無責任賛歌
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| 2001年08月20日(月) |
クルーゾー再び/『パンプルムース氏のおすすめ料理』(マイケル・ボンド)ほか |
なんだか朝食のメニューがだんだん単純化してるような気がするのは気のせいだろうか。いや、気がするって言いかたすればそりゃ気のせいだってことなんけど。 ご飯にお浸し、味噌汁と牛乳。せめてもう一品、目玉焼きくらいは欲しいぞ。
今朝から看護婦さん指導による運動療法が再開。 台風が近づいているはずなのだが、外はやや曇っているだけで、風もそう強くはなく、雨が降る気配すらない。どうやら進路がそれて、九州には上陸しない模様である。 考えてみたら、この2週間、朝も昼も夕方も、運動中に雨に降られたことが一度もない。夕立なども結構あったのに、私が外出したときに限ってピタリと止むのである。日頃の行いがよいおかげかな(笑)。 盆休みの間も、私は休まず散歩を繰り返してきたが、他の患者さんたちが歩いているのを見かけることがほとんどなかった。 同部屋のお隣りさんなんか、堂々と「今日は行かん」と言い放ってた。でもその「今日」が毎日続くと、ふつー「サボリ」と呼ばれちゃうのだが。 他人から管理されないと動かないってのはオトナもコドモも同じなんだよなあ。 祖原公園前に集まったのは10人ほど。盆前と比べると何人かメンバーが変わっている。退院した人も多いのかなあ。もしかして私、取り残されてる? 公園は一周がほぼ600メートル、これを5分で歩かねばならない。カロリー消費量が綿密に計算されているのである。 私は昨日までと同じペースで歩いているのに、他の患者さんたちはみんな、一様に遅れていく。一週間、サボっていたツケが来ているのだろう。……みんな、こんなことで真剣に病気を治療する意志があるのかなあ。
今朝の血糖値、86まで下がる。 これだけなら健康体と言って構わないのだが、脂肪だけが一向に取れていかない。メーターで量った体脂肪量、20キロのラインがどうしても切れないのだ。 運動をしたあと計測すると、確かに脂肪量が減っているのだが、寝ている間にしっかり元に戻っている。 脂肪って、夜、作られるんだなあ。 それなら、夜、あまり眠らずにいたらいいのかと言うと、眠らないと体重自体も減らないそうで。……確かに、朝、起きると体重は減ってるのだな。カラダは夜作られる、ということらしいのだが、どうも感覚的には理解し難いメカニズムだよなあ。 それでもクスリを替えたおかげか、体重は微減しつつあるのだが、食事のカロリー自体、もうちょっと押さえておかないと、標準体重にはほど遠い。 運動のあと、近所のダイソーで電動ヒゲソリを買う。しょっちゅう風呂に入れるわけではないので、当座の便宜のためにであったが、さすがは100円、ほとんどモノの役に立たないのであった。 単三の電池が8本入りで100円、なんてのを見ると、かえってこれ使いものになるのだろうかという気にすらなってくる。「安かろう悪かろう」という思い込みがあるのだなあ。なぜ電池まで買わねばならんかというと、ゲームセンターのUFOキャッチャーで取ったクマのプーさんの置き時計に入れるためである。 また入院中なのに遊んでたのかと言われそうだが、ゲーセンだけにしか置いてない限定品、なんてのもあるので、つい手が伸びてしまうのである。まあ、娯楽が少ないなかでの気バラシなんで、勘弁してちょ。
昨日の24時間テレビで、研ナオコが48キロを完走したってんで、日本テレビ、朝からずっと、「感動の24時間!」と銘打って、その舞台ウラを紹介している。 こういう「感動」の押しつけって、かえってシラケるばかりでチャリティーとしては逆効果だと思うんだけどなあ。なんだかテレビ局が研ナオコをヨイショしてるみたいに思えて、気持ち悪くすらあるのだ。 本人は「仕事のために走ってるんじゃない、家族のために走ってる」ってコメントしてたそうだけど、あの、これってチャリティーのためではないわけ? そんな言い方されたら、「考えてみたらただ走ることがどうしてチャリティーに結びつくの?」という根本的な疑問(笑)にまで考えが至ってしまうぞ。 結局このセリフ、研ナオコの独善、思いあがりに過ぎないのだ。 足を痛めながら走りきった人に対してヒドイことをいう、とお怒りの方もあろうが、ちょっと待っていたただきたい。 確かに私も、アニメ『オトナ帝国』や『うる星4』での「走り」には感動しちゃうのに、ナマの人間の走りに何も感じないってのはどういうことなんだろうなあ、私の感覚がヒネクレてるせいかなあ、と一応は首をひねってはいるのである。けれど、ナマであっても、間寛平の走りのほうには毎回ちょっと感動しちゃってるんだよねえ。私も多分、やっかみでものを言っているわけではないと思う。 高橋尚子の笑顔には何か心打たれるものがあるけれど、有森裕子の「自分を誉めてやりたい」発言には「アホか」としか思えない、なんて差異も、感動できる走りとできな走りの違いに何か関係があるように思う。 走りきった研さんには悪いが、これはもう「研ナオコだから」としか理由が言えない。24時間テレビというワクの中で走ってるから感動できないというわけではないのだ。 マラソンが元から好きだったとか、なにかイワクがあるわけではないのに、なぜ研ナオコが走らねばならんの? という疑問がつきまとって離れないことが一番の原因なのだろう。 まあ、来年も再来年も研ナオコが走っていったなら、こんな「胡散臭さ」っていうのも消えていくのかもしれないけれど。
昼食はスズキのゴマ焼き、付け合わせ、ジャガイモの含め煮、メロンが100グラム。100グラムだからメロンと言ってもたいしたことはない。小皿に小さく切ったメロンが4、5切れあるだけだ。でも、これをわびしいと感じるのであれば、ちょっと贅沢に慣れすぎているということになるのだろう。 糖尿病教室も今日から再開。 今日はスライドで糖尿病治療の歴史の解説。 聞いてる患者さんたち、みんな「そんな過去の歴史なんか教えるより、どうしたら治療出来るのかを教えんかい」みたいな顔でやや憮然としている。 けれど私は、どちらかと言うと、そういう歴史的な知識を聞いてた方が、面白かったりするのだ。 「糖尿病の最も古い記録は、紀元前2000年、エジプトのパピルスにまで遡るんですね。……ハイ、これがそのパピルスです。(スライド映写)……ここに、その糖尿について、書かれてあるんですね、それがどこかと言うと……。わかりませんね。エジプトの文字なんで読めません」 ちゃんと冗談を交えて教えてくれるところもいいぞ。実際には「尿が甘く、腎臓が溶ける」と書いてあるそうである。やっぱり「尿が甘い」と解ったってことは舐めたか飲んだかしたやつがいるんだろうか。 世界史上最古の飲尿の記録である。恐るべしエジプト人。 「糖尿病治療の歴史はそんなに古いものじゃなくて、1921年、フレデリック・バンティングとベストによって『インスリン』が発見されたところから始まったんですね。 二人は血糖値を下げる物質が膵臓から分泌されてるんじゃないかと考えて、たくさんの犬から膵臓を摘出して、すりつぶしたんです。その抽出物を細かく分けて、それぞれの犬に注射すると、マージョリーという犬だけか、血糖値が2時間で50%下がったんですね。 その抽出物が『インスリン』だったわけです」 その後マージョリーは90日間生きたそうな。よくがんばったぞ、マージョリー。 後に、血糖値を下げることの出来るホルモンは「インスリン」しかないことが判明したとか。我々のカラダ、膵臓一つにかかってる面もあるのである。糖尿を「贅沢病」とバカにするやつもいるが、いったん膵臓が故障するともう二度と元には戻らないのだ。侮れる病気ではないのである。 村田英雄さんの切断した足の写真も見せられる。 自分の身にも起こり得ることだと思うと、「かわいそう」という感覚は全く生まれて来ない。仮に神経障害から壊疽を起こし、そんな状況にまで至ったとして、それでも自分に何が出来るんだろう、ということを考えてしまうのである。もちろん今はそうならないように努力しているわけなんだけれども。 夕食はおでんに冷奴、オレンジ。 授業を受けたあとだと、一食一食が大切なんだなあ、という気になるから現金なものだ。
テレビで『そんなに私が悪いのか』を見るが、今日は日本人の外国かぶれについての激論、ということだったが、争点が明確でないため、迫力に欠ける。 なんでみんな、こんなにアメリカ志向、ブランド志向が強いんだ、とデビ夫人が文句つけてるけど、アンタが言っても説得力が全然ないぞ。 また、アメリカで子供を産んで日本とアメリカの両方の国籍を取ろうとする親が増えている、という件については、パネラーの全員が大反対していた。……論争にならんやん。 外国映画の邦題はなんで現代のままが多いのか、という点について、おすぎが「映画会社に『日本語の専門家』がいなくなったのよ」と吐き捨てるように言ってたことは、痛烈な皮肉として配給会社の宣伝担当が真剣に考えなきゃならんことなんじゃないかな。 「『リバー・ランズ・スルー・イット』なんてワケわかんないじゃない!」……おすぎの怒りはよく解る。これと、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』は翻訳史上、最悪の邦題だと言えるだろう。田中小実昌か長部日出雄だったかが、「でも訳しようがないよなあ」みたいなことを昔、言ってたように思うが、別に原題に忠実にする必要はないのだ。 かつては『望郷(1937)』(“PEPE-LE-MOKO”) 『哀愁(1940)』 (“WATERLOO BRIDGE”)『慕情(1955)』(“LOVE IS A MANY-SPRENDORED THING”)といった、日本語二文字の邦題が多く見られた。簡にして要、これを単純すぎて印象に残らないと感じていては、逆に言語感覚が麻痺していると見なされても仕方あるまい。 そんなトンチンカンが、『荒野の決闘(1946)』(“MY DARLING CLEMENTINE”)を『荒野の決闘/いとしのクレメンタイン』なんて改題して再公開しちゃうのである。 「今の日本人には日本語はダサくて受け入れられない」というのはただの偏見である。『氷の微笑(1992)』(“BASIC INSTINCT”)のヒットは、日本語ならではのことだろう。 ……日本人も『赤影』に『RED SHADOW』なんてタイトルつけてんじゃないよ。
マンガ、桂正和『プレゼント・フロム・レモン』(集英社文庫)。 ジャンプコミックスで昔、買い損なっていたもの。 父の遺志をついで歌手を目指すという、芸能界版『がんばれ元気』。コンセプト自体は悪くないのだ。連載時、19週で打ち切りになっちゃったのは、キャラクター描写が余りにステロタイプすぎたせいだろう。 主人公がジャンプには馬の糞並にありふれている猪突猛進型の単純バカで、そいつが人の心を打つ歌を歌える、ということに説得力がないのである。
マンガ、CLAMP『エンジェリックレイヤー』1・2巻(角川書店)。 アニメを途中からしか見ていなかったので、設定が知りたくて買ってみたが、本当に『プラレス三四郎』だった(笑)。 主役の女の子がエンジェリックレイヤーの魅力にとりつかれるのは解るとしても、いくら何でも強くなっていくのが早すぎやしないか。それがどうも「親の血筋」のせいらしいというのがちょっと安易だなあ。
マイケル・ボンド(木村博江訳)『パンプルムース氏のおすすめ料理』(創元推理文庫)。 『くまのパディントン』で知られる英国作家、マイケル・ボンドによる大人向けユーモア・ミステリー。……しかし、『くまのプーさん』のA.A.ミルンといい、「くま」の童話を書く作家はミステリーも書くという法則でもあるのだろうか。 一読してわかるのは、この作品、小説として書かれた『クルーゾー警部』だということだ。 元パリ警視庁警視で、今はグルメガイドブックの覆面調査員、パンプルムース氏が、有名ホテルレストランでなぜか謎の男たちから命を狙われ始める。身に覚えのない氏は右往左往、愛犬ポムフリットとともに犯人探しに乗り出すが、間一髪のところで命は助かるものの、色情狂のマダムに寝こみを襲われたり、義足のフリをしなければならなくなったり、「なんで私がこんな目に」状態。 最高のギャグシーンは、マダムから身を守るために、氏が、知り合いの故売屋に高性能のダッチワイフ男版(ダッチハズって言えばいいのか?)を頼むところ。空気を入れて膨らますところは当然アソコなワケで、一生懸命、モノを膨らましている最中に案の定、部屋に入ってくるメイドさん。 「きゃー!」 ……いやあ、こういう下品なギャグは大好きだ(^◇^)。 何を勘違いしたのか、解説の村上貴史、「エロチックではあるものの、全体としては上品で穏やか」とトンチンカンなことを言っている。 『モンティ・パイソン』を洗練されたエスプリに基づくギャグ、と勘違いしてる人は多いが、それと同じ誤解をしてるんだよねえ。あのね、この小説は、ただひたすら「下品」なだけなの。 この解説者には、そして訳者もそうだが、なぜイギリス人作家がフランスを舞台にミステリを書いたかと言うことがまるでわかってないのだろう。もしかして英仏戦争の長い歴史すら知らないんじゃないか。 もちろん、多少の知識さえあれば、原著者の意図がフランス人をバカにすることにあるのは明白に気がつくことなのである。 犬を登場させてるのも、作中のマスコットというだけの意味ではない。どう見たって、犬のほうが人間である氏よりも事件解決のために活躍しているのだ。つまり「フランス人は犬以下」だと言ってるのよ、これは。 翻訳者もバカなんで、訳が生硬で読みづらいんだよね。 マダム・ソフィーに襲われた瞬間、氏はとっさに枕元にあった燭台を“逆さにして”股間に挟み、身を守るのだが、上にのしかかってきたマダムは、見事その燭台の上にホール・イン・ワン! 「あはぁ〜ん(* ̄∇ ̄*)」 こんなアホなギャグだってのに、実にマジメに訳しているのだよねえ。なんだよ「両足の間」なんて味も素っ気もない訳は。「股間」と呼べ、「コカン」と! 「道具」じゃないだろ、「ナニ」だよ「ナニ」!(「アレ」でも可) 「うめき声」「うなり声」じゃない、「あえぎ声」だ! 既に本国では17冊がリリースされてるこの人気シリーズ、日本では売れなくて2冊しか出てないというのは、ひとえに訳者がバカで無知だからである。もったいない話だなあ。
2000年08月20日(日) 眠い日/『大江戸化物図譜』(アダム・カバット)ほか
| 2001年08月19日(日) |
毛が三本/『ふざけるな専業主婦』(石原里紗)ほか |
カレーライスが食べたいぞ。
ラーメンでもいい。
牛丼、カツ丼。……なんて素敵なんだ。
ハンバーガーだっていいんだ。
そう、今、私は「チープな庶民の味」に飢えているのである。 別に糖尿だからって、食っちゃいけないものじゃないんだけどなあ。どういうわけだか、食堂のメニューには全く姿を見せないのだ。 たまに出すくらいなら構わないはずなんだがなあ。 ……そろそろ、そういうのを出してくれないと、退院した時、反動で思いっきりカロリーの高いものばかり食べちゃいそうで怖いのよ。 今朝の食事は、トーストにベーコンの煮付けだけ。 この程度なら朝食なんて抜いちゃって、そのカロリーの分だけ、昼にまとめて食べたいよ。
今朝の起床は6時半、ちょうど『美少女戦士セーラームーンR』の再放送が始まっていたので、ぽや〜っと見る。 レイちゃんの爺ちゃんがダンス教室を始める話。 マンガの単行本だけは買ってるけど、アニメの方は全然追っかけなかったから、キャラクターの背景なんかが全然分らないのである。私ゃやっぱりトシヨリのオタクなんだよなあ。 作中、「いつもクールなレイちゃんが」なんてセリフが出てくるが、レイってそんなキャラだったっけ? チラッとだけ見たことのあるエピソードを思い出してみても、やたらとうさぎとライバルみたいに張り合ってたような気がするんだけど。第一、富沢美智恵をキャスティグした時点で「クール」とは縁遠くなってると思うんだけどねえ。
『パワーパフガールズ/まだまだイケてる!?』の巻。 今回の敵は、第2次大戦前に活躍した老人悪党トリオ、ミニストリー・オブ・ペイン(「ペイン」は「苦しみ」とか「痛み」、「ミニストリー」は「内閣」。「痛みの内閣」って小泉首相かい)。 「ダメよ! お年寄りは大切にしないと!」ってなわけでガールズたちは戦えない(笑)。困った三人、矢張りかつてのヒーロー、今はヨイヨイのキャプテンライチェスと相棒レフティに頼みに行く。 さあ! いよいよ始まる老人バトル! ……って、みんな全身骨折で病院送り。よく放映できたな、こんな老人虐待アニメ。 邪魔するものは誰もいないので、『アギト』『デジモン』『コメットさん』まで一気に見る。大場久美子、夏休み編だけかと思ったらレギュラーになっちゃったな。でもチョイ役でしか使わないなんてメチャもったいなくないか。
父からいきなり電話がある。 病院は基本的に電話の取次ぎをしないので、電話が入ったら外出してこちらから電話をかけ直さなければならない。 「保険証書は見つかったや?」 「あったよ。一回ウチに帰って探したら、すぐ見つかったよ」 「なんや、わざわざ帰ったとや」 「だってしげが『見つからない』って言うからしかたないやん」 「……どうしようもないなあ、おまえの嫁さんは」 ほら見ろ、親父にも呆れられたぞ。こうなると解ってたから、絶対に探し出せと言っておいたのに。 ちょっとマヌケ、くらいなら可愛げもなくはないが、印鑑とか証書とか、そういう大事なものをなくしてちゃ話にならんと判断されるのは当たり前だ。……いや、「なくした」わけじゃなく、そこにあるとわかっているのに「見つけられなかった」のだからなお悪い。 普通、そこまでのバカがいるなんて、信じられることではないから、しげをよく知らない人は、しげが「わざと見つからないフリをしている」と思い込んでしまうのだ。 この十年、毎回毎回「その大雑把な性格改めろ」と言ってるのになあ。自分に改善する意志がなきゃどうしようもないのである。 父の話によると、しげの携帯に連絡入れても全くつながらなかったと言う。携帯を新しいのに取り換えたこと、連絡してなかったのだ。また肝心なところでドジを繰り返してるぞ。 後で、しげの携帯の留守電に事情を吹きこんでおいたが、気の利くヨメなら、ここですぐに父に謝りに行くか、なにかお土産の一つも持って行くくらいの機転は働くもんだが、どうせしげにはそんなアタマすらあるまい。 いったいどうやったらこういうバカが作れるのだ。 神の御心は謎だ。
台風11号が九州に近づいてきている。 週間天気予報を見ると、明日、明後日は雨だそうだ。 となると、外を回って運動するってわけにもいかないだろうから、今日のうちにできるだけ散歩しておこうと、本屋などを回る。 もう相当に荷物が増えてきているし、いい加減で本は冷やかしで見るだけにしておこうと思うのだが、実際に行ってみると「あ、こんな新刊が」と、つい一、二冊ずつ買ってしまうのだねえ。 もうしげは見舞に来る時間がないということだから、余り荷物を増やしすぎると、退院するとき地獄を見る事は解りきっているのだ。 なのに、また一軒、マンガ専門の古本屋を見つけてしまう。 うわあ、あ、赤塚不二夫の『おそ松くん全集』(曙出版)なんてのがズラリと並んでいるぞ。奇想天外社の山上たつひこ作品集や、吾妻ひでおの『日射し』その他の純文学シリーズまである。ああっ、真崎守の『エデンの戦士』が! どれもこれも今や絶版、その辺の価値は古本屋のほうにもわかっていると見えて、軒並み千円から五千円の値がついている。 ……こんなん全部買ってたら、金がいくらあったって足りんわ。 でも『エデン』だけは多分、復刻なんてほとんどされまいから、と思い、つい買ってしまう。 本に関しては、私も自分で自分の首を絞めるマネをしちゃっているのだなあ。
夕方5時20分から(中途半端な時間だなあ)、『エンジェリックレイヤー/誰かが恋してる』。 今回バトルは全くなく、お話はキャラクターたちの海辺でのバカンス(これも死語か?)。作画の骨休めのためのエピソードかと思ったら、どうしてどうして、ちょっとした仕草、振り向く、俯く、目線を外す、肩を落とす、髪が揺れる、この辺が全部ひとコマないしはふたコマ作画。 ……リキ入り過ぎだぞ。 ストーリーはよくある片思いものでつまんないんだけど、こりゃ本気でアニメグランプリとか狙ってるんじゃないか。
2時間の拡大版、『夏祭りはもう行った? こち亀&ワンピーススペシャル』。 スペシャルったって、盆で1週お休みした分、今週W放映しただけなんだけどね。作画がレベルアップしたってわけでもない。 それにしても『ワンピース』、展開がたるいたるい。引き伸ばしは『ドラゴンボール』以来の伝統なのか? せめて、今の3話分を2話でやるくらいのスピードでいかないと、ドラマの厚みってものがないと思うけどなあ。 原作は既に海賊ものからはかけ離れてしまってる。というか、『ドラゴンボール』の亜流の「対決もの」に成り果てている。 前みたいにオリジナルな話を入れて、ちゃんと「海賊もの」にして他の作品と差別化を図っていったほうがいいんじゃないかと思うけど、ジャンプの読者は未だに「勇気・友情・勝利」の話しか読みたくないのかな。
マンガ、あろひろし『無敵英雄エスガイヤー』(白泉社・520円)。 古本屋で見つけたんで、もう数年前の作品。あろさん、ヤングアニマルにこんなの連載してたんだなあ。 あろひろしの評価って、結構ムズカシイと思うのである。 昔はギャグもSF設定も、あさりよしとおあたりのパクリばかりやってたせいか、決して高い評価は受けていなかったと思う。SFマニアにありがちな排他性というか、「どうだ、このギャグ面白いだろう。このセンスがワカランやつはバカだな」とでも言いたげな、あるいは自分の知恵をひけらかすようなギャグが多くて、いささか鼻につく面もあった。 それが『雲海の旅人』や『トリックスター』あたりから、少しずつオリジナルな感じのものも作れるようになってきていたので、「おっこれは」と注目し始めたのだが、そのころにはこの人の昔ながらの「アニメ絵」が「古くさい」感じになってきた。 基本的に、ごくフツーの主人公が宇宙人だの雪女だのロボットだのという、ヘンなやつらに翻弄されるという『うる星やつら』パターンのものを得意としているが、この人の最盛期には『天地無用!』シリーズという同パターンの強力なライバルのほうにオタク連中は走っていたので(笑)、あろさん、余り注目されないままだった。 ちょっと運がない人だなあ、と思うのである。 私もできるだけ追っかけて読むようにしてるんだが、長期連載がめっきり減って、単発ものが多くなってるんで、買い損ないも多い。 『エスガイヤー』、地球の平和を宇宙害虫から守るために、ごくフツーの予備校生に与えられた三体の人間型ロボット(当然女性形♪)。 見た目は女の子でも所詮ロボットだからやることはトンチンカンってのが定番ギャグ。定番だからこそ、うまく話を転がせられれば、相当面白くなると思うんだが、やっぱりキャラデザインが弱いのだなあ。 主人公の涼一に魅力がないし、エスガイヤーのデザインがダサすぎ。 1巻で打ち切りにあったのも無理はない……いや、そもそも「アニマル」の読者層に特撮パロディは合わんだろうに。
石原里紗『ふざけるな専業主婦 バカにバカと言って、なぜわるい!』(新潮OH!文庫・550円)、『おまえとは寝たいだけ ヒドイ男とおろかな女』(光文社知恵の森文庫・540円)。 先日見たテレビで興味が湧いたので、つい購入。 うーん、確かに「専業主婦VS働く主婦」というコンセプトは読者の興味を引くに充分だったとは思う。 実際、私も、男と女のカップルは、どちらも働いてた方がいいと思ってるほうだ(もちろん家事も折半)。専業主婦を蔑むつもりは毛頭ないが、この本にも描写されてるとおり、「自分の主婦という立場の不安定さから目を逸らすために、働く主婦を、無意識に目の敵にして蔑む」専業主婦がいることは事実である。 専業主婦を「家畜」と譬えるのは、言い過ぎだ、と思う人もいようが、これは本を売る手段の一つなのだし、第一私はこんなのはまだまだ「優しい」言い方だと思ってる。 例えばウチの場合、働いてない時のしげなんか、「家畜」どころか「寄生虫」だ。どんなにしげが文句を言おうが、事実は事実。寄生されてるこっちにしてみりゃ、マジで「バカをバカと言って何が悪い!」と悪態の一つもつきたくなるのだ。 ……だったら私は筆者に全面的に賛同してるかって言うと、全然そんなことはないのである。 だって、「専業主婦」がバカであるからって、別に「働く主婦」がリコウだってことにはならないのよ。「働く方が正しい」と言いきっちゃった時点で石原里紗もバカなのである。 「働いてることを他人にとやかく言われる筋合いはない」 なら、「家事に専念してることだって、他人にとやかく言われる筋合いはない」のだ。人は人、自分は自分、そんな簡単なリクツもわからんから筆者は攻撃されてんじゃないのか。 こういうバカ女が、ダメ男から見たら一番、騙しやすいんだよねえ。 「働くこと=女の自立」という単純なリクツにアイデンティティを見出してるから、たとえ相方の男が無職でも全然平気。男は、女に働かせて貢ぐだけ貢がせるってことが充分、可能なのだ。 マジメな男と離婚して、カラダだけ求める男に走ってるんだからねえ。「だめんずうぉーかー」に投書して、会員になったらいいのじゃないかな、石原さん。それにこんなクダラン争いしてたら、「女はやっぱり毛が三本足りない」と、「女全般」が侮られることになるぞ。それでもいいのかな?
須藤公博『夜作られた日本の歴史』。 歴史上の人物にどれだけスケベが多かったかって話で、まあ、雑学集のちょっと長めのものと言えばいいか。 オビに「『新しい歴史教科書』への批判の書にもなりうる一冊」とか書いてあったから、どんなにスゴイ内容かと思ったが、そんな大層なもんじゃなかった。既に知ってる話ばかりだったし。 この手の本にはたいてい「道鏡」のネタが載ってるものだけど、一切触れてないのは、一応「事実」だけを扱おうという姿勢なのかな。
お隣さんの喫煙グセ、一応控えるようになったのだけれど、今度は夜、寝付けないのか、深夜に何度も起きてはテレビを点けて見ている。 一応、イヤホーンをしてはいるのだが、耳が遠いのか、ボリュームを一杯に上げているので、どうしたって音が聞こえてくるのだ。 おかげでやっぱり、眠ったかと思うと起こされる。 やっと寝てくれたかと思うと、今度は超特大のイビキ。 「ぐー、ぐわっ、ぐげっ! ……ずずずずず、ぐおがっ! ……すすすす、すぴー、ごう、すぴー、ごう ……ごげげっ!」 誰か助けて……(T∇T)。
2000年08月19日(土) 今日、彼氏彼女は相々傘であった/『占い師はお昼寝中』(倉知淳)ほか
| 2001年08月18日(土) |
オトナの玩具はコドモ/『悪魔の手毬唄』(横溝正史・つのだじろう)ほか |
8月3日、埼玉県東松山市のショッピングセンターの駐車場に停めてあったワゴン車から、生後6ヶ月の赤ちゃんがさらわれて7時間後に保護された事件、犯人は18歳の女子短大生だったとか。 動機は、「車内で赤ちゃんが泣いていたのを見てかわいそうになって」と供述してるらしいが、さて、そりゃホントのことなのかねえ。 それだったら、連れ去ったりしないで、ショッピングセンターに赤ちゃんを抱いて行って、「この赤ちゃんのお母さんは誰ですか! なんで車の中にほったらかしにしてるんですか!」と親を叱りつけてやればいいのである。 衝動的な犯行であることは確かだが、その「衝動的」ってところがやっぱりこの犯人、ちょっとイカレた傾向があったんじゃないかと思えて仕方がない。 あるいは男に捨てられたばかりだったとか。その男の子供を宿してたんだけど流産した、なんてことだったりしたら、いきなりトチ狂って赤ん坊をほしくなったりもするんじゃないかね。 勝手な憶測はするもんじゃないけど、犯行の動機がどうにも腑に落ちないので、つい、いろいろと考えちゃうのである。解決とは言っても、人の心の奥までが見えたわけじゃない。本当のホンモノの真相なんてのはカミサマにだってわかりゃしないのである。
兵庫県尼崎市の運河に、勢田恭一くん(6歳)の遺体が捨てられていた事件、逮捕されていた母親が、ようやく虐待死と遺棄の事実を認める供述を始めた。これまでは「無実です」一辺倒だったのに、なにがきっかけで自白する気になったのかな。 物的証拠を突きつけられて観念したってところなのかもしれないが、だいたい、他に容疑がかかる人間もいないし、逮捕された時点で観念せざるをえない状況だったはずなのである。だからこそ夫婦ともに、捕まったらそれまでだと大暴れしてたんだろうし。 のワリに、どうしてこうも往生際が悪かったのか。というか、それ以前にどうして捕まる前に逃げ出そうとしなかったのか。まさか黙ってフツーに生活してれば、どうにかなるなんて甘いこと考えてたわけじゃないよなあ。 「殴ってたら死んだ」ってのも、バカじゃねえか、としか言いようがない。そりゃ殴り過ぎればオトナだって死ぬわい。事件自体は陰惨でむごたらしく、殺された恭一くんが余りに哀れでならないのだが、犯人の両親のバカっぷりのほうが目立ってるような気がしてならないのである。
栃木県黒磯市で秋元美穂ちゃん(7歳)が誘拐され、無事保護された事件も、犯人の目ぼしがついたらしい。美穂ちゃんが犯人の特徴を随分細かく覚えていて、犯人二人のうち、「顔中にホクロがあって前歯が欠けてる男」の似顔絵にソックリなヤツがいるそうだ。 しかもこいつは事件後失踪している。さっきの恭一くん殺しの夫婦よりは頭がいいというべきか。 でもそれだって、まあ、まだマシかなって程度で、証拠をやたら残してる点でやっぱりバカなのである。……捕まえて、ただ逃がすだけって、キャッチ&リリースかってーの。 多分、犯人は、美穂ちゃんをいったんは誘拐してみたものの、ニュースで警察にバレたことを知って怖気づき、慌てて解放したのだと思う。でも、本当によく殺されなかったものだ。凶悪な犯人だったらメンが割れてるからって、殺してどこかに遺棄してたりしてたっておかしくはないのに。
気になるのは、どの事件も解決に向かっている理由が、別に警察の優秀さのおかげでも何でもなくて、犯人のバカさ加減にあるってことだ。 いや、「犯人もっとしっかりせい!」って言いたいんじゃなくてね(^_^;)、ちょっと頭のいい犯人だったら、これらの事件、全部迷宮入りになってたっておかしかないってことなんだよ。 警察にしてみれば、「犯人がバカで助かった」ってとこだろう。 でも、こんな警察にとってラッキーな事件ばかりが続くはずはない。これから先、幼い命が断たれても、未解決のままで終わってしまうって事件もどんどん増えていくのではないか。
これらの事件、やはりあの大阪の池田小学校乱入殺傷事件の余波なのではないかと思うのである。 あの事件は世間に対していったい何を知らしめたのだろうか。 潜在的な犯罪者予備軍(もちろん殆どの人間がそうであろう)に対しては、「どんなに力のない大人でも、弱い子供が相手なら自由にできる」という認識を与えてしまったと言えるのではないか。 岡田斗司夫さんが指摘したように、現代社会の「自分の気持ち至上主義者」たちは、内実を伴わない自分自身の個性に押しつぶされて、生きてるだけでストレスを感じるようになっちゃってる。 だから確実に断言できるのだ。 子供が犠牲になる犯罪はもっともっと増えるだろうと。 「キレる大人」たちは、自分たちの欲望をぶつけるための格好の「モルモット」を見つけてしまったのだから。
朝、テレビで『ウルトラマンダイナ』の再放送をやっていたので、何の気なしに見る。本放送時、山田まりやが見たくって初めの数話だけ録画はしてたのだが、ストーリーがアホだったのと、山田まりやのボディラインをまるで生かしていない隊員服に幻滅して(おいおい)、見るのをやめていた。 そういうわけだから、本当に何の期待もせずに見たのが『第41話 ぼくたちの地球が見たい』。 実に期待を裏切らないアホな話(^w^) 。 宇宙ステーションで生まれ育って、地球の大地を踏みしめたことがない子供たちを乗せた輸送船が、地球にやって来る途中で、宇宙昆虫ダイオリウスに襲われて卵を生みつけられるってんだけどね。 まあ、「宇宙昆虫」ってアイデアはギリギリセーフかなと。外骨格だから真空中でも生きてられるんだろうってことで。 でも、羽ばたいちゃイカンよ、宇宙空間なんだからさあ。 こんな子供ダマシの映像作ってるから小学生にだってバカにされるんだよ。
平成ウルトラマンシリーズを評価する人は多いけど、なぜなのかね。 私も全ての作品を見てるわけじゃないが、丁度たまたま見たヤツは全部クズだったんだが。 デパート屋上のアトラクショー並のストーリーのどこに感動しろってのかね。 『劇場版ウルトラマンコスモス』もバカ映画って評判だし、見に行こうかどうしようか未だに迷うんだよなあ。
朝食は切干大根と人参の煮付け、味噌汁に牛乳。なんかこれっていう目玉がない。退院しても朝はこんなもので押さえとかなきゃなんないんだろうなあ。 運動がてら、岩田屋まで足を伸ばしてリブロへ行く。本屋回りもすっかり日課になっちゃったけど、こんなにしょっちゅう本屋に行くのは大学のとき以来かも。 少年ジャンプの別冊か何かに、『ヒカルの碁』アニメ化の情報が載っている。 ヒカルの声優は『少女革命ウテナ』『宇宙海賊ミトの大冒険』の川上とも子さん。特にダメって印象はないな。藤原佐為は千葉進歩、塔矢アキラが小林早苗。この二人については詳しく知らないので、声を聞いてみないことにはいいとも悪いとも言えない。 それにしても、スタッフの紹介が全く記載されてないのはなぜなんだろう。アニメファン=声優ファンって認識はとっくに過去のもんだと思ってたんだがなあ。もっとも未だに『ボイスアニメージュ』だの『h.m.3』だのって声優雑誌が何種類も発行されてる事実を考えると、アニメそのものより声優をターゲットにしたファン層の方が厚いってことなのかねえ。 マンガの新刊を何冊か買ったあと、ゲームセンターに寄って、UFOキャッチャーでヘッドホンをゲット。……こんなことしてるから、しげから「ENJOYしてるね」なんて皮肉を言われちゃうのだ。でも、病院で支給されたイヤホーン、耳に嵌めてるとどうしても耳アカがたまっちゃうし、100円でヘッドホンを手に入れられたんだから、すごく安上がりだったんだよう。
昼食はおかめうどん、ゆかり和えにパイナップル数切れ。 うどんのつゆはやっぱりさっぱりした薄味。献立表の材料のところを見ると、砂糖1g、薄口醤油8g、みりん2gにダシ汁が200g。このくらいのほんのり味が私の舌には合うので、私自身に文句はないのだが、他の患者さんたちは物足りなかろうなあ。
芝居の台本を見ながら、中で使う予定の曲に歌詞を考えて当てる。 もともとこの脚本自体、私が書いたもので、それには既に詩を書いておいたのだが、しげが「この曲がイメージに合う」と探してきた曲が、その詩に全く乗らないのである。 で、結局、作詞を一からやりなおさねばならなくなったのだが、イマイチいいフリーズが思いつかず、中断する。
気分転換にテレビをつけると、今日から毎年恒例の24時間テレビ。 いったい今年で何回目になるんだろう。第1回の総合司会が欽ちゃんとピンクレディーだったってこと覚えてる人も少なくなったろうなあ。……第1回だけは私もさすがに募金しちゃったね。5000円くらいだったと思うけど。もちろん、ピンクレディーのためにだ。えへへ(* ̄∇ ̄*)。 いや、あの時のテーマソング『OH!』は名曲でしたね。「LOVEという字がなくなった〜♪」って、誰も知らんな(^_^;)。 今はもう、「愛は地球を救う」ってテーマも、謳ってないんだなあ。もしかして毎年変えてるのかねえ。で、今年のテーマは「家族って何?」。
多分、福岡だけの番組なのだろう、オープニングドラマとして、テーマをそのままタイトルにした『家族って何?』ってのを放送していた。主演は田中健、高橋ひとみ。福岡出身者ってことで制作してるのかな。 田中健が保護監察官に扮して、グレた少年を構成させるって話なんだけど、いくらテーマが家族だからって、少年のグレる原因が「母親の再婚」って、いくら何でも古臭すぎないか……? 「母さんは父さんのこと忘れちまったんだな!」って、離婚すりゃ忘れるよ、普通。ましてやかつての夫は布施博だぞ(^▽^) 。 福岡放送のキャスターたちが大挙して出演、シロウト演技を披露しているのもイタイ。しかもみんながみんな説教臭くってよ。 どうして地方のドラマってのは、どれを見ても山田洋次ですら扱わないような松竹大船浪漫を追い求めちゃうのかねえ。……それともこれは、橋田壽賀子の悪影響か?
チャンネルを変えて『ウルトラマンコスモス』を見ている最中に、しげが見舞いに来る。画面を見るなり、「なんで嶋大輔が隊長!?」と目を丸くする。もっともだよなあ。小林昭二、中山昭二、塚本信夫(ああ、みな故人)と続いてきた毅然として名誉ある隊長の末裔がヤンキー上がりだもんなあ。 しかし「EYES」の制服もやっぱりボディーラインを隠し過ぎだよなあ。いったい何のために坂上香織を起用しているのだ。脱げとまでは言わん(脱ぐわきゃないが)、せめて私服のシーンを増やせ。 ……実は私は、未だに『電影少女』時代の坂上香織のファンなのである。『らんま1/2』のED、『プラトニックつらぬいて』を歌ってたころまでは正統派アイドルだったのになあ。最初に脱いだのはもう十年前、18歳のころか。当時、アイドルラインを外れるにはちと早すぎるんではないかい、とか、そんなに簡単に脱ぐんだったら、『電影』でも脱いどかんかい! とも思ったものであった。……なにかツライことがあったのかなあ。 でも、この『コスモス』で『ウルトラ』のファンになった子供たちも、思春期になって『藪の中』や『マトリの女』、『卍』なんかを見て、「ボクのシノブ副隊長があんなことされてる!」とか言って傷ついたりするんだろうか。 まあ、私の場合、桜井浩子やひし美ゆり子がヌードになってることを知ったのは思春期も遥かに過ぎてだったので、ホンのちょっとの傷ですんでるけど。 今日の話は『怪獣一本釣り』で、主演がドイガキ隊員の須藤公一。「スドーまで出てるの!?」としげがまた驚嘆。なんか昔『あっぱれさんま大先生』に出演してた子役だそうな。特撮モノは昔も今も、いろんな人が面白い役で出てるのが意外やら笑っちゃうやら。 今までで最高だったのは『ウルトラマンレオ』の蟹江敬三の「ブニョだよ〜ん」だったな(o⌒∇⌒o)。
『コスモス』、今回の話はまるで往年の『ウルトラマンタロウ』を髣髴とさせるオチャラケ路線だったので、特に最後まで見ることはないかと、夕食に行く。メニューはかんぱちの照り焼き、シューマイに豚ロースの角煮、キウイフルーツ。 食べ終わった後、病室で待っていたしげに「何食べた?」と聞かれたが、とっさのことで「かんぱち」という言葉が出て来ない。というか、食ったものの記憶なんて、殆ど食い終わった瞬間に忘れているのである(この日記でメニューをきちんと書けるのは、献立表の記録をメモしていたおかげ)。 「食は文化なり」ってこと、納得もしてるし、唐沢俊一さんの「食について書かれてない日記は日記ではない」っていうリクツも解りはするんだけど、なかなか「料理の美味さ」なんて、文章に表せないんだよねえ。味の記憶上の再現ってのが人間には一番ムズカシイことなんじゃないかとも思うのである。
シナリオの打ち合わせを簡単にする。 歌詞がうまく曲に乗らないことを説明して、「曲自体、変更できないか明日の練習のときにでもみんなと検討してみて」と頼む。 しげはなんとなく不満そうだが、しげの探してきた曲、ムードはあるけれど、今いちギャグとしての効果に欠けるのである。
しげと外出して、古本屋などを回る。 今朝行ったばかりなのに、またリブロにも行っちゃったよ。 初めて入った古本屋で、臼井儀人『クレヨンしんちゃん』6巻、なんと『アクション仮面VSハイグレ魔王』の帯付きがあったので、迷わずゲット。……よくこんな9年前の単行本が残ってたよなあ。 西新は、ここのほかにも何軒か、「BOOK・OFF」のようなチェーン店ではない、昔ながらの古本屋が何軒かある。退院するまでにできるだけ回ってみて、めぼしい本を探してやろうっと。 『ヒカルの碁』の声優の話、しげに告げたが、余り意に沿わないようなそぶり。「よしひと姐様が、どうせなら『ミスター味っ子』みたいに、原作離れてバカみたいにやってくれたほうがマシ、なんて言ってたよ」と教えてくれる。 ……碁盤が光って爆発でもするのか。 これがホントの「光るの碁」。……座布団一枚、取んなさい。 リブロで、マンガを物色しながら、しげとムダ話など。どっちかと言うと、買い物そのものより、なにげなく私と会話してた方がしげは楽しいのだろうな。 「あのね、シイナさんの奥さんって、福岡の出身なんだって」 「だれだよシイナさんって。誠か」 「違うよ。シイナさんと言ったら椎名高志さんだよ」 「決まってねえよ、そんなこと」 「で、椎名さんも今、福岡に帰省してるんだって。どこかですれ違ってるかもね」 それはまずないな。なんだかなあ、しげってこの「偶然の出会い」っつ〜か、「運命の邂逅」ってシチュエーションがえらく好きなんだよね。やっぱりこれって、女性の「オンリーユー・フォーエバー症候群」の典型なのかねえ。……でも私としげとは赤い糸で結ばれてるって言うより、しげの赤い投げ縄が私の首に引っかかってるって感じなんじゃないかって思ってるけど。
時間が7時を回ったので、しげと別れてコンビニでお茶やむ雑誌を買う。 入院してると外出の時間も限られるので、いつもは立ち読みですましている『SPA!』や『ダ・カーポ』なんかもつい買ってしまう。
『SPA!』は西原理恵子の『脱税できるかな』集中連載が抜群に面白い。 いやマジですごいよ、コレは。 第二回で、一億円の追徴課税を五千万まで値切って、なおもまだ「誰が払うか!」と開き直っているぞ。 と言うか、値切れるのか税金って。 特集、『映画通が選ぶDVD』、加藤夏季が「ヒロインで見るアニメ映画」というお題で、『BLOOD THE LAST VAMPIRE』『天空のエスカフローネ劇場版』『ああっ女神様っ劇場版』『新機動戦記ガンダムW ENDLESS WALTS 劇場版』『アキハバラ電脳組 2010年の夏休み』の5本を挙げている。 ……映画の出来不出来はこの際、関係ない。 こりゃ、ホンモノのオタクアイドルだよ。西村知美の非ではない。こうなりゃ火田七瀬もシャンブロウも阿素湖素子も、みんな加藤夏希で映画化してもらおう! ああ、『ステーシー」、福岡じゃ公開しないのかなあ。先にDVDが出ちゃうんじゃないか。私は劇場で見たいんだよ! 筒井康隆も出るって言うのに。
8時から『USOジャパン』見る。 幽霊がお化け屋敷のエレベーターに篭っているという九州熊本県のMランドって、全然仮名になってないやんけ。 お隣りにシュワッチ「Uランド」もあるとこだよ。 いかにも胡散臭い女祈祷師が除霊してたんで、今はなにも出ないと思うので、安心して遊びに行こう。 ……実は九州に住んでいながらまだ一度もMランドにもUランドにも行ったことがないのだ。これでウルトラファンを名乗ろうとは片腹痛い、と言われそうだし、しげがまだ童顔のうちに、ちょっと頭の足りない女の子を連れてるように見せかけて遊びに行きたいな。
マンガ、魔夜峰央『親バカ日誌』(白泉社)。 確かこの人、『より抜きパタリロ狂騒曲�供戮離灰瓮鵐箸如◆屮泪鵐�家が私生活のことを読者に知らせるのは結構弊害があってよくない」とか書いてたんじゃないかなあ。 昔、「花の独身ミーちゃん28歳」とか書いてたのを“今でも”そうだと信じてる読者がいるそうである。魔夜さんはバンパイアか。 と言うか、こういうマンガを描いたってのは、「もう私は結婚してて子供もいますよ〜」と昔の読者に知ってもらうためだったのかもしれない。 でもそれで離婚でもしちゃったら、離婚マンガも描かなきゃならなくなるよなあ。内田春菊だよ、それじゃ。 離婚はないにしても、子供がグレる原因になる可能性はあるな。それもマンガに描いたらすごいんだけどね。
マンガ、横溝正史原作、つのだじろう作画『悪魔の手毬唄』(講談社漫画文庫)。 昭和50年代、あの空前の横溝正史ブームの真っ最中に、怪奇漫画を描かせるならこの人ということで白羽の矢が立ったのだろう、つのだじろうの手によって描かれた一連の金田一耕助シリーズの一編の復刊。 他に『犬神家の一族』『八つ墓村』があり、これも漫画文庫で復刊される予定らしい。それならついでだから、本来完結編として描かれる予定だった『病院坂の首縊りの家』も新作として発表してほしいなあ。当時は原作の連載が長期化して、漫画化が中止されちゃったのだ。 『手毬唄』のマンガ化に関しての最大の変更は、舞台を昭和30年代から現代(50年代)に移したことだろう。殺される三人娘がトップレスのアイドルグループってのも思いきりエロな改変だし、手毬唄自体、彼女たちが歌っている歌謡曲ってことになってる。 でもそれよりも原作ファンが怒るのは、金田一耕助が、和服ではなく洋服姿だってことだろうな、しかも丸メガネに口ヒゲの小男(^o^)。 「どうして原作通りじゃないの!」といきり立った女性ファンは多かろうが、実はこれ、必ずしも原作無視とは言えないのである。なぜならこのキャラクターデザインは、原作者の横溝正史が金田一のモデルにした劇作家、菊田一夫そのまんまなのである(ちょっと菊池寛も入ってるような気がする)。 横溝正史が初めて出会ったときの菊田一夫は、作家部屋でゴロゴロしていた和服姿の書生であった。後に、功成り名を遂げて菊田は洋装するようになる。だから金田一も現代では洋装している、というわけ。 更に言えば、金田一が変装して犯人を追いつめるのは、映画の片岡千恵蔵が金田一を変装の名人としていたことへのオマージュである。 その辺を押さえて読めば、この本、マニアには楽しい一冊なのだ。 解説の二階堂黎人、そういった制作事情に全く触れようとしていない。つのだじろうの経歴を紹介するのはいいけれど、これが『悪魔の手毬唄』の漫画化だってこと、忘れちゃ困るんである。
2000年08月18日(金) 気が滅入る話/『明日があるさ』(林原めぐみ)ほか
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2000年08月17日(木) 明日から仕事/『夜刀の神つかい』(奥瀬サキ・志水アキ)ほか
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2000年08月16日(水) 橘外男&中川信夫ワンダーランド/映画『女吸血鬼』ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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