無責任賛歌
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| 2003年03月10日(月) |
春天来呀、快天来……字が出ねえや/CD『烏龍歌集 chai[チャイ] 』/『虎よ、虎よ!』(アルフレッド・ベスター) |
サントリー烏龍茶のCMソングを集めたCD『烏龍歌集 chai[チャイ] 』を繰り返し聞く。 いや、これがマジでイイんだよ。透明感があって、どこかユーモラスでもあって。 あぐにさんから奨められて買ったやつだけど、本でも映画でも音楽でも、「これはいいよ」と奨められたものが本当に自分の趣味にピッタリ来たときには嬉しいものである。逆に、私が人にものを差し上げたときには、たいてい喜ばれてないような気がするから尚更である。最近は開き直って、「もらってもちょっと困る」ものを贈ったりもしているが(^_^;)。
CDの収録曲は以下の通り。ご存知の方も多かろうが、全て中国語バージョンである。
1. 大きな河と小さな恋 '03 2. 春一番 '94 3. 暑中お見舞い申し上げます '94 4. 微笑み返し '94 5. 結婚しようよ '93 6. ライク・ア・バージン '01 7. 上海ブギウギ[東京ブギウギ] '02 8. 鱒 '96 9. 遥かなる武夷山 '90 10. 茶林 '00 11. 太湖船 '95 12. 翠湖のほとりで '98 13. 蘇州夜曲 '99 14. 鉄腕アトム '97 15. MEMORY '91
外字ばっかりなんで、歌詞はここに紹介できないが、どれももとの日本語に比較的忠実に訳されているようだ。「アトム」を「阿童木」って書くのは知ってたけど、これ、「原子」の意味だってことは中国の人、わかってるのかな? 『麦畑』や『いつでも夢を』が収録されてなかったのはちょっと残念。
記載されているのはこれだが、実はボーナストラックが3曲。シングル版の『マーとジャンのメリークリスマス 聖誕快楽 馬と姜』を特別収録している。でも、シークレット・トラックだから、記載がパンフに載ってないんだよな(^_^;) ということで、以下にそれを記しておく。
16.ジングル・ベル 作曲:Jack Pierpont 訳詞者不詳 唄:馬平・姜小青 17.もろびと こぞりて 讃美歌112番 作曲:R.Mason 訳詞:姜小青 唄:馬平・姜小青 18.聖しこの夜 讃美歌109番 作曲:F.Gruber 訳詞:姜小青 唄:馬平・姜小青
この訳詞と歌の両方を手がけた姜小青(ジャン・シャオチン)という方、中国の「古筝(こそう)」の奏者でもあるようだ(有名な人なんだろうけれど、私は知りませんでした。すみません)。
http://member.nifty.ne.jp/avocado/Jiang/
こういう美しい歌声を聞いていると、なんだかその演奏も聞いてみたくなるンだよなあ。福岡にも今度演奏に来られるみたいだけれど、ただでさえ出物が多いときに、とても舞台だのコンサートだのに行ってられやしないんである。 ああ、天からお金が降ってこないものか。
アニメ『名探偵コナン』を見たあと(もう感想は書かん)、やきメシを作って食う。仕事帰りのしげに残してあげてたが、ちょっとしか食べなかった。本気でダイエットする気なのか?
アルフレッド・ベスター(中田耕治・訳)『虎よ、虎よ!』(ハヤカワ文庫・714円)。 はい、私ゃ金輪際、「SFファン」だなんて言いません。今回が初読だよ。m(__;)m。あぐにさんに触発された形で、未読のSFを読んで見ようと思ったんだけれど、こんな中高生のときに読んどかなきゃならないものを、今まで放っておいたんだものなあ……(T∇T)。これから「お前、こんなんも読んでなかったのか」という本がちょくちょく出てくるかと思いますが、あまり責めないで下さい。 言い訳になるけど、ヘタに「SF入門」の類のやつ読んでるとさあ、もう、こんなのスジもオチも知ってるからなかなか改めて読む気になれないんだよね。 でも、今回きちんと読んでみて、やっぱり作品ってものはちゃんとハナから読んでおかないとダメだと思った。当たり前だけど。 後発のいろんな作品に影響を与えたってことは、今読むと古臭く感じるんじゃないかと思ってたけど、そんなことはない。やはりオリジナルにはオリジナルの迫力がある。というか、今これを読めて、かえってよかったんじゃないか。もう、日本のSFマンガ、アニメ、もちろん外国のSF作品のエッセンスがオリジナルである本作に原石の輝きを持って凝縮されてるのが、「後発」の作品をある程度見て来てるからこそ、見えてくる。 それに、ガリバー・フォイルの粗暴な人格、中学生の時だったら結構嫌いになってた可能性がある。でも、今はこの復讐の一念に凝り固まった彼の「幼さ」が慕しくも見えるのだ。自らのアイデンティティが崩壊した果てに彼が帰りついた場所は……ってこのラスト、今でも充分新鮮だよなあ。 それはそれとして、中田耕治の訳、読みにくいぞ。いくら原音主義だからって、木星の惑星・「イオ」を「アイオ」なんて書くなよ。
2002年03月10日(日) 象さんパンツの波紋/アニメ『サイボーグ009』第21話「英雄の条件」ほか……“NEW”! 2001年03月10日(土) きのこを手に入れました/アニメ『青山剛昌短編集』
| 2003年03月09日(日) |
誰が痩せるって?/映画『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』/DVD『Manie-Manie 迷宮物語』ほか |
しげがダイエットを始めた。 ちょっと前から、食事を勧めてもあまり食べようとしなかったが、公演に向けて動きをスリムにしたいらしい。意志の弱いしげにそんな奇跡が可能なものか分らないが、生暖かく見守ってあげましょ。
今日もちょっとだけ雨。 気乗りのしないしげを引っ張って、天神東宝へ。
昼飯をまず食べようと、こないだできたばかりの麻婆豆腐の店に入ろうとしたら、もう潰れている。作ったばかりの会員カードの意味がなかったな。
映画『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』。 公開二日目だけれど、最終回であるせいか、そんなに混んではいない。 親子連れ以外にもカップルや若いにーちゃんどうしとか、ご老人がお一人でとか、「なんで『ドラえもん』に?」と疑問に思う人たちも今日は目立つ。 もちろん我々夫婦も端から見ればヘンなカップルだろう。
まずは『PA-Pa-pa ザ☆ムービー パーマン』。 これがもう、原作をツギハギしたシロモノで、その、つまんないことと言ったら。声優が昔のままなんだけれど、1号の三輪勝恵や2号の大竹宏はともかく、さすがにパー子の増山江威子の声、衰えが目立っている。新キャストは魔土災炎を池田秀一が演じてるけど、これも全然ミスキャスト。いかにも添えもの映画って感じなのが悲しいなあ。
だもんで、本編の『ドラえもん』、あまり期待しないで見てたのだが、これがここ数年の不振がウソのような傑作。脚本がありきたりでも、作画と演出で見せられるって好例じゃなかろうか。渡辺歩監督、万歳!である。 1998年の『帰ってきたドラえもん』以来、「大長編よりも併映の短編の方が完成度が高い」とはよく言われていたものの、なぜか5年経っても6年経っても、渡辺監督の長編への抜擢はなく、もしかしたら芝山努監督、渡辺監督と仲が悪いのだろうか、とまで勘繰っていた。 芝山監督ももう還暦を越えている。当然、後継者を育成していかねばならない時期に来ているはずだ。今回の本編の作画監督担当は、そのための布石ではなかろうか。そして、渡辺監督の本領が、作画と演出の両方を担当してこそだということは、今回「演出のみ」の『パーマン』がダメダメだったことからも判明していることだろう。 来年はぜひ渡辺監督に作画だけでなく、演出まで担当してもらいたい。 今回の成功の理由はいろいろ挙げられようが、原作の『台風のフー子』をベースにして、藤子・F・不二雄の世界観を逸脱しないように留意したこと、ディテールの作画に特に気を配ったことの効果が大きいと思われる。 どこでもドアを通りぬけた瞬間に、気圧が変化したんじゃないかと感じさせるような風の表現、のび太の風に細かくなびく前髪、しずかちゃんの「この子には確かに骨格と筋肉がある!」と実感できる微妙な仕草、キャラクターの心情に合わせて変化するアングル、ここまで細部に拘った『ドラえもん』は劇場版シリーズの中でも初めてだろう。 特筆したいのは、悪霊ウランダーに憑依されたスネ夫の悪辣非道な演技。狂気を孕んでいることが如実に伝わってくる歪んだ目と口、その作画も圧倒的なのだが、その兇悪さを弥増しているのが肝付兼太さん一世一代の名演技! 悪役に回ったとは言っても、やっぱりスネ夫はスネ夫なんで、怖くなりすぎないように、ところどころギャグを入れてはいるのが、それでも小さなお子さんにはちょっとトラウマになってしまいそうなほど。 まあ、『風の村』の描写ががなんだかどこかで見たことあるような気がするのはご愛嬌(^_^;)。
ところが、映画館を出て、「今日のはよくなかった?」としげに聞いたら、もう吐き捨てるように「つまんない」のヒトコト。 「藤本さんの原作の味わい、守ってると思うけど?」と言っても、「これまでの映画の使い回しばかりじゃん」。 更には、 「のび太、なんであんなにすぐにフー子に感情移入するの? なにかそういう出来事でもあった?」 「雪山で遭難して助けられるってパターン、どれだけ繰り返されてきたと思うの?」 「マフーガを倒すのに逆向きに回ればいいって、どういうリクツ? 何の『逆回り』なの?」 ……まあ、そのあたりは昨日もマンガを読んで、脚本のヘタなとこだなあ、思ったところだ。スネ夫がウランダーに乗り移られるためには、スネ夫がフー子に執着してなきゃならないんで、そのためにフー子の卵を最初に発見したのはスネ夫ということにした。けれどそのせいで、のび太とフー子の繋がりが薄れてしまっているのである。ジャイアンに襲われたのをフー子に助けられた程度じゃねえ。 「逆回り云々」の説明も、画面見てるとフー子は自分の作った渦の中心にマフーガを飲みこんでるから、何の関係もないし。でもそういう設定の甘さ以上に、画面の緊張感はあったと思うんだけれどもなあ。 筋が多少いい加減でも、「映画のウソ」として許してほしかったんだけど。
帰りにベスト電器のLIMBに寄って、注文しておいたDVD『マイケル・ジャクソン ヒストリー・オン・フィルム』と『迷宮物語』を入手。あと、あぐにさんから奨められてたCD『chai』を注文しようとしたら、店頭にあったので、これも購入。 『マイケル〜』はなんでこんなのを? と思われるかもしれないが、収録されてる『リベリアン・ガール』ってやつに、ダン・エイクロイドがちょっとだけ出ているのである。バイクに乗って現れて、みんなが「マイケルが来たのか?」と思って振り返ったら、エイクロイドだったというギャグ。 こんなんでもしげは大喜びなのである。それで『ドラえもん』を貶したりするなよ(-_-;)。
DVD『Manie-Manie 迷宮物語』。 眉村卓原作、りんたろう・川尻善昭・大友克洋の三人の監督によるオムニバス映画。角川アニメの中じゃ、これが一番好きだったんで購入。もっとも好きなのはりんたろう監督の『ラビリンス・ラビリントス』だけなんだけれど。りんたろうの、と言うより、福島敦子さんのその独特のキャラデザイン、作画技術の高さに圧倒されたのだ。ある意味、実験アニメの部類に入るのかもしれないけれど、これはりんたろう版『千と千尋の神隠し』(『アリス』ネタだし)。でもって、『千と千尋』の千倍面白い。 ジムノペディも、この映画で「いい曲だなあ」って認識しました(^o^)。
2002年03月09日(土) 肉ウドンにすればよかったのか?/『南高裏生徒会』(日下部拓海)/『だめんず・うぉ〜か〜』3巻(倉田真由美) …“NEW”! 2001年03月09日(金) ふうふのしんしつ/『掌の中の小鳥』(加納朋子)ほか
| 2003年03月08日(土) |
急ぐぞ急ぐぞ/舞台『黄金の壷』/『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』(藤子・F・不二雄・岸間信明・岡田康則) |
いい加減、ひと月遅れ日記に憤慨されてる方もいらっしゃるでしようから、本気で爆走します。物足りない人はそう言って下さい。日によっては加筆するかも(^_^;)。
下村美里嬢(塩浦美鳩から改名)の所属する「うずめ劇場」の公演を見に、しげと連れ立って北九州まで。 ホントは昼に行く予定だったのだが、しげが寝こいていたので夜の部になったのである。 でも、方向オンチのしげのこと、道に迷っちゃマズいと明るいうちから出発した。したらばやっぱりしげ、道に迷うし(ーー;)。地図見てたじゃん。真っ直ぐ行く道でどうして脇道に入るかね。こうも期待通りのドジをやらかしてくれると、そのうち本気でマンガの主人公にしてやるぞ。 雨も降りだして、ちょっと気分は憂鬱。
舞台『黄金の壷』。 会場は廃校になった旧陣山中学校の体育館。 のわりには美術がなかなか凝っている。舞台転換を、上に張り巡らしたシーツの上げ下げで表現するアイデアは秀逸で、地方劇団のレベルを越えている。でも、下村さんには悪いけど、役者がみんなシロウトでもうどうにもねえ。 演出兼出演者のペーター・ゲスナー氏、芝居自体は悪くないんだが、やはり日本語がカタコトなので、「地面に」が「人面に」に聞こえるあたりがネック。デビルマンか。 原作はE・T・A・ホフマンの同名小説。岩波文庫で読めるが、ストーリーは驚くほど原作に忠実。だから面白いことは面白いんだけれど、舞台をドレスデンから北九州に変更したのはちょっとねえ。いや、向こうの衣装を用意できるほどの予算がないってのは分る。けど日本ものに翻案すればなんとかなるものでもないのだ。祇園祭の夜をきっかけに、主人公がアトランティスと混交するって、そういう祭りじゃないだろう、あれは(^_^;)。 人物の名も日本風に改変。 主人公アンゼルムスが安西さんで、謎の男リントホルストが竜胆さん。語路合せだな。 アトランティス自体も、今は随分手垢のついた存在になっちゃったけど、ホフマンの時代にはまだまだ神秘性が備わっていたのだろうなあ。 あと、「黒猫」と言ってどう見ても「熊」のぬいぐるみを出すのはやめよう(^_^;)。
芝居がハネて、下村嬢と少し話す。 下村嬢、私のかぶっている帽子を見て、「ノッポさんだ」と笑う。浅見光彦にはやっぱり見えんかな(ホントは親父の真似である)。また福岡においでよ、と会話して辞去。
マンガ、藤子・F・不二雄原作・岸間信明シナリオ・岡田康則まんが『映画ドラえもん第24作 完全コミック化総集編 ドラえもん のび太とふしぎ風使い』(小学館・500円)。 映画を見る前に、とりあえず筋を抑えとくために購入。予告編を見て、作画が異常によかったんで、数年ぶりに劇場版を見に行く気になったんだけれど、期待外れに終わらないよう、筋のダメダメな部分は予め知っておこうということね。 ……まあ、予想通りでした(^_^;)。つまんないとまでは言わないけど、さすがに24作も続くと、過去の作品の焼き直しになっちゃうのは仕方ないのかなあ。
2002年03月08日(金) ○○○○が長いのね♪/『笑うクスリ指』(唐沢俊一)/『ぶたぶたの休日』(矢崎在美)ほか …“NEW”! 2001年03月08日(木) ゴジラ対バラゴン。……地味だ(-_-;)/『Heaven』2巻(佐々木倫子)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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