏑木創」って作曲家がいたろう。昨日見た『十兵衛暗殺剣』の音楽もやってたな。
 ……軽いツカミでした。すみません、まだ熱にうかされてるんです。


 昨日からの熱、未だに続く。咳も激しくなってきたし、痰も絡む。病院行きたいなあ、ゆっくり寝たいなあ、と思っても、今はとても休めるような仕事の状態ではない。かぼげほごほと咳をしつつ、それでも弱音を吐いてはいられない、明るく元気に振る舞わねばとヘラヘラ笑いながら仕事をしていたが、端から見たらヘンなやつに見えたかも知れない。

 ふと気づくと、家の鍵がない。
 自転車の鍵もない。ポケットを全部探しても鞄の中をひっくり返してもどこにもないのだ。
 熱発してるせいか、記憶もすっ飛んでいて、どこかに置き忘れたのかどうかも全く思い出せない。具合が悪いこともあり、今日はタクシーで通勤。
 けれど銀行に寄って無いのでサイフには金がない。
 しげからお金を借りるが、ケチクサイしげのことだから、後々までネチネチ言われるんだろうなあ。
 「ひばり喚くぅよ、金返せ♪」
 ……誰の歌か、わかるかな?


 帰宅して横になり、ともかく寝る。寝て汗かけば、少しは楽になるかと思ったが、1時間もすると、せきこんで自然に目が覚める。
 あふあふと言いながらしげにラーメンを作ってくれと頼む。
 さすがに今日は日記更新をする元気がないが、掲示板の返事だけはともかく書きこむ。
 しげの作ったラーメンは醤油ととんこつのスープを混ぜた山盛り。あと卵を混ぜてある。とりあえず汗をかきたかったので頼んだんだが、なんか作りが大雑把だよなあ。病気の時にはちょっとした気遣いとかがすごくうれしく感じられるものだが、しげにはそんなもんがカケラも無いからな。冷凍庫にはモヤシだってあるんだし、そういうのがちょっと入ってるだけでもココロがほんわかするんだがなあ。
 いや、別に「ほかほか家族」なんて期待しちゃいないけどよう。
 ……あのアニメ、もう覚えてるヒト殆どいないだろうなあ。日々の生活を無理やりコトワザにこじつけるあたりが笑えたが、キャラデザインはマンガマンガしていて好きだったのである。制作スタッフなんか全く覚えてないんだが、アレは誰の絵だったのかなあ。

 余り味気なくて寂しくなってきたので、自分で鶏肉炒めを作る。小麦粉を溶いてエノキと卵を混ぜてお好み焼風にしようとしたが、やはり頭がフラついてるので味付けに失敗。醤油を入れすぎた上に焦げつかせて、辛いんだか苦いんだかわかんない味になった。
 でも作ったものを捨てるわけにはいかないので無理して食う。
 ああ、ますます気分が悪くなっちまったい。


 しげが『ナジカ電撃作戦』に興味を持ったので、第2話を一緒に見る。
 「可憐なパートナーは美しき弾丸と共に」。
 そのパートナーのリラが、ショットガンを片手持ちしてるカットを見て、しげが「なにこいつ?」と聞いてくる。
 「なんかロボットらしいよ」と答えといたが、正確には“ヒューマリット”と言うらしい。
 じゃあ、ヒューマリットってのが何かと言われるとまた説明に困るのだが。
 SFものは作品によってはその用語に権利が発生するものがあるので、ウカツには使えない。いきおい、作品ごとに新しい用語がやたらと生まれることになって困るんだが、「ロポット」「アンドロイド」「ヒューマノイド」とどう違うんだ。
 その辺の面倒臭さをゆうきまさみは『究極超人あ〜る』の中で「ロボットじゃないよ、アンドロイドだよ」とからかってみせたんだったが、更に火浦功は『未来放浪ガルディーン』の中で「ロボットじゃないよ、オーガニックインフォーサーだよ」と発展形を披露したのであった、って何のネタかわかんないね、すみません。
 ともかく、ヒューマリットってのは「生身の人間に限りなく近いが通常の人間の数倍の能力(身体的能力や知能指数)を備えてはいる」ということだが、そうなるとサイボーグやバイオロイドとかに近い感じなのか。よくわかんないが、出だしの展開が何となく『ザ・ビッグ・オー』に似てるんで、どう奇矯な行動をしていってくれるか、今後が期待できそうな設定ではある。
 こういう「人間でないものがトンチンカンな行動をとる」ってのは、やっぱりルーツは『王子と乞食」や『ローマの休日』あたりにあると思う。いや別にアン王女を「人間じゃない」と言いたいわけじゃないけど、経験を通してヒトとしてのココロを手に入れるって路線を辿る点では同じだからね。
 ……で、ヒューマリットのリラ、いきなり今話で逆立ちしてパンツを思い切り見せているのであった(^_^;)。


 マンガ、内藤泰弘『トライガン・マキシマム』6巻(少年画報社・520円)。
 わあ、GUNG-HO-GUNS、数が増えてやがる。なんか、霞谷七人衆が八人衆にいつの間にかなっちゃったみたいで、ちょっと話ムリヤリ続けようとしてないかって気はするけれど、一応クライマックス近しって感じはするのでまあいいか。
 「例の事件」のせいで(後書きでちょっとだけほのめかしてるけど)、内藤さんも多分随分参っちゃったと思うのに、それがまたバネになっているらしいのが嬉しい。
 「一度罪を犯した者の罪は、永久に消せないのか」
 「暴力を、殺人を、ヒトはヒトを犠牲にしなければ生きられないってコトを完全に否定するのは不可能なのか」
 現実的に考えれば、答えを出すのは簡単な、けれどあえて別の答えを求めてさ迷うヴァッシュの姿は、今までも随分壮烈だった。壮烈過ぎて、ついに悲しい弱音をヴァッシュは吐いてしまった。
 「もうわかんないんだ。どんな表情すればいいのか」
 ああ、このセリフは結構胸に刺さった。
 先が見えなくなった時って、もうなにがなんだかわかんなくなるんだよなあ。でも、そのセリフを口にした、というコトは、それを乗り越える展開を、キャラクターが、そして作者自身も考えているということでもあるのだ。
 物語はいったん、過去へ遡る。アニメでも描かれた、レムとの交流。
 プラントを受け入れることに偏見を持っていなかったレムに、同じように育てられていながら、ヴァッシュとナイブズはなぜ二つの道に分かれたか。それを語り終えたあとに、本当のクライマックスが訪れるのだろう。
 なんの希望も見出し得ないような設定なんだけど、それでも何かの希望を求めて物語は進んで行く。
 ヘンな雑音に惑わされず、内藤さんには頑張ってもらいたいものだ。


 マンガ、北崎拓『なんてっ探偵アイドル』5巻(小学館・530円)。
 脚本を井上敏樹が書いてるってことで、AIQのぴんでんさんはこんなのまで読んでらっしゃるようだが、すみません、私も読んでます(^_^;)。
 トリコロールの同僚と言うか、アキラの推理のライバルとして登場した新人アイドルの山吹美奈斗、作中に出て来た写真のポーズなんか見てると、釈由美子あたりをモデルにしてるように思うんだが、どうだろうか。
 ストーリーやトリックの方はどうこう言えるほどのレベルではないのだが、犯人のキャラクターが毎回エキセントリックなのはやっばり青少年向けだから「勧善懲悪」でないとってコトなのかな。ドラマとしてはこれ、随分マイナス要因になってると思うんだけど。

2000年10月18日(水) オニギリとわらび座とフリカケと/『彼氏彼女の事情』10巻(津田雅美)


2001年10月17日(水) 踊る私と寝る私/映画『十兵衛暗殺剣』/『ザッツ・ハリウッド』ほか

 オタアミ当日まであと38日! 38日しかないのだ!

 昨日からの雨、今朝になっても降り続く。
 こう鬱陶しいと仕事に行く気も失せるが、日銭を稼がんことには本も映画も楽しめない。合羽を着て自転車で山越え。
 けど、これは思ったよりも全身にびっしょりと汗をかくことになって、ヤバイなあ、と思っていたら、案の定、ぶるっと寒気が来て、熱が出始めた。
 自分がだんだんと風邪を引いていくのを感じるっていうのもイヤなもんだ。


 残業はもう連日。
 まあ、ツライ残業ってわけじゃないし、楽しいから、それはそれで構わないんだが、ともかく残業手当が出ないのが悲しいなあ。
 夕方ごろから、眩暈やノドの痛みも襲ってくる。
 雨は一向に止まないし、どんどん思考が減退していくのであった。

 帰宅途中にポプラに寄って、今週の「少年ジャンプ」の『ヒカルの碁』を立ち読み。
 今までずっと伊角編が続いていたのが、ようやくヒカルの話に戻ってきた。佐為が消えてからもう2ヶ月以上、話を引いて来たわけだから、単行本1巻分くらいの分量になる。
 もうそろそろ、佐為が消えたままになるにしろ復活するにしろ、いい加減、決着をつけなきゃならんころだろう。でも、アニメが始まってるってのに、雑誌連載に佐為が登場しないってのも、売るための戦略としてはマイナス以外のなにものでもない。余り考えたくないことだけど、やっぱり佐為は復活しちゃうんだろうなあ。
 復活のさせ方次第では、急速に熱が覚めちゃう気もするが、それはそれで仕方ないかな。


 帰宅は6時半すぎ。残業があったと言っても、今日は比較的早い方だった。
 テレビを点けると、NHK教育『天才テレビくん』で、中村有志さんがパントマイム指導をしていた。
 「パントマイムの基本はですね〜、三つあるんですよ〜。
 � 愆櫃�なる・反る』
 �◆愎�ばす・縮む』
 ��『ねじる』
 これだけなんですね〜」
 ふむふむなるほど、といつの間にか見入ってしまう。
 で、カラダを丸めたりねじったり。
 私も一応、劇団の代表でございってな顔して、脚本書いてるけれど、演劇の勉強を専門の学校で習ったわけではなし、やたら本を読みまくって我流で理論を考えついてるだけなんだよね。
 だもんで、こういう番組があるとついついメモでも取りながら見てたい気分になるのだな。
 「つま先で立つ。これで同じ場所で歩いてるように見せられるんですね」
 これが私はヘタなのである。私もご多分に漏れず、マイケル・ジャクソンの『スリラー』が流行ったときは、ムーン・ウォークをマネしたものだったが、どうしても後ずさっちゃうのだ。要領が悪いやつはどこまでいっても要領が悪い。
 これが出来るようになると、チャップリンが『街の灯』で見せたような「平地の階段登り」が出来たりするので便利なのだが。
 「固定点を作る」というのはまあまあできるようになった。あの、「壁」ってヤツですね。これも感覚の再現を試みれば、コツがつかめてくるのだ。
 ……で、テレビの前であんなことやそんなことをやってると、しげがニヤニヤしながらこっちを見るのだ。私がこういう「青二才」的なことをやってるとすごく喜ぶんだよなあ。温かく見守るということができんのかな、こいつは。


 続けて『テニスの王子様』&『ヒカルの碁』の第2話二本立て。しげも他の新番アニメはなかなか見ようとしないが、この二本だけは何となく気になるみたいで、いろいろ突っ込みを入れてくる。
 私が「『テニプリ』始まったぞ」と言ったら、「何それ?」と聞くので、ついうっかり、「テニスのプリンセス」と言ってしまった。
 ……女じゃん、それじゃ。
 でも「テニプリ」だけじゃ男か女かわかんねーよな、実際。
 意外なことに、しげはこのマンガ、気になってたらしい。「絵柄が好きだからどんなのかなと思ってて」しげの好みの絵柄ってのが私にはイマイチ分らないのだが、そうウマイってほどの絵でもなし、ツリ目キャラがいいのかなあ?
 第1話も、リョーマの実力をザコキャラ相手に見せつける展開、主役の顔見世としては、まずはいかにもな滑り出しだったけど、第2話で、その実力が父親譲りの才能とわかって、「おいおい、そこまで定番な設定なのかよ」といささかゲンナリ。
 リョーマが「サムライジュニア」と呼ばれるシーンを見て、しげが「何これ、毎回アダナがつくの?」と言って笑う。実際、そう言いたくなるのもわかるくらい、展開が1話と変わらないのだ。言っちゃなんだが、手抜きだよ。そうでなきゃ、基本的に物語の懐が小さい原作なのかも。出来次第によっては原作も読んでみるかどうか考えていたが、特に読みたくなるほどの魅力は今んとこない。

 『ヒカ碁』の第2話「見ぬかれた急所!!」、女の子に人気(らしい)緒形九段が登場。声は『クレヨンしんちゃんの』ひろしの藤原啓治さんだ。
 「どうもこの声聞くとひろしの顔が浮かんじゃって」と、しげは緒形ファンが聞いたら激怒しそうなことをサラッと言う。抑えた演技で、私はひろしとはまるで違う印象を持ったんだがなあ。
 それより、原作ではあまり感じなかったけど、塔矢アキラの「ヤオイ」的演出が目立ったことのほうが気になったぞ。
 ヒカルを探して、電車のドアをこじ開けて飛び乗ったり、息せき切ってヒカルに追いすがるように呼びとめたり。予告編でも行洋ババと花散る下で見つめあってて、いやもう妖しいのなんの(^_^;)。余りそっちの方のファンに媚びたりはして欲しくないんだけどねえ。


 具合が悪くなったからといって、しげが飯を作ってくれるわけでもないので、仕方なく晩飯はレトルトカレー。賞味期限切れか何かで200円の割引だったので買った激辛カレーだったが、マジで激辛。食べるのに十分以上かかる。
 考えてみたら、風邪ひいてるのに、カレーはちょっと胃に悪かったよな。なにかうどんか何かを買っときゃよかった。
 カレーもイマイチだったが、ご飯が最近、上手く炊けない。
 ホントに何度も何度もといで、水を濾して、それでようやく甘くなる。そうでないとたいてい苦い。
 もしかしたら炊飯器自体の調子が悪くなってきてるのかなあ。結婚前から使ってるやつだから優に15年は経ってるしなあ。さすがに買い替えどきなんだろうか。

 しげが仕事にいった後、熱に浮かされ始めたのか、なかなか寝つけない。そのまま勢いでCSを見続ける。

 CSファミリー劇場『十兵衛暗殺剣』(1964・東映)。
 東映の近衛十四郎による柳生十兵衛シリーズ第9作にして最終作。最初の『柳生武芸帳』は言わずと知れた五味康祐原作なのだけれども、このころになるともう完全に五味原作とは離れていて、「紙屋五平」原作ってことになってる。この人はよく知らないのだが、多分もともとの作家じゃなくて、映画のためのお抱え原作者なんじゃなかろうか。
 ああ、しかし、近衛十四郎の柳生十兵衛と大友柳太朗の幕屋大休との最後の決闘が、史上最高の殺陣シーンとまで言われて世評に高いこの作品、これがやっぱり『柳生武芸帳』の時と同じでシネスコサイズの画面の両端をぶった切ったトリミング版なんだよ!
 見ていても確実にわかる、この映画が面白いのかどうか、テレビじゃ判断のつけようがない。……だって刀が画面外に切れてて見えないんだもの(T_T)。かろうじてカメラがロングに構えた時の二人の間合いで緊張感は伝わってくるものの、肝心の斬り合う場面になるとカメラはどうしても寄っちゃうから、刀のスピードがよくわからなくなるのだ。
 ストーリーが「殺陣を見せる」ということだけに徹していて、ムダな部分が殺ぎ落とされているだけに、部分的にしかそのスゴさが伝わってこないのがなんともモドカシイ。ああ、これは本気で劇場で見たいぞ。けど福岡にはもともと少なかった名画座、今は全滅しちゃってるからなあ。せめてノートリミングのDVD、出してくれないかなあ。


 WOWOW『ザッツ・ハリウッド 秘蔵のフィルム』。
 タイトルに「ザッツ」とつけてるあたり、MGMの『ザッツ・エンタテインメント』を意識してるのだろうけれど、原題は“Hidden Hollywood”で、“That's”なんてついてない。でも、そう付けたくなるのもよくわかるのである。なんたってこれは、20世紀フォックスの100年の映画の中から、今は失われたと思われていたもの、編集の段階でカットされたもの、カメラリハーサルのフィルムなどを探し出して一挙公開したものだからだ。
 MGMへの対抗意識があるとは言え、本気でこれは面白い。MGMといえばそのドンはあの「タイクーン」ダリル・F・ザナックなのだけれど、彼の眼鏡に適ったもの、適わなかったもの、そこには個人的な趣味と言ってもいいやや独善的な判断が色濃く反映されている。
 そのため、捨て去られたフィルムの中には今の眼から見れば間違いなく傑作、と言えるものも膨大な数だけ秘蔵されていたのだ。
 あのねえ、『天晴れテムプル』(1938)のシャーリー・テンプルとジミー・デュランテの“クライマックスの”ミュージカルナンバーまでがカットされちゃってんだよ、こりゃ、言ってみれば『虹の彼方に』のカットされた『オズの魔法使い』、『ドレミの歌』のない『サウンド・オブ・ミュージック』、『マイ・ブルーヘブン』を歌わない『エノケンの法界坊』みたいなものではないか。
 しかもその理由が「テンプルちゃんが生意気に見えたから」……テメーの主観でミュージカルナンバーを勝手にカットするなああああ!
 また、かわいそうなのが伝説の黒人タップダンサー、ビル・ロビンソン。舞台ではシルクハットに燕尾服の粋なスタイルで人気を博していたのに、映画ではいつも使用人の役、唯一本人役で出演した『カフェ・メトロポール』(1937)は、役そのものがカットされた。「黒人が活躍するシーンなんて許せない」という観客の抗議にザナックが屈したのだ。差別や偏見が映画・演劇・文芸の数多くの名作を闇に葬ってきた例は枚挙に暇がないが、やはり表現の自由はどこまででも保障されないといけないのだ。
 W.C.フィールズやバスター・キートンの失われたコメディ・シーンが再現されているのもコメディファンには必見だろう。

 見ながらようやく眠りに落ちたので、後半はうろ覚え。そのうちまたゆっくり見なおそうかな。

2000年10月17日(火) 博多弁とベターハーフと女好きな女と/映画『知らなすぎた男』


2001年10月16日(火) ココロを濡らす雨……詩人だなあ(どこが)/『エンジェル・ハート』1巻(北条司)ほか

 オタアミ当日まであと39日! 39日しかないのだ!

 職場で、同僚に「字がきれいですねえ」と言われる。
 「字配りがまっすぐで、読みやすくて」とまで。しかも複数のヒトに。
 なんかなあ、しげにまた謙遜ぶりっこなんて言われちゃうかもしれないけれど、私ゃ自分の字に本気で自信がないのよ。ちょっと書痙ギミなところがあるので、長いこと書き続けられないし。
 でもだからこそ、誉められると素直に嬉しくなっちゃうのだ。貶されると素直に落ちこむし(^_^;)。
 不思議だなあ、自分の書いた脚本なんかだと、誉められても貶されても、結構冷静でいられるのに、字のこととなると、妙に一喜一憂してしまうのだ。
 やっぱりお袋がムチャクチャ字が上手かったせいだろうなあ。どんなに人から誉められても、母の字には遠く及ばないことを自覚してるから、嬉しいのと恥ずかしいのがいっぺんに来てしまうのである。
 「きれい」と言われるより「読みやすい」と言われる方が嬉しいが、「暖かい」と言われたことはない。でも世の中には、「ああ、暖かい字だなあ」と思ってしまう字を書く人もおられるのだ。
 ムリにきれいな字を書こうとせず、流れるままに書きたいなあとは思うのだが、余り暖か味のある字にはなっていない。まあ、死ぬまでにいっぺんくらい、人が見て心が和むような字を書いてみたいようにも思うが、なによりも歪んだ性格がそれを邪魔しているようである(^_^;)。


 朝方、寝坊しそうになって慌てて自転車で出勤。
 いつもは天気予報を確かめて行くのだが、そのヒマもなし。
 外を見るとやや曇り空ではあったが、晴れ間も見えてはいたので、つい油断をした。傘も合羽も用意せず。
 何となく肌寒く感じていたので、これはヤバイかな? と思っていたら、見事に勘が当たった。実際、悪い勘ばかりはホントによく当たる。
 昼ごろから外は雨模様、一時は土砂降りになった。
 今日も今日とて残業だったので、帰宅は8時近く、外はもう真っ暗闇。
 これで自転車で山越えをせねばならんのか(ーー;)。
 悩んでいても仕方がないので、小降りになったのを見計らって職場を飛び出すが、天も私を見計らったのか、途端にそれまでの小雨がいきなり土砂降りに変わる。
 いやもう、マジで前が見えなくなった。
 もともと目が悪く、鳥目気味である上に、眼鏡には拭っても拭っても水滴が溜まり、クルマのヘッドライトを乱反射させる。
 もう、このへんに道があるはずだ、というカンだけで、ソロソロと進んで行くが、こんな時に限って、横道からヒトやらイヌやらが飛び出してくるのである。
 撥ねられたいのか、コラ。
 こっちはちゃんとライト照らしてるんだから、気がつきそうなもんなのに、どうして間近になるまで道のど真ん中にいて除けようとしないかなあ。
 いや、まだそれはマシなほうで、最悪なのは、無灯火、傘差し、右側通行ですっ飛ばしてくる自転車である。こんなのが何台も私のワキをビュンビュンかすめて行くのだ。事故が起きずにすんだのは、私の注意と僥倖のおかげ以外のナニモノでもない。
 ……雨ん中、携帯でくっちゃべりながら自転車でこっちに突っ込んできた女子高生までいたぞ。なぜ雨の中でまで携帯にすがりつかねばならんのだ。やっぱりどこかイカれてるんじゃないのか。
 なんとか命からがら(いやホント)ウチにたどりついたが、カラダはずぶ濡れ、ココロもずぶ濡れである。
 慌てて風呂に入ってカラダを温めるが、ココロは寒いまま、なかなかもとには戻らない。


 ついさっきまで鴉丸嬢が来ていて、しげと一緒に芝居の練習をしていたらしい。というか、雨に降り込められて帰れなかったのかな。
 大分セリフも入ってきたらしいが、さて、動きはちゃんと練り上げられてるのかどうか。しげも鴉丸嬢も、姿勢が悪いからなあ。
 鴉丸嬢、美人なのに仕草が固いせいで舞台上ではもう一つ映えないのである。その辺、演出がカバーしてあげる手を考えてあげられたらイイ線いくと思うんだけど。今回の脚本、ダンスをあちこちに入れまくったのはともかく「動いてほしい」ってことがあったからなんだが、さて、型が決まらないまでも面白く見せる手をみんなが思いつけるかどうか。
 それにしても、役にハマっているからとはいえ、しげは最近、私生活でも脚本のセリフを頻繁に口にするのである。これが実に癇に障るのだ。いや、どんなキャラかって「化け猫」なんだけれども(^_^;)。
 自分の書いた脚本だからそう文句も言えんが、私はコトバの語尾に「にゃ〜にゃ〜」付けるヤツはでーっキライなのである。
 お前はでじこか。
 でも行灯の脂を舐めるシーンとか書かなくてよかったなあ。そんな演技まで家ん中で練習されてたら、夜もおちおち眠れたもんじゃなかったろう。


 風呂から上がって、更新の遅れている日記をひたすら書く。
 いや、別に長々と書かなくたって、10行程度で終わらせときゃ、追いつくことだって簡単なんだが、なんだかついついあの話題もこの話題もと思っちゃうのだなあ。
 疲れて話題をはしょったりすると、あとになって、ああ、あれを書いときゃよかったって必ず後悔するもんでねえ。
 我ながらバカだとは思っているのである。

 ニフティのオタアミ会議室を覗いてみると、先日アップした『サイボーグ009』の感想へのレスがポツポツと載っている。残業が増えてきたので、すぐにレスをつけ返せないのだが、概ねみなさんもあの1話には感激しているようで、白黒アニメ放送時からのファンとしてはやはり嬉しい。
 何でも世間には「009は初期の丸っこい絵で目はぐるぐる目でないと!」なんて言ってるコアなんだかイッちゃってるんだかわからない人もいるらしいが、『009』の内包するテーマは、既に少年マンガの絵では表現しきれないくらいに深くなっちゃってるんで、さすがに最初期の絵じゃなあ、と考えるのが常識的な判断ではなかろうか。
 もしも『天使編』まできちんとアニメ化するのであれば、「我らヒツジ、群れ集う」のセリフを、あの最初期の絵のキャラに吐かせると言うのか。……それはそれで結構シュールかもしれないな。でもそれじゃ手塚治虫の『罪と罰』になっちゃうぞ、多分。


 マンガ、北条司『エンジェル・ハート』1巻(新潮社・530円)。
 おっと、出版社が集英社じゃないや(^o^)。
 ついに出たバンチコミックスだけど、しげの野郎、一番ほしかった『眠狂四郎』を買って来てくれなかった。そんなにシバレン、キライかよ。読んだこともないくせに。
 前に総集編で読んでるんで今更たいして感想はないが、見返しのところで作者が「これは『シティ・ハンター』の続編ではありません」と断りを入れているのには呆れた。続編じゃなきゃなんだって言われたら「パラレルワールド」なんだそうな。『宇宙戦艦ヤマト2』かい。
 ま、アレだろうな、編集長の堀江ポテト信彦が、「新雑誌は絶対ヒットさせなきゃならないから、好きなものは第2作で書かせるから」とか条件つけて、無理やり北条司に頼み込んで描かせたとか、そんな事情なんだろうな。
 それならそれで、読者にだって、あくまでこれを『シティハンター2』として読んでやる自由だってあるわけで、貶すもクサすも自由ってもんだ。たとえどんな裏事情があるにせよ、読者を無視した創作姿勢に対しては、批判はされてしかるべきだろう。
 これで、ヒロインと香の心が融合して一人の人格になってハッピーエンド、なんてしょーもない結末になるようだったら、もっと罵詈雑言投げつけてやるぞ(^^)。
 

 マンガ、赤塚不二夫『(週)少年アカツカ サイケに笑いたい時には… べしを探せ!号』(小学館・300円)。
 雑誌形式の本なので、やたら広告が載ってるが、全部ガーナチョコで高橋尚子。なんだか露出のしかたが一般的なイメージの陽気で天然ボケなキャラクターと合ってない気がするが、本人は案外したたかなキャラなのかもな。
 いや、広告のことはどーでもいーのだ。
 いつも載ってた予告編が今回はなかったが、そうなるとこれが最終巻になるのか? まだ四冊しか出てないのに早過ぎないかなあ。よっぽど売れなかったんだろうか。
 今回は『天才バカボン』『おそ松くん』『オッチャン』『もーれつア太郎』の四本。いつものやや長めの短編がないが、その分、ラストの『サイケ・サイケビーチにて』は言ってみれば赤塚版『ねじ式』。あるいは赤塚版『エヴァンゲリオン』か。ニャロメとべしの海岸での妄想をマンガにした実験作だ。
 傑作かケッ作か、その評価は分かれるだろうが、赤塚さんがこんなのも描いてるってことを考えると、ホントに行きつくとこまで行っちゃった人なんだなあ、という感慨が起こる。結構幅広く赤塚作品は読んでたつもりだったけど、こんなのもあったんだなあ。
 こうなると、もっとほかの作品も読んでみたいぞって思うんだけども、ムリなのかなあ。次は『ひみつのアッコちゃん』とか取り上げてくれればいいのにって思ってんだけど。

2000年10月16日(月) ファジー理論とエスパーとサイボーグと/アニメ『犬夜叉』『人造人間キカイダー』第一話ほか


2001年10月15日(月) カチカチ山の……/ドラマ『着ながし奉行』

 オタアミ当日まであと40日! 40日しかないのだ!

 世間は未だに狂牛病だの炭素菌だのと喧しい。
 でもマスコミが躍起になって報道し続けるほど、結局はニュースがニュースでなくなって、ただの情報の垂れ流しになってしまうことは以前もこの日記に書いたような気がする。
 必然的に、ニュースのリアリティはどんどん失せて行ってることにマスコミが気付いてないらしいのがつくづくバカだ。というか、「バカでいいじゃん」と開き直ってるのかも。センセーショナリズムをジャーナリズムと言い替え、その欺瞞に馴れて欺瞞であることすら自覚できなくなっている連中の猿芝居をいつまで見せられつづけるのか。
 だってねえ、「テロだテロだ」ってテレビは騒ぎ続けてるけど、いつまで経っても日本にジェット機が突っ込んでくる気配もないのだよ。それどころか、タリバンは連日の空爆で明らかに弱体化してきている。
 「長期戦になるかも」という予測に反して(もちろん残党が各地でテロを続けることはありえようが)、意外と早く始末がつきそうな気配なのだ。もうテロ関係のニュースは夜中に「今日のタリバン」とかいうコーナーを作って、そのときだけ流すようにしたらどうか。


 夜明け前、何か夢を見たらしい。
 メモに「2ちゃんねるの夢見る」と書いているのだが、更新が遅れているので、完全に記憶の彼方に行っちゃってて、ハテ、いったいどんな夢だったんだか(^_^;)。
 なんだかなあ、私のことが2チャンネルで貶されてたような気がするんだが、どうして貶されてたのか、全く思い出せん。
 つーか、そんな夢を見たってことは、私は2チャンネルで話題にされたいのか。おいおい。
 多分、一昨日見た『ファントム・ペイン』の「やんすちゃんねる」のせいでそんな夢見ただけなんだろうけど。しかし、匿名巨大掲示板を社会病理の象徴のように描くなんて、鴻上尚史もつくづく腑抜けたものだ。
 もちろんそれは「便所の落書き」の拡大版なわけで、品性ゲレツと言われればその通り、俗と言えば俗なのだけれども、だからこそ表には現われぬ、その時代の意識下の情念を知るには格好のテキストであることは間違いないのである。
 かつて「奇想天外文庫」が、「便所の落書き文化」の重要性をその創刊の辞で高らかに標榜したことがあったが、今和次郎の考現学も、藤森照信の建築探偵も、赤瀬川原平の路上観察も、もちろん唐沢俊一さんの裏モノ採集も、全て根っこはつながっているのだ。学校の教科書に載っている文化史などは全て偏狭かつ独善的な「おカミの言い分」でしかない。
 鴻上さんも「えらい人」になりたいのかなあ。
 演劇が社会的に認められることは喜ばしいことではあるのだけれど、その分、社会的通念に迎合する作品が増えるようになれば、演劇というジャンルそのものが死に瀕する危険性だって生れてくると思うんだがなあ。


 休みが明けても(って休日も出張ってんだから全然明けた気分にならねーけど)残業は続くし、自分の時間がここしばらく取れそうにない。
 既に仕事中の安らぎは便所に篭ってる時だけとなりつつある。
 クサイ話だ。


 今日の夕食は、カレーをまた作ろうかと思っていたのだが、ステーキ肉がまだ残っていたので、目玉焼きをつけて焼いてやる。狂牛病騒ぎもそのうち沈静することであろうから、安い肉をたらふく食うのは今がチャンスである。
 既に通常時の半額にまで落ちているのだから、精肉業者も大変だろうが、これだけのデマで迷惑を被ってるのだから、当然、国の補償はあるであろう。その金は税金で賄われるわけだから、我々は肉を食っても食わなくてもある程度肉代を払わされることになるわけだ。
 ……だったら、食ってたほうがまだいいじゃねーか。
 いつぞやのカイワレ大根騒ぎも『買ってはいけない』騒動もそうだが、デマに踊らされる群集の愚かしさを、もっと各方面で笑ってやったほうがいいんじゃないか。

 アナタも今、肉を食べるの控えてませんか?
 だったらアナタは紛れもなく現時点では世界最低のアホです。


 しげが仕事に出たあと、口淋しくなって、シャケを焼く。
 ガスコンロにかけて、火をつけたの忘れないようにしなきゃなあ、と思って、パソコンの前に座ってメールチェックを始めた途端、きれいサッパリ忘れた(^_^;)。
 気がついたら部屋の中が煙でモウモウ。
 なのに、いやに目が痛いなあ、疲れ目かな? なんて悠長に構えてたのだから情けない。
 幸い火事にまでは至らなかったが(一応、警報が鳴るほどではなかった)、シャケは黒焦げ。それでも、残った身はないかと細かくお焦げを殺ぎ落とすあたりが我ながら貧乏人。
 換気扇を回し各部屋の空調を全開にして数時間、それでも煙はなかなか薄くならない。風呂場の窓を空け放し、風通しをよくしてようやく煙が薄らいだ。
 たまにこういうことがあるが、昔に比べて本当に記憶力が減退したのだなあ。ドクター・カオスではないが、新しい知識が古い記憶をどんどん消し去って行くのであろう。って、5秒毎に記憶が消えていくのは困りものだが。
 ……関係ないけど、私は何遍覚えても「IT革命」の“IT”が“Information Technology”の省略形であることを覚えられません。何かいい語路合せでもご存知の方はいらっしゃいませんか(仕事柄、この手の言葉をパッと言えないと困ることが多いのです)。

 CS時代劇チャンネル『着ながし奉行』見る。
 言わずと知れた、岡本喜八の傑作時代劇。これがなんとテレビで放映されてたってんだから、いい時代もあったもんだ。
 原作は山本周五郎の『町奉行日記』。
 すなわち、三隅研次の『鉄火奉行』、市川崑の『どら平太』と同じ原作だ。
 しかし、同じ原作なのに、毎回主役の仇名が変わって、それがタイトルになるってのは偶然なのか伝統なのか。実際ドラマの中で奉行所の書き役が望月小平太の仇名を聞くシーンが必ずあるしなあ。
 誰の考えることも同じ、と言いきっちゃうのは岡本喜八に悪いかも知れないが、ネーミングセンスからいえばやはり「どら平太」の方が一つ頭抜きん出ている。このネーミングは黒澤明の発案だそうだが、どうも岡本さん、黒澤さんと同じ題材で勝負するといつもいささか分が悪い。
 ……『どら平太』の監督が市川崑でよかった。黒澤さんが撮ってたら、岡本さんのテレビ版も敵わなかったかもしれない。いや、歴史にifは禁物かな(^^)。

 ストーリーはどの映像化もほぼ同じで、原作を忠実に描いていると言える。言い替えれば原作のヨワさもそのまま踏襲しているわけで、ラストであっけなく濠外の面々が降参してしまうのがいささか拍子抜け。そこにアイデアがほしいところだったが、その分、岡本喜八の映像化は役者の魅力でその辺を補っている。
 望月小平太の仲代達矢以下、当時の無名塾の面々(『どら平太』の役所広司もいる!)と、いつもの岡本組の役者たち、殿山泰司も天本英世もチョイ役だけどちゃんと出ているのが嬉しい。
 やはり山本周五郎には「軽み」が必要なのだなあ。

2000年10月15日(日) ステーキとモーレツとSFミステリと/『海底密室』(三雲岳斗)ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)