管理人日記
管理人



 人それぞれ

海外旅行に行くにあたって一番安く航空チケットを手に入れることができる時期は1〜2月だった(4年前までの話今はわからん)。

私だってモチロン夏のバカンスシーズンに海外だって行ってみたかったけど、ハイシーズンの旅行ってホントに高くつく…だから旅の思い出はいつも冬。もしくは日本の夏よりクソ暑いアジア方面への真夏の旅。とっても安いが死ぬほど暑い。まさに苦しみに行ってるようなもんだった。

ま、そんな時期に海外に行ってもそれなりに面白い人に出会うことができる。旅は私の場合、成田に向かう京成スカイライナーから始まっている。もちろん盗難にも気をつけなくてはならないがおもろいおばちゃんに出会ったことがある。

おばちゃんから話し掛けてきて、どこに行くんですかというからイタリアに行く、と答えた。おばちゃんにも聞いてみるとインドに行くと言う。もちろん一人で。日本人のおばちゃんが一人で海外旅行に行くってのはものすごく珍しいと思う。おばちゃんが自分の家庭について話してくれた。

するとびっくり。このおばちゃんには娘さんがおり、なんと数日後に高校受験を控えているという。ええっ、心配じゃないんですかあ〜?と尋ねると「主人も娘も、別にお母さんがいたっていなくたって受験の結果は変らないから、インドに行きたいならいってきていいよ〜」と言ってくれたそうだ。へえ〜〜いい家庭じゃないか…自立してんのね〜

他にもこのおばちゃんは幼少の頃、父親の仕事の関係でタイに住んでいたので、今でもタイ語が読めるし書けるとか言っていた。今回の旅も楽しくなりそう…そんな気分にさせてくれた出会いであった。

国家公務員のバックパッカー4人組に出会ったこともある。

折り目正しい青年でかなりの回数海外に行っているようで、色んな情報を教えてくれた。そのときちょうど私はかなり揉めて仕事を解雇になったばかり。そんなこんなで労働基準監督局に相談してたので、怒りながらその話しをすると「あ、実は自分は国家公務員で、労働基準監督局勤めなんですよ〜」と教えてくれた。

で、後の旅の仲間3人もそれぞれ国家公務員だそうで、まあ趣味が合う人がいるんですね〜と言うと、同期は400人いて、その中の4人だけだから確立は低いですよ〜と言っていた。そりゃそうだ、100人に一人の友達か。

で、彼らは通な場所ばかりに行っているらしく、今回はモスクワでトランジット、目的地はなんとブルガリアだそうだ。日本人は誰も行かないらしくガイドブックの類がほとんど出版されてなく、ご存知の通りブルガリアで探すとヨーグルトの本しか出てないと言っていた。私が聞いた情報では水が断水することが多いという事だったのでそれを教えてあげたが、彼らも物好きな場所にいくもんだ。

この青年とはしばらくの間、自分が行った海外の情報交換していたが、あるとき結婚の報告ハガキが来た。嫁さんの顔を良く見るとあんれまあ、あのときの4人組みの中の一人じゃありませんか。そうだったのね〜趣味が合う人と結婚できるのはいいことだ。

しかも新婚旅行はバルト3国にいったという。誰が行くんだ?ホントにマニアだよなあ。しかも「人事移動があって他府県に移ってすぐに北朝鮮に行こうとしたが(4年前)、国家公務員は海外に行くときはお上に報告しなくてはならず、いきなり北朝鮮デビューというのも強烈なので辞めました。ハハハ〜」とあった。

この方たちは面白かったのでまた連絡を取りたいんだけど私が引越しばかりしていたので連絡が途絶えてしまった!残念である。

まあ、突如出合った人と話をしていてむかつくこともあるが、こんな風に自分の常識(受験生の親・国家公務員)を変えてくれることもある。これは本当にありがたいことだ。硬くなっていく頭をやわらこうしてくれるような気がする。これも、これから旅!って気負っているからなのかな?

まあ、当たり前なんだけど人それぞれ、色んな生き様があるよね。私も誰かにそんな印象を与えてたかしら?どうか「なんだかちょっとヘンな人だった」というのでは無いようにと願っている!


2004年05月15日(土)



 アムロの母さん


やれやれ一ヶ月ぶりの日記です。

すっかりイラク人質事件は解決してるわけですが…なんかすっきりしないですな。帰国直後の鑑定精神科医には大変有名な斉藤学先生がなっていたりして、心のケアを大事にしてくれてるようですけどね。

しかし!!あの歯切れ悪い二人の記者会見。

記者ももっとつっこんで質問せえよ、と思うんですが。あの二人からはとうとう「お騒がせしてスイマセン」の一言は出なんだ。それを言ってから「信念を持ってやってますんで」とくればまだ感じ良かっただろうに。

この事件の顛末を見て思い出した事がある。それは「機動戦士ガンダム」だ。俗に言うファーストガンダムなんだけどね。この話、お子様番組と馬鹿にしてはイケナイ。作者の富野由悠季氏はご本人がかなりシニカルな人物。登場人物シャアにそっくりな思想の持主として知られている。

15歳の子供がいきなり戦闘用のロボットに乗り込み、簡単に操縦するなんてありえないことを知っていながら子供向けアニメだからそうしたと言っている。そして自分も子供をアニメ仕事で養っていかなくてはならないのでそれは戦いだったとも。

そんな人が作者なのでガンダムは実は恐ろしく厳しい話だ。そんなガンダムに一つのエピソードとしてアムロの母さんの話がある。

宇宙空間で生死ギリギリの戦いをしたアムロは地球に降りることになる。そしてそこは自分の母さんが住んでいる場所に近く、アムロは当然会いに行く。しかし自分の家には誰の姿もない。死んだのか?と思って近所の人に尋ねにいくと「母さんは生きていて、戦闘で傷ついた人のボランティアをしている」と言う。

喜んでアムロはそのボランティアキャンプに行くのだがそこは敵のジオン軍の勢力下であった。そこでアムロはお母さんと会えるのだが、出会いの感激の時間も無く、ジオン軍が視察にきてしまう。見つかったら地球軍の軍服を着ているアムロは間違えなくその場で射殺になってしまう。お母さんは傷病者用のベッドにアムロを隠すがジオン軍に怪しまれてしまい万事窮す。

そしてアムロは布団の中からジオン軍の兵士を射殺する。迷惑そうなボランティアの人々。面倒を起こしやがってという雰囲気が立ち込めるが、アムロのお母さんはなんと言ったか。

「なんてことをするんだい」
「この人たちにだって家族もいたろうに」
「虫も殺せなかった子なのに」

絶句するアムロ。ここで名言?の「お母さんは僕を愛してないの」に続くのだが、このアムロの母ちゃんのずれたことずれたこと。”今は”戦争下で”軍人の僕は”殺さなかったら、相手から殺されるというしょうもない状況でボランティアな母ちゃんは相手をおもんはかり、自分の息子を畜生呼ばわり。

だいだいこの母ちゃんは、スペースコロニーに5〜6歳のアムロとお父さん(ガンダムを作った有能で冷たい科学者)が移住するってえのに、私には無理だよ、自分は地球に残ると自分を優先し、子供を捨てたような人間だ。まあ、夫婦仲は冷えてたようだが。

結果アムロはそんな息子を尊重せず、考えのずれた母から子離れし、「僕には大事な仲間がいるんだ」「お達者で!母上」と永遠の別れをする。

この話、もう20年前のアニメのストーリーだが、現状が把握できず、大切なことが見えてない、悪意の無い一般市民がいるってことをわかっていたのね、という書き方である。まあこの話しは親離れと言うことがテーマなのかもしれないが、決して悪気のない、ずれた人をとらえたものとしては秀逸ではないだろうか。

アムロの母ちゃんがあの全てのイラク人質事件(3人+2人+その一部の家族)とだぶってしょうがないよ。本当にこれからは現状をわきまえて欲しいと思う。

海外のメディアは「自己責任」はヒドイとかどーのこーのと言っているが、そんなこと気にすんな。日本国内の現状がわかっていないだけだ。あの人たちは日本に住んでないんだから。外からガーガ―言ってるだけ。隣の家のケンカほど面白いもんはないってヤツだよ。

…しかし私、全てのことをガンダムに置き換えて考えてしまうようになったら…そりゃ〜ヤバイかもね!


2004年05月01日(土)
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