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| 2003年09月02日(火) |
Where to go, when to go |
窓から差し込む日差しでというよりむしろ、強く眩しい直射日光で顔面に熱を感じるまで目が覚めなかった。10時を少し回ったところ。約束どおり、徹夜のせいで寝坊。
昨日、数十件のホテルにBCCでメールを送る。部屋の空き状況を知るため。急な思いつきなので仕方がないが、直前であるほど予約が取れにくいのは当然のこと。しかもハイシーズンの今は尚更。今朝返信がいくつかあった。既にいっぱいだとか、1日なら空いているとか、やはりこちらの都合の良いようにはいかない模様。
ただ、いつ行くかということはすでに決めたものの、実は、一番重要である行き先が確定していないのである。行き当たりばったりの旅もいいが、この広大なカナダで彷徨うにしても、これではあまりに準備が足りないではないか。危険すぎる。
しのぶから電話があり、家にお呼ばれ。ティムのコーヒーと純和風の夕食をご馳走になる。PEIの写真を見せてもらっているうち、やはり私も旅にでるべきだと次第に決心が固まる。しのぶと話すのは好きだ。だけど今日話を聞いている途中で、今の辛いことを思い泣きそうになることがあった。しかしすぐに、それは強さに変わる。感極まりそうになり泣きそうになる。決して負けまい。
夜に帰宅。マットに旅のことを話す。落ち込んでいる時には旅に出るのがいいと思って、などというのは全く冗談というつもりではなかった。だけど、心配かけてはいけない。発言には気を付けなければならなかったのに。マットは、カナダなら北へ行くのが良いとか、一人で行くなら都会が向いているとか、あらゆる助言をしてくれた。昨日からこんな風だが、ただそれだけで目が潤んできた。
何となくではあるが、行くべき方向がはっきりとしてきた。もうすぐ半年を迎えようとしている。
Thanks!Shinobu, Sarah, Matt.
労働者の日ということで今日は祭日。朝から一日中曇り空だった。冷気まで流れてきた。短かかった夏とも別れが近いことを思わせる。
間借り人もマスターも、ほとんどは家で過ごす。
それにしても、楽才なし、詩才なし・・・、で取り柄というものが無いことを自覚しては、落胆してしまう。伸ばせるものならその努力は惜しまないでしょう。しかし自分の能力の限界を知ること、自分自身であることを認めることで今は精一杯なのであります。それでも、向上心と動機だけは捨てられない。気抜けしたままじゃ生きていても面白くない。
今日はちょっと良いことがあった。
感動以上の何かに心を打たれ、今日は何度も聞いていた。ルームメイトのCDに入っていた「IF YOU ASKED ME TO」(Celine Dion)である。思わず空を見上げたくなるような開放感と優しさに満ち溢れた曲だ。ただ、歌詞を見て、すこしばかり受身ではないかと思わずにはいられなかった。こういうラヴソングもあるのですね。
今後の私の行動に影響を与えるだろう。それほどの印象と刺激を受けた。
手遅れというガイネンが存在するとしたら、もうその時は過ぎてしまったのかもしれない。最も大切なことを忘れてしまっていたのなら、もうそれまで。どうなるか、様子を見守るとします。
さて今日は午前中にトレイシーの店に一緒に行く。午後にバスターミナルまで乗せてもらう。私は行き先については「これからただ北へ行く」ということだけ話しており、お互いにいい週末をと、別れる。さて、どこへ行こうか、とバスの中で考えていた。そもそも、後に旅行に出かけるつもりでブラントフォードに帰って来たのではなく、当然準備も十分であるはずが無い。ただ一つ決めていたのはトロントのサウンドポストに行くということだけだった。そういうわけでヴァイオリンだけは持参していた。
定刻にトロント着。ベイストリートを数ブロック歩き、グレンビルを左に曲がったところにサウンドポストはあった。喧騒から離れたそれは本当に清閑な一角に、木々に囲まれながら私を迎えてくれた。というのは、視覚的な感想である。今日は朝から急な雨だとか強風だとかで、とても散歩日和とはいえない天候だ。だから正確には、普段は静かな一角にそれはあったと表現したいところだ。何しろ風が建物や耳に当たる音、道路の表面上を吹き荒れる音が絶えなかった。そのサウンドポスト、写真で見たとおりだった。クラシカルで小ぎれいな外装が印象的。ウィーンの街角で見かけてもおかしくない、むしろ見た様な気がする、と思ってみたり。市街地の真ん中にあるのが少し不思議に思えるほどだったが、それもまた良い。中に入ると、弦楽の音。誰かがチェロを弾いていた。内装も当然クラシカルではあったが、暖かな木の床の上を歩き、弦が響くのを聞くと、ここは明らかにあの日訪れたHAUS DER MUSIK(入り口右のヴァイオリン工房)そのものであった。
弓の張り替えを頼みたいと伝え、まもなくうわさのデヴィッドが登場。張り替えだけか、他に問題はないかとか尋ねられる。1週間かかることになり、お願いしますと頼み店を後にする。その前に、次回弦を全部交換したいということも少し相談してみた。来週までに新しい英単語を覚える必要があるようだ。
意外とあっさりと用件を済ませてしまったので、スタバや書店で過ごしている間にその後の予定を考えてみる。そして結局帰ることにしたのである。どちらかというと南へ行きたい気分だったからだ。南というと、合衆国くらいしかないので、そうなるとパスポートを忘れたのでは話にならない。それに、落ち込んだときは旅行に行くのが良いから、なんてトレイシーに話したものの、一体何が落ち込んでいるのか自分でもわからなくなったのである。混雑したバスターミナルへ戻り、18時30分のエクスプレス便でロンドンへ。
今日中にどうしても手に入れようとして、2軒目のHMVで買ったのがセリーヌのFALLING INTO YOU。過去を思い出すことで、また新しい自分が、あるいは忘れていた自分が見つかるかも知れないと感じたからである。呼び起こしたのは1999年。バスの中で聞く。2回半聞いて、家に着く。
何が本当なのか分からない。分からないから、信じるしかないのだろう。自分がそう信じたいと思うことしかできない。真実なんて、分かるはずがないのだから。
だけど、だけど。面白すぎる。
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